登録番号 第23号 十三湖産大和しじみ(ジュウサンコサンヤマトシジミ)
特定農林水産物等の区分 第11類 貝類 しじみ
特定農林水産物等の生産地 青森県五所川原市(十三湖を含む。)、つがる市、北津軽郡中泊町
登録生産者団体 (1)十三漁業協同組合
(2)車力漁業協同組合
特定農林水産物等の特性 十三湖産大和しじみは、塩分、溶存酸素量、底質、産卵条件といったしじみの生育環境が全国的に特に優れた十三湖において育まれたヤマトシジミである。
その特性は、以下のとおりである。
(1)十三湖産大和しじみは、しじみの出汁、旨味がよく出ると評価されている。
特に、産卵期を迎える7、8月には、身が大きくなり、濃厚な出汁が出る他、冬場の12月から翌3月にかけても「寒しじみ」として、身が引き締まり、旨味が凝縮されていると評価されている。
(別添3「仙都魚類株式会社鮮魚2部特種課からの十三湖産大和しじみの評価についての聞き取り調査結果」(PDF : 38KB)、別添4「第一水産株式会社営業第4部特種2課からの十三湖産大和しじみの評価についての聞き取り調査結果」(PDF : 54KB)、別添5社団法人青森県薬剤師会衛生検査センター「試験検査成績書」(PDF : 196KB)のとおり)
(2)漁業者の資源を守りつつ、漁獲を維持するための操業制限等の取組により、優れたしじみ漁場として全国有数の漁場となっている。加えて、禁漁期や湖が結氷する冬季にも、漁期中に漁獲したヤマトシジミを移植し、蓄養する個人管理区域により、計画的な漁獲を可能とすることで年間を通して出荷が安定している。
(3)社会的な評価について
1)市場関係者からは、「十三湖産大和しじみが高い市場価格で取引されている要因は、しじみの出汁や旨味がよく出ており、品質が高いことに加え、一年間を通して安定的に出荷されていることによります。特に7月、8月は、産卵期を迎えて、身が大きく、コクのある濃厚な出汁が出るようになり、しじみの旬になります。このため、毎年、土用の丑の日には、「土用しじみ」として小売店等で提供・販売されています。また、冬場の12月、翌年1月から3月にかけては、身が引き締まって旨味が凝縮されており、「寒しじみ」として提供・販売されています。こうした旬の時期は、特に市場において高値で取引されています。このように、十三湖産大和しじみは長年に渡って出荷され続けられており、その事実が、現在の市場における高い評価につながっているものと考えられます。」等と評価されている。
十三湖産大和しじみの産地における月別取引価格と、東京都中央卸売市場におけるしじみの月別取引価格で見ると、「寒しじみ」の時期となる1月及び「土用しじみ」の時期となる8月の過去10年間の取引価格の平均値比較では、それぞれ5割・3割程東京都中央卸売市場の取引価格平均値より高くなっている。
2)十三湖産大和しじみは、全国漁業協同組合連合会により、漁師が選んだ本当においしい魚として「プライドフィッシュ」に選定されている他、農林水産省補助事業による株式会社ぐるなびが運営するサイト「美味の国」に掲載されている。
また、青森県五所川原市の「市の貝」として指定される等、地元の特産品として長く愛されてきた歴史があり、しじみラーメンやしじみ汁、しじみのバター炒め等の料理で食されている他、冷凍・エキス・粉末等の加工品として販売される等、県内外において需要が高い。
各種のメディアでは、平成26年2月1日テレビ朝日「食彩の王国」、平成26年9月21日NHK総合テレビ「うまいッ!」等に取り上げられ、全国的に高い知名度を有している。
地域との結び付き -
*https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/23.html より
「十三湖産大和しじみ」は、塩分、溶存酸素量、底質、産卵条件といったしじみの生育環境が全国的に特に優れた青森県の十三湖において育まれたヤマトシジミです。
「十三湖産大和しじみ」は、しじみの出汁や旨味がよく出ており、品質が高いことに加え、一年間を通して安定的に出荷されていることから、市場で高く評価されています。特に7月、8月は、産卵期を迎えて、身が大きく、濃厚な出汁が出るようになり、しじみの旬になります。また、冬場の12月、翌年1月から3月にかけては、身が引き締まって旨味が凝縮されており、「寒しじみ」として販売されています。
地元では、青森県五所川原市の「市の貝」として指定される等、地元の特産品として長く愛されてきた歴史があります。
ヤマトシジミの漁獲は、12mm以上の目合いを持つ漁具を用いて湖底を曳いて行われます。漁獲されたしじみは、選別機に掛けるか、または漁具を丁寧に篩うことにより、出荷規格以下のサイズのしじみは取り除いて放流します。また、しじみの見た目や音から、死貝かどうかを丁寧に見極め、選別し、出荷規格毎に分けられます。
十三湖は、世界自然遺産の白神山地に源を発し、津軽平野を貫流し日本海に注ぐ岩木川の最下流部に位置する面積約18㎢・水深約1mの浅い汽水湖で、水路で日本海と接続しています。
このような地理的条件にある十三湖は、ヤマトシジミの生息に適した水質条件(塩分が0~22psuの範囲内で、溶存酸素量は3.5mg/ℓを下回ることがないこと)底質条件(泥の割合が50%未満の砂質)を有しています。
また、ヤマトシジミの産卵発生には、水温25℃以上、塩分2.5~10psuが必要とされていますが、十三湖では、6月から8月にかけてこの産卵条件を満たしている場合が多く、産卵条件も整っていると言えます。
このように、十三湖はヤマトシジミの生息場所として水質、底質とも非常に良好な状況にありますが、それに加えて、漁業関係者による資源管理等の取組みが積極的に行われています。
毎年、研究機関によって実施される資源量調査の結果等を踏まえ、操業期間や区域、漁獲量等の操業制限が設けられています。さらに、定期的に湖底の耕うん作業等を行うことで、十三湖におけるヤマトシジミの生育環境の保全が図られています。このような漁業関係者の努力により、持続可能な十三湖産大和しじみ生産が実現しています。また、禁漁期や湖が結氷する冬季にも、漁期中に漁獲したヤマトシジミを個人管理区域に移植し、蓄養することも行われており、年間を通して安定した出荷が可能となっています。
「十三湖産大和しじみ」の歴史は古く、「青森県水産事項特別調査書」(1891年)においては、十三湖での漁獲実績が記載されていることから、少なくとも明治時代には採取・生産されているものと推定されます。1984年からは、操業時間の設定、休漁期間の設定を行い始め、1986年からは、漁獲量の制限、休漁区の設置を行い、しじみの資源管理を行いながら持続可能な生産を行っています。
*https://gi-act.maff.go.jp/register/entry/23.html より
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