第180回 2017年12月26日 「素朴に エレガントに!~沖縄 久米島紬~」リサーチャー: 前田亜季
番組内容
今回は沖縄の離島で作られる絹織物「久米島紬(つむぎ)」。国の重要無形文化財に指定されている。深みのある素朴な黒は「泥染め」によるもの。伝統のかすり模様が映える色だ。近年新たに誕生したのが「大地染め」、明るく淡い色合いが都会的でエレガントと好評!どちらの染めも島の天然素材だけを使って色づけられる。素朴な温かみと、都会的な輝きの両方をあわせもつ久米島紬の魅力を、女優・前田亜季が徹底リサーチする。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201712261930001301000 より
詳細不明につき、勝手に調べてみました。
「久米島紬」
久米島紬について
久米島紬の起こりは、15世紀の後半に堂の比屋と呼ばれる非凡な人物がいて、中国から養蚕産業を学びこれを広めたことから始まったと言い伝えられています。
日本の紬絣技法は久米島を起点に発達し、沖縄本島、奄美大島を経て本土に伝えられ、大島紬、久留米絣、結城紬などのもととなり、日本全国に伝播されていきました。久米島紬が紬の発祥の地とも言われる所以です。いわば久米島は日本の紬の里です。久米島紬は、蚕から取った真綿でつむいだ糸を原料糸として、天然の草木、泥染めによって染色します。織りは、手投杼を用いて丹念に手織りで織り上げます。これらのすべては伝統を踏襲し、一貫した手作業を一人の織子が行うところにあります。
したがって、久米島紬にはつくる人の想い入れが込められ、紬糸のもつしなやかな風合いが着る人の着心地を満足させ、さらに気品をかもし出します。久米島紬は、昭和50年には、伝統工芸品として通産産業大臣の指定を受け、昭和52年には県の無形文化財として指定され、さらに平成16年には国の重要文化財として指定されました。
*https://www.kume-tumugi.com/%E4%B9%85%E7%B1%B3%E5%B3%B6%E7%B4%AC%E3%81%A8%E3%81%AF/ より
久米島紬(国の重要無形文化財)〜沖縄染織り研修〜 2022年6月6日 / 最終更新日時 : 2022年6月7日 いと善
沖縄染織り研修では久米島まで飛びました。沖縄本島から西へ約100km、30分程度のフライトです。ここでは久米島紬事業共同組合「ユイマール館」と泥染めの泥を採取する「阿嘉(あか)のウザ池」などを巡りました。
久米島紬は国の重要無形文化財指定にされています。その要件は ①糸は紬糸または引き糸であること、②天然染料を使用すること、③絣は手括りであること、 ④手織りであること。ユイマール館ではその一通りの工程が行われています。
展示館ではフクギ、ヤマモモ、ゲットウ、シャリンバイ、グール、など島に自生する植物染めの資料(画像②)に加え、比較的新しい染色方法の「大地染め」の資料もありました。
大地染めは何と!土を染料にしてミョウバン(アルミ媒染)されるそうです。
久米島紬の伝統的な染色として泥染め(泥媒染)があります。奄美大島の泥染めは糸を泥田に持って行って染めますが、久米島は泥を採取して工房で染めます。今では「阿嘉(あか)のウザ池」でしか採取できない貴重な材料です。泥媒染した糸は蒸し器に入れて蒸します。色が更に浸透して赤茶の絣足が生まれるそうです。
糸は琉球王朝時代から黄金色の繭を使っていたそうですが、その「琉球多蚕繭」伝承の為の繭作りも行われていました。
久米島では織り上がった生地を砧打ち(きぬたうち)します。2人で40回+裏返して40回打ちすることで独特の風合いと艶が生まれます。
久米島紬は一人の職人が染色から機織り、砧打ちまで一貫しておこないますが、最後の検査は大変な緊張の時間となります。明るい光を当てて入念にチェックされるため、織っている時には気づかない難も発見されるとか。
絣付けは手括りだけだと思っていましたが、締め機(しめばた)も使われるとのこと(画像⑦)。ただし、いくら手間が掛かっていても重要無形文化財の要件とは違うので、締め機の場合は重要無形文化財とは言えなくなります。
久米島は平織りだけだと思っていましたが、「組織織」として紋織の反物もありました。
本を読み込んでも知ることができない、現地に行くことで初めて知る驚きがいくつもありました。産地研修の醍醐味です。
*https://itozen.com/2022/06/06/22-5kumejimatumugi/ より
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