第244回 2020年2月11日 「料理を楽しく!もっと便利に!~新潟 三条のキッチン用品~」リサーチャー: 黒谷友香
番組内容
いま、斬新なキッチン用品を続々と開発しているのが、新潟県三条市。古くから金属加工の町として知られる。鋳物工場ではフライパンを鋳物で作った。鋳物は、火の通りがいいという利点がある一方、重くなるという難点があった。鋳物でしかも軽いフライパンを生み出すまでを紹介。また、シンプルで衛生的なキッチンバサミやオール樹脂の調理スプーンなど、使いやすさとデザイン性を兼ね備えたキッチン用品の開発をひも解く。
*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A202002111930001301000 より
1.UNILLOY(ユニロイ・三条特殊鋳工所)
「サントク」の愛称で知られる三条特殊鋳工所は、昭和36(1961)年創業した鋳鉄製機械部品の製造工場です。
大手企業から、鋳物製精密機械部品などの下請けをしていましたが、三条特殊鋳工所の概念とも言える、
「極薄鋳鉄(薄くて軽い)」という唯一無二の技術を追求し、「自分たちの手で、誰からも愛される、世界一のモノを創り、 たくさんの笑顔を創造しよう。」という想いから平成26(2014)年に、三条特殊鋳工所のキッチンウェア事業部である「SSC」と「Unique-alloy」(ユニークな合金)からネーミングした初の自社ブランド「UNILLOY」を立ち上げました。
「SSC」
三条特殊鋳工所の社名「Sanjo Special Cast」の頭文字を冠としたブランドで、世界中の料理好きに、美味しい料理を届けたいという想いのもと、「極薄鋳鉄」というユニーク(独特)な金属合金を使い、軽くて使いやすく高機能な調理器具ブランドで、フライパンやキャセロールなどを販売しています。
「UNILLOY」は、大手アウトドアメーカーのダッチオーブン製造の経験を活かし、約2年をかけ、約200回もの試作を繰り返して完成した、「世界一軽い、鋳物ホーロー鍋」です。
「鋳物ホーロー鍋」は、金属(鉄)を溶かして鋳型に流し込んで作った鍋に、ガラス質の釉薬を高温で焼き付ける「ホーロー加工」を施したものです。
金属とガラス、2つの素材の良さを兼ね備えています。
素早く鍋全体を均一に温め、食材から出た水分は鍋底で加熱されることによって水蒸気となり、食材を包み込むように鍋の中で対流します。
ホーロー鍋からの熱伝導と蒸気の対流によって、食材にムラなくゆっくり熱が伝わるため、素材の良さが引き出されて美味しく仕上がります。
金属のベースがガラスで包まれていることにより、熱の伝わり方が他の製品に比べゆっくりなので、食材の表面は強度を増し、煮崩れしにくくなりつつもふっくらと仕上げることが出来ます。
保温性にも優れています。
コーティングしているガラス質は酸や塩分にも強いため、錆や腐食に強い素材耐久性があります。
ニオイ移りしないため、ぬか漬け・かす漬け・みそなど、ニオイの強いものの保存も出来ますし、色落ちの心配などもありません。
ガス火・IH・オーブンに対応しています。
しかしそれまで、「鋳物」とは「重くて使いづらい」ものでした。
色味にバリエーションは無く、値段は重さで決められていたため、軽量で扱いやすいモノの価値が認知されていませんでした。
「UNILLOY」は、「FCV鋳鉄」という技術を使い、鍋の厚みが2mmという驚きの薄さにしたことで、従来の輸入ホーロー鍋の重さの半分という圧倒的な軽さを実現しました。
更に、厚さ2mmという薄さにより、抜群の熱伝導を実現。
側面や底面からムラなく熱を伝えるため、短時間で鍋内を一気に加熱。
温度が下がりにくく、揚げ物はカラッと、麺はコシがある仕上りになります。
「UNILLOY」はデザインも徹底的にこだわり、野田琺瑯の「KAMADO(カマド)」や「NOMAKU(ノマク)」、吉田金属工業の「グローバル包丁」などのデザインで知られるプロダクトデザイナー・山田耕民(やまだ こうみん)さんがデザインしています。
グッドデザイン賞など様々な賞を受賞した他、平成27(2015)年には世界三大デザイン賞の一つ、レッド・ドットアワードの最高賞であるベストオブベストを受賞しました。
世界最薄の鋳物ホーロー鍋「UNILLOY」に続き、炒めやすく煮込みやすい上、振って調理が出来るほど軽い「SSC 鋳物フライパン」「ソロキャンプ向け、鋳鉄ギア「SSCamp!」などの製造販売も行われています。
三条特殊鋳工所 新潟県三条市福島新田丁642
2.キッチンスパッター(鳥部製作所)
新潟県三条市はまた、「大阪府堺市」「岐阜県関市」とともに「日本三大刃物産地」の一つとして有名です。
新潟県三条市で製造される打刃物は「越後三条打刃物」(えちごさんじょううちはもの)と呼ばれ、国の伝統的工芸品にも指定されています。
閑散期の農家の副業として「和釘」が作り始まり、その後包丁など多くの種類の打刃物が製造されるようになると。
次第に鍛冶職人の集まる地になっていきました。
「打刃物」とは、日本古来の技法を使い、金属を叩いて製造する刃物のことです。
元々は農工具などを作る技術でしたが、現在は、包丁やハサミなど日用品を始め、ナタやノミなど様々な分野の刃物が製造されています。
「鳥部製作所」は、昭和37(1962)年に「鋳物製ラシャ切り鋏(裁ちばさみ)」のメーカーとして設立された
鋏の専門メーカーです。
その後、ステンレス素材が一般的に普及すると、一早くステンレスを使った鋏の製造を始め、輸出を中心に売上を伸ばしました。
現在は、ステンレス及び鋼素材の鋏を中心に製造を行っていて、折れやすい鋳物鋏は製造していません。
「鳥部製作所」のキッチンハサミ「キッチンスパッター」は、食材を切るためだけに考えられたキッチンバサミです。
シンプルで美しいデザインだけでなく、シャープな切れ味で、使い勝手も抜群と評判です。
特に、手入れが簡単なキッチンバサミが欲しい人におススメです。
オールステンレス製なので錆びにくく、ドライバーなどの工具を使わなくても特に汚れや雑菌が気になる接合部「カシメ部」が簡単に分解出来るので、隅々までスムーズに水洗いが出来ます。
キッチンバサミは清潔に使えることが一番のポイントですよね!
食洗機での洗浄も可能です。
煮沸消毒や紫外線ライトでの消毒も可能です。
炭素含有量が高いハイカーボンステンレス製ですから、耐摩耗性、強靭性に優れています。
「キッチンスパッター」は何といってもその切れ味が素晴らしいです。
切れ味が鋭いので、魚、肉、ネギなどの野菜から昆布のような乾物まで、食材を潰さずにスムーズにカットできます。
脂の多いお肉や、カニの甲羅のような固いものもストレスなくキレイに切ることが出来ます。
片刃が「セレーション刃」という細かなギザギザの刃先になっているため、堅い食材でも滑らずに切ることが出来るんです。
ハンドル部分は力を入れても指が痛くならないように当たりの柔らかな作りになっている上に、重過ぎないので長時間使っても疲れを感じません。
鳥部製作所 新潟県三条市田島1-17-11
3.DYK ナイロン万能スプーン(DYK:ダイク)
「 DYK(ダイク)」は燕三条の大工道具の老舗、「株式会社高儀」より生まれた大工道具の製造を通じて培ってきた技術と理念を活かして作られたキッチンツールのブランドです。
中川政七商店の業界特化型コンサルティング事業をきっかけに開発が始まり、PRODUCT DESIGN CENTERの鈴木啓太氏のブランディング及び プロダクトデザインによって商品化されました。
「 DYK(ダイク)」の由来は “Design Your Kitchen”。
「DYK」のナイロン万能スプーンは耐熱性に優れているので、火をかけたままのフライパンや鍋の中でも使用出来ます。
炒めや混ぜる等の調理シーンから料理の取り分けシーンまで万能に使用出来ます。
オールナイロンの一体成型で継ぎ目がなく洗いやすいので、汚れが溜まりにくく、清潔に使用出来ます。
*https://omotedana.hatenablog.com/entry/Ippin/Niigata/Sanjho/kitchen より
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