「からなます」
主な伝承地域 内房地域 (房州沿岸でもつくられている)
主な使用食材 イワシ、おから、長ねぎ、人参、きゅうり、油揚げ、ピーナッツパウダー、柚子 他
歴史・由来・関連行事
「からなます」は、イワシやおからを使ったおからの酢の物である。祭りなどの人が集まる行事や、日常食としても「からなます」は食されている。祝いのときはウサギの形につくって大皿に盛り、不祝儀に時は普通に皿に盛った。
千葉県館山市三軒町では毎年1月15日に、皆がひとつの家に集まり、疱瘡祭(ほうそうごもり)がおこなわれている。疱瘡祭でも「からなます」は定番料理として現在もなお食されている。疱瘡とは、天然痘ウイルスが引き起こす感染性のことで、約6世紀に日本に伝わったといわれている。江戸時代に日本でも定着し、流行を繰り返した。痘瘡発祥すると症状がきわめて奇異なことから「痘瘡に鬼神あり」と伝わるようになり、痘瘡の神として疱瘡神をまつる風習が広がったという。また、疱瘡の疫病をはらう疱瘡祭をおこなう風習ができたという。
行事の際にからなますを振舞うときは、大きな皿に一人分ずつ俵型に形成されている。
食習の機会や時季
祭りなどの人が集まる行事や、日常食としても「からなます」は食されている。郷土料理としてイワシを使った「からなます」が受け継がれているが、日常的に食される「からなます」にはイワシを使っていない家庭が多く見受けられる。
飲食方法
味噌、酢、砂糖、ピーナッツパウダーを混ぜ合わせる。湯をかけて油抜きした油揚げを小さく切り、醤油、砂糖で甘辛く煮る。塩でしめたイワシを酢で洗い、細かく切る。人参は千切り、きゅうりは薄い輪切りにし、塩を振ってしんなりさせる。ねぎは細かく切っておく。人参、きゅうりをしぼり水気を切ったら、具材全てを最初に合わせておいた調味料に加え和える。この時、おからは事前に空煎りをするもしくは、電子レンジで加熱をしておいたものをまぜ合わせると良い。最後に千切りにした柚子の皮を合わせ俵型に握る。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在も家庭でよくつくられ、親から子へと継承されている。また、道の駅などでも販売されているため、購入することができるほか、古民家などにて「からなます」など千葉県の郷土料理作りの体験ができる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kara_namasu_chiba.html より
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