田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

愛の絆(5)/三億八千万年の孤独 麻屋与志夫

2011-05-20 11:50:03 | Weblog
5

念波は美智子に呼びかけている。
このビルに美智子がいる。
美智子が囚われている。
助けなければ。
翔太郎は立ち上がった。
吸血鬼は消えている。
このビルの何処かに美智子がいる。
念波が、美智子に呼びかけている。
美智子を探している。
智子の声もきこえる。
助けてあげて。そういっている。
 
美智子。美智子。

思念で呼びかけながら隼人部屋から部屋へと走る。
ここは、まえの階とちがう。
狭い部屋が幾つもある。
どのへもロックされていない。
まだ使用されてはいない。

――美智子。
――こちら翔太郎。麻耶翔太郎だ。美智子がここにいるのか。
隼人が翔太郎の念波をキャッチした。
――美智子さんの、オジイチャンですね。
隼人と翔太郎がコネクトした。
頭の中に直接話しかけてくる言葉。
ドアが外から開けられた。
隼人たちがたっていた。

「翔太郎さん……ですか」
この青年だ。
直人クンにそっくりの、この青年だ。
思念をとばしていたのはこの若者だ。

「美智子はブジなのか!!」



 今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
 お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
 皆さんの応援でがんばっています。

にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へにほんブログ村