田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

バラ満開。シテイオブヨーク、ツルアイスバーク、ブルームーン 麻屋与志夫

2011-05-27 13:14:44 | Weblog
5月27日
メイキング オブ 三億八千万年の孤独(2)

●さて季節は5月のおわり。
わが狭小庭園ではバラが見事に咲いている。

●東京生まれのカミサンは、
田舎住まいには馴染めず、
友だちもあまり多くはない。
ところが、バラ園芸をはじめた。
ブログもはじめた。
まいにち、
あとからあとから咲きだすバラをシヤシンに納めブログにアップする。
これがなかなかの人気だ。
わたしのブログ小説などはぜんぜん太刀打ちにならない。

●バラに囲まれた生活。
バラの芳香のなかでの毎日。
たしかに夢の世界のようだ。

●カミサンがバラ栽培をしているおかげで、
わたしの小説にもバラの花の話題がでてくる。
花は桜しかしらなかった無風流なわたしもかわった。
散歩の道すがら、花の在る庭では立ち止まるようになった。

      シティオブヨーク
      

      

      ツルアイスバーグ
      

      

      ブルームーン
      

      

      

      カフェラテ
      

      

      

      クレマチス
      



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闇の一族(4)/三億八千万年の孤独 麻屋与志夫

2011-05-27 12:29:03 | Weblog
4

美樹にいわれなくてもわかっていた。
むかしいわれたことがある。
かつて、いちどみみにした魅惑の言葉。
いまなら、受けいれることができる。
もういい。
もういいだろう。
智子と会えるなら。

美樹の息使いかする。
美樹の息がわたしの首筋に……。

……ダメエ。ヤメテ。オネエサマ。
……どうしてとめるの。
翔太郎も、
わたしたちのようにイタ―ナルライフを獲得する権利はあるはずよ。
智子と半世紀も生きたのたのだから。

……そういうことではないわ。
ひとは死ぬから、終りがあるからすばらしいのよ。
一瞬いっしゅんを美しく生きようと努力する。
死という終りがあるから生が輝くのよ。

智子。
智子。
どこだ?
顔をみせてくれ。

あなた、焼け残ったバラが春になったら咲くわ。
その花房のなかにわたしはいる。

智子。

あなた、おかしなとはかんがえないで。
わたしは、
いつでも、
あなたのそばにいるから。

智子の声が遠退いていく。

……わたしのように、
ひととの調和を求めるようなものは、
もう不要なのかしら。
わたしのようにひとのなかに混じって生きていこうとするものに住む場所はもう、
ないのかしら。
わたしたちは敵同士として憎み合って生きなければならないのね。

美樹の声も遠くできこえている。

死なないで。
姉妹の声がまざりあって、
消えた。

だめだ。
智子。
智子。
いかないでくれ!!
翔太郎は声をかけた。
去りゆく智子を呼びもどそうと必死で声をかけた。
叫んだ。
喉も裂けよと叫んだ。
絶叫には声がともなっていない。
声のない叫びの底で。
翔太郎は正気にもどった。
失神からさめかけていた。

止まっていた時間が動きだしたようだ。
「ジイちゃん」
と呼びかける美智子の声がきこえる。
「ジイちゃん。死なないで」


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