携帯電話？

それは…異様な人でした。
見た目は…普通の若い女性です。
その女性は…電車の中で携帯電話を掛けていました。

ところが電波状況が悪かったのか…電話が悪かったのか？
通話の相手とは…上手い具合に話せない様子です。
段々と声が大きくなっていきます。

しかし声を張り上げても…まだまだ話が遠いようです。
そして…その女性は気が短いようです。
やおら…携帯電話を叩き始めました。
「もしもし！」（バシ！）
「もしもし！」（バシ！）
の繰り返しです。

昔…電化製品を叩くと治ると云う定説がありました。
確かにTVなどは…良くそうやって治ったものです。
しかし今の御時勢にそんな事をやっても…

女性が…ヒステリックに携帯電話を叩いている光景は… 昼間の山手線でも怖いものです。

結局…その若い女性は電車を降りて行きました。
携帯電話は…叩いても通話状態は変わらないようです。