これまで畑沢地内にある社(やしろ)については、6か所を紹介してきましたが、ただ一つ残っていました。それが「お不動様」です。
中畑沢の屏沢奥にあります。他の社は人家からそう遠くない場所に建っていますが、背炙り峠の乳母木地蔵とこのお不動様だけは、行くだけでも大変です。特にこのお不動様は、屏沢の畦道を進むのですが、途中の畦道は耕作放棄されていますので、草木が茫々と茂って道を塞いでいます。去年から私が湧き水を飲みたくて、畦道の草刈りをしていますが、それでもすぐに草が伸びだします。
やっとたどり着いた社でしたが、少し痛んでいます。ここ何年かは降雪量が多くなっていますので、雪の重みで、社の垂木(たるき)が数本折れました。それでも屋根のトタンはまだしっかりしています。入口の板戸が一枚剥がれてしまいました。
このお不動様を祀っている家は、他の社と比べると、かなり少ない感じがします。例えば、昔から我が家では全く関与しなかった気がしますし、かなり限られた特定の家によって祀られてきたようです。ところで、単なるスビタレかもしれませんが、入るのが怖い感じがします。このお不動様については、子どもたちの間で、「日本刀が奉納されている」という話がされたことがあります。戦後、不要となった軍刀を納めたというのですが、くだんの事情によりまして、確認はしておりません。このことに限らず、いい加減な私の調査ではなく、まともな方による調査を是非ともお願いします。私は「先鋒」が得意ですが、途中ですぐに飽きてしまいます。腰を据えてじっくり取り組むことは、他の人にお願いします。
私は「お不動様は、滝があったり水が湧きだしている所にあるものだ」というイメージを持っていますが、不動尊と水との関係はどうなのでしょうか。不動尊について調べても、分かりませんでした。それでも畑沢のお不動様のそばにも、水量豊かな湧き水があります。屏沢、自体が湧き水の多いところですが、その中でも特に水量が多い湧き水です。砂岩状の岩の割れ目からこんこんと湧き出しています。湧き出している所は、畦道から少し登った位置にありますので、見つけにくいようです。
最後に、私の素人推論では、稲作のために大事な大事な湧き水を守るために、不動尊を祀ったというところでしょうか。