昨年の11月から久々の千鳥川ウォッチングです。畑沢が猛烈に暑かった7月27日に、無性に川に近づきたくなり、岡田沢と対峙している西側の山裾を流れている千鳥川を覗き込みました。すると、意外なほどに魚の姿が多く見られました。昔、子ども時代での光景のようです。昔は川のどこを覗いても、必ず魚の姿が見えました。ところが、最近は極たまにしか見られる程度だったのです。しかし千鳥川の最下流に近いこの場所には、沢山の魚が見えました。魚の種類は、ウグイ(畑沢のヘズギ)とアブラハヤ(畑沢のニガザッコ)の様でした。それにしても、こんなにも魚が復活したのは大変うれしいことです。それでは記念写真とカメラを向けても、大きい個体は素早く逃げて、残ったのはメダカ程度の幼魚だけです。
県道へ戻り、荒町方面へ下ったのですが、またしても「川覗きたい病」の発作が起きてしまいました。松母橋を渡って直ぐに朧気川の右岸沿いには、管理用の砂利道が続いています。昔はなかった道です。「行きあたりばったり病」も併発して、行けるところまで行ってやろうと、この道を下ってみることにしました。直ぐに行き止まりと思っていたのですが、何処までも続いています。とうとう、朧気川と千鳥川の合流点らしきところが見えました。畑沢に生まれて、六十数年ですが、これまで一度も合流点を見たことがありません。初めて見る興奮で心臓がどきどきしました。川岸には葦が背丈以上に生い茂り、行く手を阻みました。慎重に進んで、川面に出ました。朧気川の右側から、チョロチョロと流れて来る水が見えます。ははあ、これが千鳥川かと拍子抜けしながらも納得しました。二つの川の合流点なら、もっと広い場面を想像していたのですが、何とも慎ましいものでした。
合流点の慎ましさでは満足できませんでしたので、合流点から少しだけ上流の千鳥川はどんなものかと興味が湧いてきました。10m登っただけで直ぐに進めなくなりました。結構、大きな淀みになっています。遊漁券でも持っていれば、直ぐに釣りたくなるような場所です。
今度は逆に、合流点から下流側の朧気川はどうなっているのでしょう。合流点もそうでしたが、朧気川の川底は固い岩盤になっています。私達、畑沢出身者は朧気川を松母橋から見下ろしたいますので、川石がごろごろしている姿を朧気川の総てと思いがちですが、実際の朧気川は、岩盤で構成されていると言えるものです。岩盤の岩質は堆積岩のようですが、その種類が何であるかは私には判定できません。恐らく新生代第三期あたりに形成されたと想像するぐらいです。