青嵐
竹箒先
舞う若葉
あおあらし a o a ra shi
たけぼうきさき ta ke bo u ki sa ki
まうわかば ma u wa ka ba
青嵐とは、初夏に吹く南よりのやや強い風のこと。
青嵐があると、木の葉が吹き飛ばされて舞う。
その木の葉を竹箒で掃き清めようとするのだが、若葉は小さいので、竹箒の先で舞ってしまう情景を詠んだ。
竹箒は、平安時代からあったようで、当時から掃除のための道具として使われていたようなので、歴史は古い。
竹箒は、竹の枝を丸く束ねただけのものであるが、とても便利だ。
一見、竹の枝の間が粗くて、木の葉や枯葉が竹の間からもれて、掃き清められないようだが、実際はまるっきり違う。
天網恢恢疎にして漏らさずで、小さな若葉までそれこそ一網打尽である。
このところ、青嵐のために、若葉を含めた木の葉がたくさん我が家の道路側に落ちてしまう。
朝晩結構な量になるのだが、竹箒を使えばあっという間に掃き清められる。
こんな便利なものはない。
日本の大発明である。
こんなに目が粗いのにどうして、たくさんの木の葉を一網打尽に出来るか考えてもみなかった。
しかし、よく考えてみると極めて合理的で、効率的な掃除用具である。
一見バラバラに見える竹の枝なのだが、力を入れて地面を掃くと、竹の枝はしなって、地面と接して平行になり振動を伴って移動する。
つまり、竹の枝の線が時間の経過に従って、面となり移動する。
それが、複数あるので、上下の方向の立体となって、移動する。
つまり、風で舞い上がった若葉さえ捕まえて離さない。
一網打尽である。
まさに、天網恢々疎にして漏らさず。
残念ながら、市販の高価な電気掃除機は、どう頑張っても平面の移動でしかなく、非効率で到底竹箒には及ばない。
竹箒先で舞う若葉まで電気掃除機で掃き清めるのは、大変な苦労が伴う。
実際、和の国の工事現場や寺社仏閣や庭園で、竹箒はよく使われている。
便利で、効率的に清掃出来るからだ。
びっくりしたのは、amazonでも通販されている。
和の国へいらしたら、ぜひ竹箒で一度木の葉などを清掃してみることをお勧めする。
その効率のよさにびっくりされるだろう。
和の国が綺麗なのは、ひょっとしてこれがあるからなのかも知れない?
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