
翌朝は、疲れもとれ、4:40にはやはり起床。
やっぱり、リフレッシュ!浮世のごたごたに気分が転換されてる自分を感じた。
風呂に入り、部屋を空けるため、荷物を整え、若干の掃除など行なって、出発した。
お互い目標は、せめて合計30(昨日は19・あと11だ!)は釣りたいと、目標を立てた。
そして、出来れば、型の良いのが釣りたいであった。
本日は隣町の、大きな沢に向かった。

牧草畑や、牧場を抜け・藪を掻き分けて沢に入った。
沢は蛇行を繰り返して、流れる。U字やV字の谷の流れ。
立って、構え、竿を振り込める位置に身を置く為に、僕らも沢を何度も横切り、沢の流れに合わせて、遡上して行くのだ。
気配を悟られないように、草木や大きな岩に身を隠しながら、竿を出す。

この入渓しずらい本流も、あきらかに人の歩いた跡が残り、魚はスレている。
ポツポツ拾うようなつりだった。
大した釣果も無く、6から7匹で、途中沢をまたぐ、道に出た。
行くか・撤収か!?
決断の時だ。
僕は、「ここで止めよう」「違う沢に行こう」と決断した。
まだ、12時にはなっていない。

僅かだが、青空も見えた。
イケちゃんの蔵王では、始めてじゃないか?
車に戻る道では、下から吹き上げるさわやかな風が、本当に心地よかった。
元の町に戻り、小さな流れの沢を選んだ。
1本目にイケちゃんを下ろし、2時までに迎えに来ると、沢の状況・どこまで行ったら止めるかなど、レクチャーした。
お互いあと5や6釣り上げれば30の目標を超えるのだが・・・
なんせ、昨日・今日の状況は、1時間で1つか2つ、多くて3つだ。
これから1時間半で半日分を釣ろうってんだから、かなり厳しい。
僕は、ひどいヤブを漕がなければたどり着かない(そのぶん、人は少ない・・・)場所に向かった。
さすが、ヤブ・・ほぼ1時間で、目標の合計30に到達。
イケちゃんを迎えに、戻った。
イケちゃんは、鼻息荒く、釣る気満々で頑張っていた。
俺「もう終了しよう!少し登るとデカイ溜まりがあって、そこにはサイズの期待できるイワナがいるよ」
イケちゃんは、そこに向かい最後の1投を投げた。
すぐ、竿はしない、かなりの大物を釣り上げた。
手元に、寄せきれず、泥だらけの、しかし、針が切れても取り逃がすことの無い、土の上に大物が上げられた。泥まみれのイワナや哀れ・・・
出かかった!
やつの魚篭には、それより大物が1匹、それ以外をあわせて6匹のイワナが収まっていた。
イケチャンも、30は超え、しかも大物が2匹だ。
やつは、巻尺を出して測定する。26センチを超え、まるまる太った岩魚だ。
放流でない、天然は、しりびれも美しく輝く、人にいじめられず(いや、イケちゃんが、いじめたけど・・・)放流の弱弱しさなど無いブツであった。
見事なリベンジだった。
2日にわたる、拾い釣りが、わずか1時間強で、報われた瞬間だ。
さすが、蔵王を実感した。
僕らの住む町の近在の沢では、1日歩いて2つか3つ。ひどいときは坊主もある。
満足そうなイケちゃんに、案内の僕は、仕事を果たした満足感で包まれた。

沢に咲く多くの花は、ミツバチが仕事をしていた。
身も心も、リフレッシュ出来僕だった。
僕も帰ったら、しごとだにゃ・・・

宿に戻り・風呂・精算をして、一緒にT市に帰った。
話し相手の居る車中は、睡魔にも襲われず快適だった。
又、来年・・と、約束をした。
イケちゃんの顔は、腫ればれでは無く、晴れ晴れであった。
薄くなった頭には、網あみ帽子・1時間に1度は、防虫スプレーだ!
イケちゃん、竿は硬調・思い切って道糸は1.5で行け!
郷に入ったら、郷に従えだ!
ここまで読んでくれた皆さん!
あ・り・が・と・う!