お金のために仕方なくアダルトサイトのチャットレディとして働くことになった大学生のカイリー。その配信中、“ラバーボーイ”というハンドルネームから書き込みがあり──。
アダルトサイトの生配信に殺人鬼が殴り込んでくるサスペンスホラー。
あんま期待せずに見ましたが面白かったです。
まあ、映画単体で見ると普通の、よくある作品ではありますが。
殺人鬼の造形とか、まんまレザーフェイスw しかし、その背景を考えると中々奥が深い内容。
公開された2014年は”インセル“の語源になったエリオットロジャーの事件が起きています。
インセルは日本語で言うとこの”非モテ“で、アメリカではこのインセルが引き起こす事件が続き社会問題になっています。
この映画は太っちょコミュ障のインセルが殺人鬼になってしまうというお話。
初っ端、女の子にトラウマを植え付けられて〜というスタンダードな展開と思いきや、速攻人殺しちゃうのビックリしたw 元からの性格も歪んでたんでしょうね。
そっから前段が長いです。カイリーの身の回りの話をして、終盤畳み掛ける感じ。
退屈は退屈だけど、話がスムーズというか、殺人が起こるべくして起こる感じ。見てて引き込まれました。
「殺人の理由がしょーもない」と、レビュー見るとよう書かれてますが。
そんなこと言ったら、京アニ放火とかどうなります? パクリで36人殺す理由になりますか?
理由があろうがなかろうが事件は起こる。
動機や経緯があるだけ。理由なんて他人が考えてるだけだし。関係ないでしょそんなん。
自分にとっては一杯一杯で、必死で一大事なんでしょうよ。それを人に相談することもできなくて。
最後まで抱え込んで、やがて爆発する。身勝手だけど……でも、どうしようもないもんな。
人を助けるって、どうしたらええんやろね?
めちゃくちゃ暴論を承知で言うけど、人と分かり合うより人を殺した方が楽やろからな。
日本で言う無敵の人とか。自殺するより他人殺して死刑になる方がいいみたいな。
この映画の主人公も、なんか一つ勇気があれば変わってたかもしれない。でも、復讐の方が楽だったんやろ。
罪は負ってもらわなあかんし、何より死なんとあかんかったが……なんか責めれんなと思ってしまう。
この映画を見て「自分は違う」って言える人何人くらいおるんやろ? 「自分は他人に親切にしてる」って腹から言えるか?
悪いけど、最近は無神経で冷たい人、けっこう多いで。
俺だって、人のこと言えない。自分のことばっかですよ。
もしかしたら、気付かない内に他人に殺意を抱かせてるかもしれない。
人に優しくしましょう。口では誰でもそう言える。
では、また。