末浪靖司氏の『 「日米指揮権密約」の研究 』という本を読みました。
内容は
はじめに
序 章 富士山で訓練する米軍と自衛隊
第1章 指揮権密約の起源1949~1950年
第2章 指揮権密約の成立1951~1952年
第3章 安保改定でどう変わったか1953~1960年
第4章 密約の実行をめぐる攻防1961~1996年
第5章 米軍は自衛隊を地球的規模で指揮する1997年~現在
あとがき
驚いたのは、戦後すぐに日本を統治するために定められた『行政協定』が、内容をほとんど変えずに『地位協定』として現存していること。
いざという時には、『日米指揮権密約』により、自衛隊は米軍の指揮下に入ること。
また、返還された米軍基地は、その後自衛隊が管理しているところでは、いつでも米軍が自由に使えること。
米軍はその家族も含めて、米軍基地を出入り口としてフリーパスで行き来できること。
等々。
戦後GHQの管理下にあった日本は、現在も完全に独立しているとは云えないのではないか・・・とさえ思えてきます。
対米外交は「幇間外交」としか云えないのではないか。
特に問題と感じるのは、これらの事実を示す外交文書等はアメリカで機密解除された公文書で、日本側からの資料ではないところ。
つまり、日本では都合が悪いと判断されれば公開されない。
財務省改ざん事件での黒塗り資料が記憶に新しいが、そこには歴史を検証し未来に役立てるというような発想がない。
今さえ良ければ、今を守れれば良いという「刹那的」な『政』が横行していると云うことなのだろう。
これでは斬新な取り組みをする先進国の後塵を拝するばかりで、オリジナリティーのない猿まね国家に成り下がってしまう。
唯々心配になってしまいました。
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