青山透子氏の『 日航123便墜落 疑惑のはじまり 』という本を読みました。
森永卓郎氏の本を読んで、日航機墜落事故についてもう少し詳しく知りたいと思い、手に取りました。
内容は、
序 章
第1部 雲海を翔けぬける
第1章 出会いOJT初フライト
第2章 機内アナウンス
第3章 スタンバイルームで
第4章 DC-8での想い出
第2部 エマージェンシー 墜落か不時着か
第1章 八月十二日
第2章 見覚えのある顔写真
第3章 原因は何か 新聞報道の陰から見える事実
第4章 プロフェッショナルとはなにか
第3部 乱気流の航空業界 未来はどこへ
第1章 過去からのメッセージ
第2章 若者たちの現場
第3章 上野村へ
あとがき
序章から解りやすい文章と、氏の日本航空とスチュワーデス(当時)という業務に対する造詣の深さ、情熱の深さに引き込まれてしまいました。
山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」のような引き込まれる展開に、500頁を超える文章が、あっという間に通り過ぎていきました。
日航機墜落事故については、犠牲者数の521(胎児1を含む)という数字だけが注目される中で、その一人ひとりにフォーカスすることで、読み手に事故の重大さを実感させてくれるものでした。
多くの記載が印象深かったのですが、いくつか挙げると、
・事故現場の発見が遅れたこと。(18:56にレーダーから消え、発表は翌朝であった)
・しかも、墜落20分後には、米軍ヘリコプターが墜落現場に到着し、隊員がロープで降下しようとした時に司令部の横田基地から帰還の命令が出たこと(元米軍中尉マイケル・アントヌッチ氏証言)
・墜落直後はまだ多くの生存者がいたらしいこと(生存者川上慶子さんの証言)
・現地上野村村長を始め多くの方々がとても大変な思いをされたこと(身許確認班長飯塚訓氏、歯科医師大國勉氏、村長黒澤丈夫氏、消防団員黒澤武士氏ほか、ボランティア、医師、看護師等々)
・事件当時、中曽根総理は事故現場入りしなかったこと(事故当日12日:軽井沢から公邸に戻る。13日:インポート・バザール・トーキョー見学。14日:日航社長と会談。15~17日:人間ドックその後軽井沢のホテルへ。18日:別荘で水泳と散歩)
・そして、同じ年の8月23日にイギリスで起きた航空事故(54名死亡)では、サッチャー首相が休暇先のオーストリアから急遽帰国し、事故現場に駆けつけていたこと。
などでしょうか。
他にも、圧力隔壁破壊や尾翼の破損状況の矛盾など、多くの事実が語られていました。
ボイスレコーダー開示の請求棄却のニュースをも合わせて考えてみると、他にも氏が出されている本を読んでみたくなりました。
興味がありますので、図書館へ予約します。
けんちゃんのもみの木・いせひでこ 絵
は、絵本であり、遺族の立場からです。
あの日、異常な経験をした者として、手にした瞬間、心に入ってきたことがあります。
霊感を信じない方には、違和感もあるかと思えますが・・・
この事件については、今後も関心を持っていきたいと思っています。
また、よろしくお願いします。