時々雑録

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いちおう、音声学のことが中心のはず。

日本代表は背が低いか

2006年05月18日 | サッカー
統計の授業は「標本平均の分布」という、ちょっと難しいところに入ってきました。つまり「ある母集団から取り出したサンプルの平均が、どういう分布になるか(母集団より分散の小さい正規分布になる傾向を持つ)」ということ。ここまではいわゆる「記述統計」だったのが、いよいよ「統計的推定」に入るわけで、ここで引っかかる人も出るでしょう。私も分かっていなかったところで、去年L611のテキストを読んでやっと分かってきた気がします。今回で完全に把握して、人に説明できるくらいになりたい。

さてところで、サッカーW杯日本代表が発表されました。さまざまな意見が戦わされていることと思いますし、私もYさんとあれこれ話して楽しんでいます。よく読んでいる「スポーツナビ」の宇都宮徹壱さんというフォトジャーナリスト(たぶん有名)の意見は、面白かったし、だいたい納得しました。

ただその中で、「ホントかなあ」と思った部分があったので、ちょっとだけ調べてみました。「ウソを証明してやる」という意味ではなく、「多分ホントだろうけど、どれくらい実際にデータで裏付けられるか知りたくなった」という意味です。今日はその一つ目、「日本のDFは背が低い」ということ。たぶんそうでしょう。さらに、データを増やしてばらつきも見たいということで、登録選手23人全体を比較してみました。

これもよく見る「WorldCup’s World」というサイトからデータをいただきました。あまり多すぎてグラフが見にくくならないよう、8カ国でストップ。大陸別とか、ランダムにピックアップするとか、統計的に正当な選択手段をとるべきですが、アフリカとか中米には、全員のデータがない国もあったりするので断念(ありがち。そもそもそういう国はデータの信頼性も低い可能性大)。で、「アルゼンチンやスペインは低いかも」とか、「近くの韓国は?」とか、さらに(次回報告しますが)「年齢も比較してみたいから、じゃあ引退した選手が復帰したフランスを入れよう」と足して行きました。日本が戦うGroup-Fの国は全部入れました。

さて、書いてみたのは「箱ヒゲ図」。でも、Excelでやったので4つの値しかプロットできません。中央値(50%)を断念しました。表示したのは下から「最低値-第1四分位(First Quartile=25%)-第3四分位(Third Quartile=75%)-最高値」です。「ヒゲの下端-箱の下端-箱の上端-ヒゲの上端」がそれぞれの値になります。だから、箱の中に各国の23選手のうち、中央に近い50%が入っています。

さて、結果は平均値の昇順に並べてあります。調べた中ではアルゼンチンが一番低い。日本は下から2番目。かけ離れて低いわけじゃない。国民全体の身長はあまり変わらないと思われる韓国は、隣にいるけどけっこう違う。スペインもブラジルも、意外と大きい。選手選択方針の違いによるのでしょう。

日本のもう一つの特徴は、「箱が小さい」こと。似た背(178cm付近)の人が多いんですね。同じく箱が小さいのはフランスですが、箱の位置が違う(184cm付近)。みんなそろってちょっと小さめ日本代表、みんなそろってでかいフランス代表。一方、アルゼンチン、ブラジルなどは箱ももっと長いし、ひげも長い。でっかい人(アドリアーノとか)、小さい人(メッシとか)、多様にいるということです。他も全体的に、日本よりひげ長い、箱も大きい。

対戦するクロアチアとオーストラリア、でかいです。オーストラリアにはクロアチア系移民の選手が多いので、Group-Fにはクロアチアが2チーム入っているようなもの。平均でも6cmの差。空中戦は苦戦しそう。守備は対処のしようがあるにしても、攻撃でターゲットに当てようとしたときは、ことごとく跳ね返されるかもしれません。

ということで、日本代表の特徴は「背は低め。でもそれより顕著な特徴は、身長のバリエーションがないこと」でした。たぶんメキシコとかコスタリカは小さいし、逆にスウェーデンとかオランダはでかい。他の国を入れても、だいたい同様の傾向になるのでは、と思います。ちなみに私の身長(166cm)は、どの国の最低値より下でした。。。 次回は選手の年齢について比較します。