時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

旅程(例)

2006年05月08日 | 旅行記
航空チケットの値段の話を書いたので、ついでに、ここIndiana州・Bloomingtonというアメリカの片田舎の町に来るのにどんな行程を経るのか、一例を紹介します。私は初めてここにきたとき、地図で見ようと何をしようと、いったいどういうふうにしたらここにたどり着けるのか、まるでイメージがわきませんでした。

言われたとおり、空港から相乗りリムジンに乗って、これまた言われたとおりのホテルにたどり着いたのです。もしかしたら、Bloomingtonに来る気のある人で、その時の私のように全くルートのイメージがわかない人のために、全体像をお示ししたいと思います。

では以下に、ついこのあいだ決定してチケットを予約した、復路(日本→アメリカ)の移動経路と時間を示します。

成田   15:40発  JAL 4N便
シカゴ・オヘア空港   13:00着

シカゴ・オヘア空港   15:45発  United 500V便
インディアナポリス空港   17:47着

インディアナポリス空港   18:40発  Bloomington Shuttle
IUB学生会館(IMU)   20:10着

IUB学生会館(IMU)   20:12発  Bloomington Transit 6番
Fountain Park   20:21着

まず、成田からシカゴへ飛んでいる間に日付変更線を越えるので、ここで、出発したときよりも時間が戻る、という変なことになります。2時間40分も戻ってますが、実際にはシカゴのあるイリノイ州との時差は14時間なので、11時間20分の飛行予定ですね。

このシカゴで入国管理局、税関を通るのですが、この間はここで自分の荷物をいっぺん全部受け取ってもう一度預けさせられました。入管はピリピリして一人一人厳重にチェックするし、セキュリティチェックも隅から隅まで見るし、「間に合わない!!!」と思いました。ここが旅程中でいちばん神経を使います。私はあわててI-94という大変重要な書類を落として青くなりました(空港の職員が拾って届けてくれましたが、そうでなかったら、税関を通過できず、一巻の終わり)。

次に、シカゴからインディに飛ぶ国内便も、アメリカ国内にある時間帯をまたぐので、実際には1時間時計が進みます。だから、2時間かかるようですが、実際には1時間です。これはあっという間。

空港からの一番安い移動方法はこのシャトルバスでしょう(誰かが迎えに来てくれればもっと安い)。でも、なんだかどんどん値上がりしてます。いま、25ドル。あんまりうれしくない。

そのシャトルバスは、もちろん家までは行ってくれません。学校の真ん中の学生会館(Indiana Memorial Union)で停まるので、そこからは各自移動。今回の旅程だと、夏休みの間引き運行予定でも、市バス(Bloomington Transit)があと2本あります。ぎりぎりのように見えますが、たぶんシャトルはもうちょっと早く着くでしょう。だから、間に合うと予想。間に合わなかった場合、次のバスは1時間後。

以上、日本の午後3時台に成田を発って、同じ日の夜8時30頃家に到着できる見込み。13時間の時差を足して18時間40分の旅です。楽なほうかもしれません。ここはインディからそんなに遠くないので。一昨年シカゴからイリノイ大学のあるUrbana-Champaignに行った時は、麦畑が続く単調な道を延々3時間近く。めちゃくちゃ遠かったです。

関連した写真はないので、いつも行くスーパー、Marshを。まあまあ安いです。ここは24時間営業。自転車で10分弱、まあ歩いても行ける。ご覧のとおり、常にStars & Stripes がはためいてます。

この航空券は、高いのか???

2006年05月07日 | 
今日(金曜日)は、学生実験がうまく行ったので本格的な実験&発表につなげようということで、グループで共同研究をしてくれたJunghyoe、Hyun-jinの二人とディスカッションを始めました。そのときの雑談で飛行機チケットの話になりました。われわれ三人はこのあと始まる書き集中授業の授業に出ることもあり、帰国がだいたい同じ時期、6月終わり。ここで大学生のみならず高校生なども夏休みに入るので、そこでチケットが一気に高騰するのだそうです。

私はある旅行会社でチケットを取ったのですが、燃料・税金込みで$950ほど。それをカズさんという知り合いに話すと「いくらなんでもそんなにしますか?」と驚かれたので、自分の探し方の要領が悪いのではないかと落ち込んでいたのですが・・・

彼女たちに聞いてみると、同時期の韓国行きのチケットはもっと高い。最も安いものでも$1,100は下らず、直行便(といってもUS国内で一度乗り換え)は$1300近いらしいのです。安いのは成田でもう一度トランジットする便。やっぱり成田へのフライトが多いのでしょう。韓国に行く人もかなりここに含まれるから、ますます。

経験のある方には不要な情報ですが、いちおう、私の場合

 Indianapolis → Chicago(or Atlanta / Houston etc.)→ Narita

 で、彼女たちはそこからさらにInchonへ飛びます。

Junghyoeは「長時間飛んでるより乗り換えるほうがしんどくなくていい」と言ってましたが、「いや、成田で着陸するために減速してる暇があったら、インチョンまであっという間につけると思うよ」と、私。トランジットの時間も含めて4時間くらい余計にかかるはずだ、と主張しましたが、彼女は、「ま、いいのよ」という様子。韓国の人にとってこれが従来からのパターンなので、この不都合を疑問に感じなくなってるのかも。

ついでに台湾に帰ったKellyにも聞いてみましたが、5月頭というまだ高くない時期で、$850。トランジットはアメリカ国内で2回。日本行きのチケットの安さが分かりました。(それでも、休みのたびに帰るんですよね、みんな)

 Indianapolis → Chicago → L.A. → Taipei だそうです。

結局、東アジアのハブ空港としていちおうまだ成田が優位を保ってくれているから、日本人がトクしている(直行便なのに、なおかつ安い)ということだと思います。でも、滑走路も少ない上に使用料は高い、なんて現状を放置すると、あらゆる面で優れている(と私には思えます)インチョンに、いずれこの地位をさらわれるかもしれません。経済格差も縮まるでしょうし、残る優位は、アメリカから見て(ちょっと)近くにあるというだけ。

将来、日本に行くにはインチョン経由のほうが圧倒的に本数が多く、安いチケットだとわざわざそこから数時間余分にかけて日本まで戻らねばならず、成田直行を選ぶと数100ドル高くなる、なんて状況にならないことを祈ります。

でも、ガーナのAbduraiは「自分が援助を受けているガーナの公的機関がチケットを送ってくれたら、帰国する」と言っていました。彼らにとっての飛行機代の負担は、日本人とは比べ物にならないんでしょう(彼は3人目のお子さんが生まれたばかりで、帰国して会いたいとのこと)。カズさんによれば、まだ安いチケットを探す方法はあるそうです。世界的に見て圧倒的にお金持ちの日本人のチケット代がむしろ比較的安いのですから、金持ちがさらに得する、という矛盾した(でもどこにもよくある)システムの恩恵を受けているわけで、金持ちなんだから払えよ、と言われてしまいそうです(たとえ今は収入のない学生でも)。

関係ないんですが・・・ 試験終了日(かつ年度終了、卒業する人もいるでしょう)ということで、パーティやって大騒ぎしてる人たちが。とくに女性で完全に「いっちゃってる」らしく、もう話してるというより絶叫してる人も。ま、めったにないのだから許しましょう、とは思いますが、ウルサイ。夜中になったらやめてくれるといいな。。。

写真は先日のトンネルの続き。その両側にあるドアです。分厚くて重くて、ひ弱な私はいつも渾身の力を込めてます。でも、脇に障害者用のボタンがあって、それを押すと自動で開きます。

だのになぜ君は行くのか

2006年05月06日 | Indiana大学
私は期末試験の終了が早く、火曜日に最後の音声学の実験レポートを提出したらもうちょっとした休みに入りました。同じ日の朝、台湾のKellyはさっそく国に帰ってしまいました。同じく台湾のYuehとも話しましたが、今週末には帰途について、3ヶ月台湾で過ごすそうです。彼らはこの冬の一ヶ月弱の休みも授業が終わったらさっさと帰ってしまいました。

たまたま会ったNさんに「みんなすぐ帰っちゃうんですよ。北川先生が、『君たちにはJim Huangの博士論文は必読だよ、勉強会でも開きなさい』と言ってたんだけど、私も『どうしてやらないの? こういうときしか出来ないじゃん、言ってくれれば付き合うのに』って思うんですけどね~」と言うと、「MAの学生でしょ? そんなモンですよ」との答え。

でも、何度も往復すればそれだけでお金もかかるのに、そんなに故郷がいいんでしょうか。Yuehに「3ヶ月も何やるの?」って聞くと、「I don’t know」との答え。その程度のことなら、せっかく(いまや貴重な)アメリカのビザがあるんだから、旅行でもすればいいのに。でも他にもスーツケース持ってさっそく帰る体勢の人をちらほら見かけます。故郷でなじみの人、なじみの食べ物にかこまれてゆっくり3ヶ月過ごせるほうが、恵まれた人たちだとも言えるでしょうし、こんな退屈な町に残って「さあ、これから自分の研究だ」とか思っている我々のほうが「例外的な変人たち」なのでしょう。私には、わざわざ留学をしようという人のメンタリティとは思えないんですが、留学に求めることも、この国に求めることも、人によって違うのでしょう。

私は韓国の二人と一緒に共同研究を始める予定です。いよいよ「人を使った研究の審査委員会=Human Subject Committee」に書類を提出してパスする必要が出てきました。先生や先輩たちが過去に使った書類をお手本に、委員会の先生方が夏休みでいなくなる前に、何とかしないと。一度は必ず差し戻されるそうですから。この夏に現地調査をしたいので。

お気に入りの写真を貼ります。言語学科のあるMemorial Hallの一階入り口。南側から撮ったもので、裏庭が見えます。この両脇に重~い扉があって、そこから階段を上っていくのです。古い建物ですが、こういう重厚なところは悪くないと思います。

住居と保険

2006年05月03日 | Bloomingtonにて
今日はちょっと生活情報です。

音楽学部の図書館に行く途中、すれ違いざまに「タダだからもらって!」とくれたのが写真のもの。ボールペンと、日本でもよく見る、HERSHEY’Sのチョコバー。そこにアパートの広告が貼り付けてあります。学校をこれ配って回ってるんでしょうか。

「Take 5 and stop by Heritage apartments!!」と書いてあります。ということは5番通りにあるのかなあ、と思ってGoogle Mapで検索してみましたが、5th Streetにはありません(ずっと南)でした。たんにお菓子の名前にひっかけて、「5th Streetを通って立ち寄ってね」と調子のいいフレーズにしただけでしょうね。

ともあれ、引越しの時期なのは確かで、私も、現在のアパートは7月で契約が終了するのですが、「その時点で出て行くのか、同じところに住み続けるのか、4月末日までに意思をはっきりさせてください」と言われました。で、私は今のワンルームから、同じFountain Park Apartmentsの1BT(1 Bedroom)に変えるよう申し込みました。礼金という習慣はないし、院生だとdeposit(預かり金だから、敷金と同じ性格のもの)も免除なので、住み替えは比較的気楽にできます。

学生で食っている町なので、アパートは豊富、新築されるものも少なくない。ただ、ある学生ボランティアグループによれば、「我々学生の需要がアパートの相場を吊り上げ、アパートに住めないホームレスの人たちを生んでいるのです! (だから寄付をしましょう、寄付のための行進をしましょう)」だそうです。

今の家賃は院生割引($25)があって$479、申し込んだところは$499です。やや安いほうではないでしょうか。これでも年間$6000になるので、アシスタントなどの仕事でもせいぜい大して稼げるわけではない我々にはきつい出費なことは確か。でもルームシェアをすれば、たいしたことはありません。

もう一つの情報、これはかなり深刻。先日留学生センターから届いたメールの内容です。
「大学が契約している健康保険会社が大幅な値上げを予定しています。来年度の留学生用の保険料は以下のとおりです。高額なので、他の方法を考える学生はそうしてください。その場合、大学の保険を使わないという申告書を必ず期限内に提出してください・・・」

で、その額ですが、前年度からおよそ40%という大幅値上げだそうで

留学生    $1,375
その配偶者  $3,260
子供     $2,473

気が遠くなりそうな値段です。留学生で配偶者も子供もいっしょにここにいる、という人は少なくないのですが、子供一人だったとして、保険料だけで$7,100! 今後、奥さんも連れてくるとか、子供を持つとかいうことは非常に困難になるんじゃないでしょうか。この件は学内の新聞(Indiana Daily Student)で読んでいたので、青天の霹靂ではありませんでしたが、大学がこの件について何の学生保護策も打ってくれなかったことが分かり、がっかり。

この話を言語学科のBrianにすると、「またー、去年もすごく値上げしたのにー」とのこと。彼はアメリカ人ですが、やはり保険料は悩みの種だそうです。どういう事情なのか私には分かりませんが、アメリカの医療費は日本など比でないほど高騰中らしい。今後留学(なり移住なり)を考えていらっしゃる方は、保険問題はよく考慮なさるべきだと思います。