
これは新作ではなく前出の「大江戸賞景」全四巻の完成版で、四冊を収納する箱を作ってタイトルをそれらしくつけたものである。もっともこのタイトルは「北斎漫画」の扉を借用し、文字を置き換えたものに過ぎないのだが・・・
そういうことはともかく、ここに集まっている江戸の名所絵だけでも350点は有るはずだから、豆本化した広重の名所絵は正確に数えていないが、横長版の物だけでも1000点は越えると思う。ただし東海道五十三次などは55点というような計算をしてである。画像主体の豆本の手初めとして、この五十三次(と富嶽三十六景)を豆本にしてみたいと思ったことが、こうした錦絵豆本の制作にのめりこむきっかけだったのだが、いつのまにか、錦絵画像のコレクションにもなってきている。錦絵に限らず西欧の絵画にしても、パソコンそして豆本の世界に入らなければ知らずに終わったはずの美の世界である。なんともったいことであったろうか。