笛を吹いているのはミネルヴァ(アテナ)で、笛の名前はアウロスAulosという。
アウロスはミユーズのうちのエウテルペ愛用の楽器として描かれる。右二点は既出。
◎ ある時ミネルヴァは二本の角を手に入れ笛を作った。その笛を神々の前で吹いたところジュノーとヴィーナスから吹く顔がおかしいと笑われた。怒ったミネルヴァは笛に呪いをかけて川に捨てた。その笛を拾ったのがサテュロスの「マルシアス」である。
下のFrancesco Granacciの絵は絵巻物のように笛を捨てる女神、拾ったマルシァス、喜ぶマルシァスの三つの場面を並べて描いたものである。
◎ 彼がその笛を吹くと、周りのニンフや動物たちがうっとりと聴き惚れ、アポロの演奏より素晴らしいと褒め称えた。
それを耳にしたアポロは・・・という話と、慢心したマルシァスは・・・というのと二通りあるが、ともあれ両者が演奏対決をすることになったのである。
一方、パンの方もアポロと演奏コンテストをするという別な話もあるのである。
予備知識の話が長引いたが、次回から本題の方へ戻るはずである。
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