下町のパンを食べてみませんか?

千住、緑町ゆうやけ通り下町のパン屋パレット

ロゼッタ改

2006-10-17 20:35:26 | パンのパレット
仕事を終えて部屋に入るとコナが目だけで僕を追い、
ソファの肘掛を枕に寝そべったままパタパタと
しっぽを振ってくれました。
僕がまだ小学生の頃は今よりも沢山のプロペラの戦闘機が
模型屋さんでは売られていたような気がします。
その中に「紫電改」という名のプラモデルもあったと思います。
「改」が付くからには「紫電」を改良したに違いないと想像しますが、
僕の場合は改良できたのか失敗かは明日を待たないと
判明しません。酵母の働きをする元種の特性は更にゆっくりと
自分の考える方向に熟成してくれるといいのですが、
手間のかかる作業は反面独自性も出てくると考えています。
頻繁に拝見するネットでのパン作りではただ単にパン屋で
働いているだけの人には及びもつかない熱心さを感じます。
商品としてだけでなく、そんなパン作りも試しておかないと
趣味のパン作りの人達に気持の上でも負けてしまいそうです。
だから家庭には無い装備や材料と学んだ製法の全てを
出さないと作れないモノ、知らなかったモノに面することは
大切なことだと思っています。僕はそうしていないと
不安になることがあるのです。自分の全力でも思い通りに
作れるとは限りませんので、成就困難な恋愛と似てますね。
最近の試作では昔は不可能と考えられていた
粉の吸水率限界超えや塩以外に何も加えない熟成した
軽い酸味をともなう味。俗に言うスローブレッドが多くなりました。
そんなパンが下町で売れるのか?と心配してくれる
友人もいるのですが、試さずにいられません。
バジルや大蒜、オリーブが入るとミキシング中でも
その香りに僕は南欧のパンをイメージしてしまいます。
予想通りの味に焼けたら次回はセミドライ・トマトも加えて・・・
な~んて次から次に「改」を続けてると回数だけは
シャネルのNo.19を越えても完成なんてしませんね。