こんばんわです
今回は、魅力的だった、母島の夜 を書き留めたいと思います。
到着した晩、6時からの夕食を食べ終えて、お宿から歩いて2~3分だった海岸へ散策に出かけました・・・
この連載の最初の回で書きましたが、夕闇が迫るにつれ、空にはポツン、ポツンと、一つづつ、見える星が増えていきました。
そうしたら、ほぼ満月 が上がってきて、星はかき消えたんだっけ・・・。
ザザン ザザン・・・ という、小刻みな寄せる波の音しか聞こえません。 ときどき、軽トラックが通ります。
あ、メモを見返したら、「虫の声が大合唱!」って書いてあります。頭では忘れましたが、そういえば秋の虫みたいに鳴いていましたっけ。蛾も飛んでた
ふと・・・、海岸の、トイレ・シャワー付きお休み処に、手に手にレジ袋を提げた人たちが集まってきました。
「なんか顔見知りみたいだな・・・島の人かな?」 と見ていると、持ち寄ったお料理と缶ビールを囲んで、にぎやかに乾杯 静かな入り江に、和やかな時間が流れます。
「いいなぁ~」 お酒が飲めれば、お良しも混ざりたい・・・
そのあと、持っていた自転車用の超明るいライトを駆使して辺りの木々の写真を撮りつつ帰宿
海岸には、ウミガメのお母さんが産卵に上陸することもあるので、ライトで照らしてはイケナイのです。これは、来るときの`おがさわら丸’ の船内で、小笠原レンジャーのお姉さんから、みなさんお達しされた 重要事項です
部屋に戻って、前日の久里浜港出発の折、東京湾フェリー待合所で買っておいた『アサヒ ドライゼロ』(ノンアルコールビール)をクイクイやりながら、ヨコスカお留守番の主人に`無事到着’ のメールを。このあとは、帰りのおがさわら丸下船まで、連絡を絶った`悪妻’ でごわす
母島一日目の晩は、これでおやすみなさい
翌、5月10日、母島2日目。
海散歩をして、汗びっしょりの私。夜、涼みにでかけると・・・
宿から山の方向に歩き出し、真っ暗闇にライトを向けて見ていると、行き止まりのような道の奥の崖?に、何か立っているのが目に入りました。
「あれ?・・・お地蔵様?」
母から、神社があったらお賽銭を上げてきて!と、5円玉を一つ預かってきている私。
暗闇を進んでいくと、ぼぉーっと、小さな白いお地蔵さまがそこにいらっしゃいました。
このとき、ライトをつけずに近づいていきました。
母島に、お地蔵さまがあるんだー と、目をつぶって手を合わせてご挨拶。
それから目を開ける・・・。目を開けた瞬間 暗くてよく見えていなかったお地蔵さまが、ハッキリと、お良しの目の前に、楚々とした上品な美しさで立っておられました。
「わぁー・・・お地蔵様、私を受け入れてくださった・・・」
と、感無量。 たぶん、暗さに目が慣れて、よく見えるようになったのだと思いますが、目をつぶって開いたら、白いお身体がはっきり というのは、神がかっていましたよ
「明日、あらためて参ります。」と、その晩はそのまま 後にする。
( 私は、よくよく、神様とか魂とかいう話を登場させていますが、とくに信仰している宗教はなく、親が手を合わせる姿を見て、幼少期より、そのような気持ちになっているだけです 神仏両方、柳田国男の『遠野物語』のように、路傍の草や石にも神様が宿っている・・・と感じる日本人になっています )
宿の裏から役場のあるメインストリートに出て、集落の中へ奥深く入っていき、ロース記念館を夜陰に見る。明日来よう、と下見気分。夜来る人も私ぐらいでしょう
小学校の前まで戻ってくると、つがいなのか、2羽の鳥が、小学校の2階バルコニーの上と、お良しの目の前、橋の欄干に、チャーッと来て、
「きょっきょっきょっきょ!」「ケッケッケッケ!」と、鳴きかわし始めまして、またもやビックリ仰天 しばらくそんな感じで、私は体を固くして、じっとして聴いていました。
そのあとは次々に生き物の気配が満載 歩くごとに、道の傍で 「カサコソッ」、「パタパタ・・・」という音。
そのたびにお良し、飛びのくありさま・・・ なんだろうねぇ・・・ なにか「いる」のですよ。鳥、そして虫か、トカゲか???
とにかく、母島の夜は、道の端っこを歩かない方がいい、ということを学びました
海岸線に出て、ぐるっと回って帰りました。雨が降っていないようなので、川に水がありません。橋を渡るとき、何かが ものすごく慌てて、カサカサカサッ と欄干の下を走って隠れました!
「ぎゃあー なんだ なんだ なんだぁー こっわー」
となりのトトロ にでてくる、まっくろクロすけ出ておいでー みたいな姿だった・・・ たぶん、でっかいクモだと思います クモもビックリしたでしょうけど、お良しもビックリ仰天 歩いてじゅっぷん!だったよー 脅かさないでよ~ ただでさえ怖いんだからぁ。
お地蔵さまには、翌朝、乳房山登山に出発する前に、母の5円玉と自分の10円玉をあげて、お参りしました。帰る日の朝も、旅のお礼をしました
5月11日、乳房山登山に行ってきた。
夕飯後、午後7時から という、母島の太鼓の練習を見に行きました
お宿のおねえさんも参加しているという太鼓。お良しは、小笠原に行く前に、お宿に葉書を送っていました。そこに、自転車と太鼓が好き と書いておいたので、お宿のおねえさんが誘ってくださったのです。どうもありがとうございます。
その太鼓の練習の風景は、お良しの祭囃子人生に、大きな転機を与えてくれました。
なんという、むだな力が入っていない太鼓。 なんという、楽しそうなみなさんの叩き方。 なんという、目上の人を敬うみなさんの心。
私は、昼間の、乳房山登山で学んだ、「ゆっくりと確実に動けば、できるのだ」ということを、再認識させられました。今年の祭囃子は、もっと力を抜いて、楽しくやろう と思い、楽しみになりました
母島の叩き手の方が、「内地の太鼓と全然違うから。」とおっしゃっていましたが、たしかに祭囃子とは違いますが、基本になるリズムの叩き方(地打ち)は、お良しの町の基本の叩き方の調子と同じでした。やっぱり、お良しの地域の長老たちが言っていた、「太鼓は母親のおなかの中のリズム」ということがハッキリとわかりました。共通なのは、みんな、おかあさんのおなかの中にいた、という記憶ですね、やっぱり。
91歳の、太鼓のみなさんから「長老」と呼ばれていた方の太鼓、`最終的に行きつくところ ’・・・という感じでした。素晴らしい。若い人たちにやって見せ、それをみなさん真剣に聞いている。 お良しも、いつか、自然にそうありたい。
練習中の写真は公開したくないので、翌日、練習場だった所に置いてある太鼓を ご紹介。お良しにも、手取り教えてくださって、叩かせてくださいました 二人が組になって叩きます。(地打ち と 流れ打ち?っていうのかな???)
お良しの叩きに、ありがたいアドバイスをいただきました。
母島の太鼓は、父島にある『小笠原太鼓』とはちょっと違うということです。でも、小笠原諸島の太鼓は、八丈島から伝わったそうで、年に一度、母島では、八丈太鼓さんと一緒に叩く機会があるそうです。
乳房山登山で疲れていた体に鞭打って参加したので、さらに疲れが襲ってきて、ふらふらになりながらの帰り道、きれいな花にはとっつかまってしまう お良しで、写真をパチリッ! (ライトをあてて、花びらたくさんの、これもハイビスカスの一種かな?)
ベッドにばったり・・・ で、 なさい・・・ぐぅー
ホント、朝から晩まで、内容の濃い旅です