日本漢字能力検定協会は,今年の漢字として「偽」を選定した。毎年末の恒例行事だ。本日12日午後,京都清水寺の森清範貫首によって揮毫された。ちなみに2006年は「命」。
振り返ってみると「偽装」に明け暮れた2007年だった。だからこの「偽」か「装」のどちらかだろうとは思っていた。でもちょっと「偽」はストレートすぎる。もしかしたら,ネガティブな印象を薄め来年への望みを託して「装」の方が選ばれるか?なんても考えていた。結果は直球勝負だったようだ。
今年を見事に表しているが,決して好ましい意味ではない。だからこそこの直球を正面から受け止め,心機一転,2008年を新たに創造したいものだ。
[漢検ホームページ/1995-2006年の今年の漢字]
http://www.kanken.or.jp/kanji/kanji2007b/index.html
振り返ってみると「偽装」に明け暮れた2007年だった。だからこの「偽」か「装」のどちらかだろうとは思っていた。でもちょっと「偽」はストレートすぎる。もしかしたら,ネガティブな印象を薄め来年への望みを託して「装」の方が選ばれるか?なんても考えていた。結果は直球勝負だったようだ。
今年を見事に表しているが,決して好ましい意味ではない。だからこそこの直球を正面から受け止め,心機一転,2008年を新たに創造したいものだ。
[漢検ホームページ/1995-2006年の今年の漢字]
http://www.kanken.or.jp/kanji/kanji2007b/index.html
これから相当期間学力論争が再燃し,PISAという文字が新聞をはじめさまざまなメディアを賑わすだろう。
ところで,このPISAとはいったい何なのか?PISAの正体を知らずにPISAを語ることはできなし,これからの方向性を探ることもできないのではないか。
「P」rogramme for(~のプログラム)
「I」nternational(国際的な)
「S」tudent(生徒の)
「A」ssessment(評価・査定)
我が国では,「生徒の学習到達度調査」と訳されることが多い。文部科学省/国立教育政策研究所でも,正式に「OECD生徒の学習到達度調査」を使用している。
[文部科学省Website/PISA2003結果]
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/04120101.htm
「なるほど,学力テストなわけね」
確かにそうなのだが,この理解は半分当たっていて,半分当たっていない。なぜか。
それは,我が国で通常イメージされるであろう「学力」と,PISAで測定された「学力」とには,大きな開きがあるからだ。
我が国の多くの人が考える学力は「受験学力」であり,記憶力とその再生力に負うところが大きいだろう。
一方,PISAでは「これまで学校や様々な生活場面で学んできたことを社会生活で応用できる力(国立教育政策研究所国際研究・協力部長 OECD-PISA運営理事会議長 渡辺 良 氏)」を測定した。言葉通り応用力だ。
誤解を恐れず言い換えれば,前者は「過去に学んだ力」であり,後者は「これからの人生で生かせる力」なのだ。
「これからの人生で生かせる力」を測定したPISA2006の結果を「学力低下」というイメージでとらえた人々が,これから「受験学力」の効果的効率的な向上に努めるとすれば,それは少なからずずれた対応とならないか。「ずれた」だけならまだよい。むしろ,それが我が国の15歳から更に学びを遠ざけることにならないか。それを大人の責任として考えるべきだ。
学力論議が沸騰する兆しはすでに見えてきた。「学力が低下してしまった」「いったい誰の責任だ」とイメージだけで大騒ぎし慌てふためくその前に,私たちがこれまで追い求めていた学力そのものが本当にそれでよかったのかを冷静に考えるべき時期に来ている。私は文部科学省がこれまでつくってきた方向性は決して間違ってはいなかったと思っている。
ところで,このPISAとはいったい何なのか?PISAの正体を知らずにPISAを語ることはできなし,これからの方向性を探ることもできないのではないか。
「P」rogramme for(~のプログラム)
「I」nternational(国際的な)
「S」tudent(生徒の)
「A」ssessment(評価・査定)
我が国では,「生徒の学習到達度調査」と訳されることが多い。文部科学省/国立教育政策研究所でも,正式に「OECD生徒の学習到達度調査」を使用している。
[文部科学省Website/PISA2003結果]
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/04120101.htm
「なるほど,学力テストなわけね」
確かにそうなのだが,この理解は半分当たっていて,半分当たっていない。なぜか。
それは,我が国で通常イメージされるであろう「学力」と,PISAで測定された「学力」とには,大きな開きがあるからだ。
我が国の多くの人が考える学力は「受験学力」であり,記憶力とその再生力に負うところが大きいだろう。
一方,PISAでは「これまで学校や様々な生活場面で学んできたことを社会生活で応用できる力(国立教育政策研究所国際研究・協力部長 OECD-PISA運営理事会議長 渡辺 良 氏)」を測定した。言葉通り応用力だ。
誤解を恐れず言い換えれば,前者は「過去に学んだ力」であり,後者は「これからの人生で生かせる力」なのだ。
「これからの人生で生かせる力」を測定したPISA2006の結果を「学力低下」というイメージでとらえた人々が,これから「受験学力」の効果的効率的な向上に努めるとすれば,それは少なからずずれた対応とならないか。「ずれた」だけならまだよい。むしろ,それが我が国の15歳から更に学びを遠ざけることにならないか。それを大人の責任として考えるべきだ。
学力論議が沸騰する兆しはすでに見えてきた。「学力が低下してしまった」「いったい誰の責任だ」とイメージだけで大騒ぎし慌てふためくその前に,私たちがこれまで追い求めていた学力そのものが本当にそれでよかったのかを冷静に考えるべき時期に来ている。私は文部科学省がこれまでつくってきた方向性は決して間違ってはいなかったと思っている。
今朝は新聞各社,一斉にPISA2006の結果を社説で取り上げている。
[読売新聞-国際学力調査 結果を新指導要領に生かさねば]
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071204ig90.htm
[日経新聞-学力「続落」の原因を洗い出せ]
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20071204AS1K0400104122007.html
[朝日新聞-国際学力調査―考える力を育てるには]
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
[読売新聞-国際学力調査 結果を新指導要領に生かさねば]
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071204ig90.htm
[日経新聞-学力「続落」の原因を洗い出せ]
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20071204AS1K0400104122007.html
[朝日新聞-国際学力調査―考える力を育てるには]
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
PISA2006の暫定結果が公表された。経済協力開発機構(OECD)によって2006年に実施された国際学習到達度調査(PISA)の結果だ。今回は「科学的リテラシー(科学的応用力)」の調査に重点化しており,我が国のひとまずの成績順位はというと・・・6位,前回は2位だったので後退し第3グループとなった。フィンランドは前回に引き続き第1位。
[時事通信]
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071130-1
[asahi.com]
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200711290407.html
順位後退の事実にあわてふためき,これからまた学力論争が高まることだろう。しかしこれまで行われた「ゆとり教育見直し論議」のなか,我が国がどのような対応を行ってきたか,まずはそれを振り返るべきではないか。学習時間を増やしたことに安心するのは早計で,むしろ逆効果になることの方が心配だ。我が国の学力向上の鍵は,授業の質を改善すること,そしてそれを実現する教員の資質の向上にこそある。見誤ってはならない。
[時事通信]
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071130-1
[asahi.com]
http://www.asahi.com/edu/news/TKY200711290407.html
順位後退の事実にあわてふためき,これからまた学力論争が高まることだろう。しかしこれまで行われた「ゆとり教育見直し論議」のなか,我が国がどのような対応を行ってきたか,まずはそれを振り返るべきではないか。学習時間を増やしたことに安心するのは早計で,むしろ逆効果になることの方が心配だ。我が国の学力向上の鍵は,授業の質を改善すること,そしてそれを実現する教員の資質の向上にこそある。見誤ってはならない。