”飯田橋、水道橋界隈” （最近の都内散歩から）
＜虫の居どころ＞
鼻風邪位に思っていたが、今日も咳が出て頭が重い。
午前中一人留守番を決め込んでいた。
二階でごろっとしようかと階段を上がりかけた時電話が鳴った。
女性の声で、「〇〇警察ですが最近市内に振り込め詐欺と思われる電話が頻繁にかかっている・・」
「電車にかばんを置き忘れた、妊娠させてしまった、・・・・・」。 事例が長く続く。
よくニュースで聞くやつである。 しばらくして、「〇〇さんのお宅ですね」と聞く。
なにか自分が試されている気がしてしまった。
初対面電話だ。警察と名乗ったからと言って信じ切って良いという保証はない。
”飯田橋、水道橋界隈”
＜虫の居どころ＞
思わず、「なんであなたに名前を名乗らなくちゃいけないんですか」。
「電話帳でお電話しているものですから」。
相手は警察と言えども疑われる対象になる、という認識がさほど無いようである。
またひとしきり、手口の説明を始めた。
私は不機嫌になり、受話器の前で黙っていた。
話し終えてから私は、
「公務と言うことであれば、いたしかたない事ですけど、
私は今のあなたのお電話を、一番怪しい電話と思って聞いていましたけど」。
「それに内容をもっと手短に話して頂いた方が良いと思いますが」。
”飯田橋、水道橋界隈”
＜虫の居どころ＞
私は今ものすごく嫌味な人間になっていることを、
承知していながら、押さえられない自分に気付いていた。
だってすぐ警察と思っちゃったらそれも危ない。
そこのところを相手にも踏まえてもらいたかった。
相手に気の毒だったという気持ちと同時に、
今日は虫の居どころで、どうしようもなかったのだ。
