Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

NHK交響楽団第1697回定期公演批評(No.1833)

2011-04-16 23:44:33 | 批評

ノリントンが「N響の肩書き」を得る可能性を高めた定期公演!


 「ノリントン節」全開の演奏会だった。好きな人は好き、であり、嫌いな人は嫌い、である。「ベートーヴェンオリジナル」に忠実であり、ノンビブラートの弦。チェロパートで(首席をはじめとして)ビブラートを掛けてしまった人もいたが、大勢には影響ない。

ノリントンの棒は「職人」であり、極めて鮮明であり、その意図は実現した演奏会


である。
 15~20年前のN響は、「名誉指揮者=サヴァリッシュ+シュタイン+ブロムシュテット」と言う「独欧系偏重布陣」であったが、今やブロムシュテットだけが振れる状況。「東京の聴衆は、独欧系を(偏狭に)好む」と言う説もある。あぁ、私高本も「シューベルト好き」なので、この仲間か!(爆

ノリントンは「ダイナミクスの巾」最優先であり、ティンパニ+金管楽器を鳴らす


が基本路線だった。
 「ベートーヴェンの旧録音」を聴き慣れている私高本としては、「木管楽器が異様に引っ込んだ」感触があるのだが、これは「座席 + NHKホールの響き」の問題かも知れない。
 ノリントンは『ピュア・トーン』を掲げていることで有名だが、

ピアノの平均律と同じ感覚で「音」を出し、「テンポとダイナミクスをきちんと当てる」ことをオーケストラに要求


するのが特徴。
 多くの「古楽器指揮者経験者」とは「音作りの方向性」が全く違う。
この日は思いかけず、エルガー「エレジー」を冒頭に演奏したので、「エルガー → ベートーヴェン → エルガー」が聴けたが、「音作り」は全く同じ。弦楽器だけの時には違和感は少なく、管+打楽器が加わった時に「ノリントンサウンド」が全開となる。聴いただけで「ノリントンが振っている!」と判る音だ。


 ベートーヴェンでもエルガーでも(信じられない早さで)フライング拍手が来たのにはうんざり。こんなにマナーの悪いオケに成り下がっていたのか? > N響

 ベートーヴェン交響曲全曲をノリントンを3年で実行するとのこと。大いに期待している。
コメント
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