1972.04 グルダ バッハ「平均律第1巻全24曲」録音
これは、1953.10 ベートーヴェン「ピアノソナタ全32曲」録音以来、19年ぶりにグルダが取り組んだ「大プロジェクト」だった。グルダにとって、オーケストラから協奏曲共演を持ちかけられれば新曲であっても大丈夫。ソロ曲も徐々にレパートリーを増やしていたものの、ジャズに時間を取られることもあって、この期間大プロジェクトは全く無かった。 "The Long Road To Freedom" で「ジャズの集大成」の達成感もあったことだろう。しかし、それよりも大きな問題を感じていたようだ。
グールドが「平均律全2巻全48曲」の録音をリリースした!
ことだ! もちろんドイツでもリリースした。1962.06-1971.01録音。ピアノ演奏に拠るバッハの当時の世界最大の録音数を誇っていたのがグールドである。「平均律全曲」をリリースしたことは相当に影響力を与えることは、自分自身が「ベートーヴェン ソナタ全曲」を既にリリースしていたので充分理解している。グルダ著『グルダの真実』を読むとライバル心むき出しなことがよく理解できる。