あの町は風の町
断崖と断崖との間の
砂浜に沿った町
生まれて初めての
あまりの海の大きさに
じゃぶじゃぶと顔を洗った浜
今ごろは
浜茄子が風に翻がえり
鴎がのんびり
対岸の半島とのあいだを
行き来していることだろう
どうしてだか
いちばん仲のよかった幼馴染と
帰ったら
真っ先に会いたかった君とが
ずいぶん昔に
亡くなってしまった町
いつの日にか また
あの砂浜に立ちつくして
あの世の君たちに
大声で呼びかけてみたい町
「もう一度だけ
会って話したかったよ」
「きみ等の分まで
生きるつもりだよ」
断崖と断崖との間の
砂浜に沿った町
生まれて初めての
あまりの海の大きさに
じゃぶじゃぶと顔を洗った浜
今ごろは
浜茄子が風に翻がえり
鴎がのんびり
対岸の半島とのあいだを
行き来していることだろう
どうしてだか
いちばん仲のよかった幼馴染と
帰ったら
真っ先に会いたかった君とが
ずいぶん昔に
亡くなってしまった町
いつの日にか また
あの砂浜に立ちつくして
あの世の君たちに
大声で呼びかけてみたい町
「もう一度だけ
会って話したかったよ」
「きみ等の分まで
生きるつもりだよ」