ことばは
寄せては返すさざ波の繰り返し
ことばは
蓑虫を樹に吊るす一本の糸
ことばは
裂けたぼくの額からひたたる血の温もり
だれもが
ことばのために不幸になってゆく
誰かから強制されたことばの呪縛から
ついに抜け出せないままなのか
ぼくもまた
ことばのひとつになってしまうのか
それとも
多くの屍を乗り越えて
風が自在に行過ぎる荒野で
ほんとうの青空を見上げながら
立ち尽くしているばかりなのか
◆勇気を与えてくれるものがこそが大事なんだと思う。
詩では金子光晴の「反対」ー
反対 金子光晴
僕は少年の頃
学校に反対だった。
僕は、いままた
働くことに反対だ。
ぼくは第一、健康とか
正義とかがきらひなのだ。
健康で正しいほど
人間を無精にするものはない
むろん、やまと魂は反対だ
義理人情もへどが出る。
いつの政府にも反対であり、
文壇画壇にも尻を向けてゐる。
なにしに生まれてきたと問はるれば、
躊躇なく答えよう。反対しにと。
ぼくは、東にゐるときは、
西にゆきたいと思ひ、
きもの左前、靴は右左、
袴はうしろ前、馬には尻をむいて乗る。
人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌ひは、気の揃ふといふことだ。
僕は信じる。反対こそ、人生で
唯一つ立派なことだと。
反対こそ、生きていることだ。
反対こそ、じぶんをつかむことだ。
◆歌では井上陽水の「青空一人きり」(リンク集を)
◆歴史的には、坂口安吾の歴史についての評論。
どうしてかまだ「青空文庫」にアップされてないけど・・
◆ファンタジーでは、宮澤賢治と「ゲド戦記」
寄せては返すさざ波の繰り返し
ことばは
蓑虫を樹に吊るす一本の糸
ことばは
裂けたぼくの額からひたたる血の温もり
だれもが
ことばのために不幸になってゆく
誰かから強制されたことばの呪縛から
ついに抜け出せないままなのか
ぼくもまた
ことばのひとつになってしまうのか
それとも
多くの屍を乗り越えて
風が自在に行過ぎる荒野で
ほんとうの青空を見上げながら
立ち尽くしているばかりなのか
◆勇気を与えてくれるものがこそが大事なんだと思う。
詩では金子光晴の「反対」ー
反対 金子光晴
僕は少年の頃
学校に反対だった。
僕は、いままた
働くことに反対だ。
ぼくは第一、健康とか
正義とかがきらひなのだ。
健康で正しいほど
人間を無精にするものはない
むろん、やまと魂は反対だ
義理人情もへどが出る。
いつの政府にも反対であり、
文壇画壇にも尻を向けてゐる。
なにしに生まれてきたと問はるれば、
躊躇なく答えよう。反対しにと。
ぼくは、東にゐるときは、
西にゆきたいと思ひ、
きもの左前、靴は右左、
袴はうしろ前、馬には尻をむいて乗る。
人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌ひは、気の揃ふといふことだ。
僕は信じる。反対こそ、人生で
唯一つ立派なことだと。
反対こそ、生きていることだ。
反対こそ、じぶんをつかむことだ。
◆歌では井上陽水の「青空一人きり」(リンク集を)
◆歴史的には、坂口安吾の歴史についての評論。
どうしてかまだ「青空文庫」にアップされてないけど・・
◆ファンタジーでは、宮澤賢治と「ゲド戦記」