雑草の踏み切りを渡ると
いまはもう微かな草いきれ
また夏が
なにひとつ傷跡を残すことなく
永遠の行方不明人みたいに逝ってしまった
いつの日にか
きみが手にしていた鬼灯の向こう側で
か細く風鈴が鳴っていた
あまりにも多くの
抜け殻ばかりを見すぎてきてしまったせいさと
ランボーの詩句を口ずさめば
一面の水溜りの上で蜻蛉と残照がダンスする
いつもの帰りの通い道で
大木に寄りかかりながら
きみの部屋に灯りがともるのを待っていた
ぼくの思い出にも
ふっと灯がともって
降るような蝉時雨のあとには
賭けるものがもうどこにもなかった
きみと別れて以来
空腹と涙以外のなにもかもが偽物だった
いまはもう微かな草いきれ
また夏が
なにひとつ傷跡を残すことなく
永遠の行方不明人みたいに逝ってしまった
いつの日にか
きみが手にしていた鬼灯の向こう側で
か細く風鈴が鳴っていた
あまりにも多くの
抜け殻ばかりを見すぎてきてしまったせいさと
ランボーの詩句を口ずさめば
一面の水溜りの上で蜻蛉と残照がダンスする
いつもの帰りの通い道で
大木に寄りかかりながら
きみの部屋に灯りがともるのを待っていた
ぼくの思い出にも
ふっと灯がともって
降るような蝉時雨のあとには
賭けるものがもうどこにもなかった
きみと別れて以来
空腹と涙以外のなにもかもが偽物だった