ふるさと北海道へと帰るのは
ほとんど夜行列車で
いつもがらんとした東北本線でだった
眩い関東平野の灯りが
ひとつずつ見えなくなりはじめると
リュックに入れた一升瓶を
恐る恐る出してちびちび飲み始める
いつも
真夜中の福島で目覚めてはトイレへと行き
松島あたりで夜明けを迎え
岩手だか青森のどこかの駅で駅弁を買ったっけ
向かいに客がいる時は
一応酒を勧めてみる
いつも酒屋に予約しておいた幻の銘酒「越の寒梅」
一度なんかそれで
危なく結婚させられるところだった
向かいの出稼ぎ帰りの親父さんが
あまりの酒の美味しさに感激したのか
隣に座っていた娘を指差して
「絶対にこの娘と結婚すべきだ!」
叱られたこともあったっけ
会社での愚痴を言うと
「東北人や道産子はじっと耐えるしかないべさ」と
いまも
遠く夜行列車の灯が見えると
思い出す大勢の人々がいる
ほとんど夜行列車で
いつもがらんとした東北本線でだった
眩い関東平野の灯りが
ひとつずつ見えなくなりはじめると
リュックに入れた一升瓶を
恐る恐る出してちびちび飲み始める
いつも
真夜中の福島で目覚めてはトイレへと行き
松島あたりで夜明けを迎え
岩手だか青森のどこかの駅で駅弁を買ったっけ
向かいに客がいる時は
一応酒を勧めてみる
いつも酒屋に予約しておいた幻の銘酒「越の寒梅」
一度なんかそれで
危なく結婚させられるところだった
向かいの出稼ぎ帰りの親父さんが
あまりの酒の美味しさに感激したのか
隣に座っていた娘を指差して
「絶対にこの娘と結婚すべきだ!」
叱られたこともあったっけ
会社での愚痴を言うと
「東北人や道産子はじっと耐えるしかないべさ」と
いまも
遠く夜行列車の灯が見えると
思い出す大勢の人々がいる