中国の先端技術を使った製品は今いちと思っていたが、最近の中国の技術進歩は目を見張るものがある。日経がロボット掃除機の調査をして記者が驚いていた。
自動運転車に使われる「LiDAR(Light Detection and Ranging)」や「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)」といった最新技術を搭載した最先端のロボット掃除機3万円程度で、中国では売られているという。LiDARとは、レーザー光を使ったセンサー技術の1つである。ロボット掃除機から360度全方向に向けてレーザー光を照射する。このレーザー光は、例えば部屋の壁に当たって跳ね返ってくる。この反射光を測定することで、ロボット掃除機から壁までの距離を計測できる。照射した光が反射して受信されるまでの“光の往復飛行時間”を使って、距離を算出する。
仕組みはレーダーと同じだが、LiDARが通常のレーダーと違うのは、波長の短い赤外レーザー光を使うことである。このため、前後左右の距離分解能が高い。周辺環境を鮮明に捉えられることから、自動運転技術では標準的なセンサーになってきている。
このLiDARをはじめとする各種センサーで取得した情報から、ロボット掃除機の位置を推定すると同時に、部屋の地図を作成する。この自己位置推定と地図生成を同時に行う技術がSLAMだ。自分(掃除機)が部屋のどこにいるかを認識し、自ら作成した部屋の地図に基づいて、効率よく部屋を掃除して回る。このSLAMも自動運転車に必須の技術である。