先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

IBMの低迷と富士通やNECの低迷は同じ理由?

2018年11月20日 12時15分34秒 | 日記

日経がIBMの連続減収と、新規開拓した新分野も調子良くないことをレポートしていた。一通りの人工知能やクラウドサービスを提供しているが、GoogleやAmazonのそれらに比べ、市場占有率が少なく、旧態依然のIT システム作りしかできていない。コンピュータもPCとかエンドユーザー製品は20年近く前に撤退し、現在開発していおるのはサーバーやスーパーコンピュータのみ。この状況は日本のコンピュータ会社、富士通やNECも同じことが言える。情報産業でIBMが復権することは難しい。それは富士通やNECにも同じことが言えそう。

IBMは2017年度まで6年連続減収で、2015年度にはマイクロソフトに業界王者の座を奪われた。この間に売上高は26%減った。減収は富士通の8%を上回る。

AI(人工知能)システムのWatsonなどを含む「コグニティブ・ソリューション」の売り上げ構成比は2割程度にとどまる。アウトソーシングを含む「テクノロジー・サービス&クラウド・プラットフォーム」やコンサルティングなどの「グローバル・ビジネス・サービス」がいまだ主力だ。

 

ま時価総額も ライバルのマイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、グーグルを傘下に持つアルファベットは時価総額を大きく伸ばす一方、IBMはこの5年で4割程度下げた。マイクロソフトの7分の1以下の水準にとどまり、株式市場の評価は低迷している。

 

3年間で自動車業界の中途採用数3.4倍

2018年11月20日 11時30分27秒 | 日記

 

オートモーティブ・ジョブズという自動車雑誌が、自動車業界の転職者数の調査をレポートしていた。従来自動車業界は、採用のほとんどを新卒が占める「新卒採用主義」の業界だと言われて来たが、この3年で中途採用が急増しているという。その理由は、自動車作りが今までは機械系経験知識で十分であったが、自動運転などの新技術が必要になって自動車会社のつちかってきた社員の知識だけではやれなくなったことによる。

中途採用が増えることは会社のガバナビリティなどの工場が期待できる。新卒だけの採用で計されると、上位下達が当たり前となり、色々な意見が出なくなっている。この数年の大企業の不正報告や経営失敗で大きな損失を出しているようなことがなくなる。アメリカの会社は、どの年齢からも採用しており、これが日本の会社に比べ不祥事が少ない。

 

自動車業界への転職者数は3年間で3.4倍に

【自動車メーカー9社 中途採用人数の推移】東洋経済新聞社『CSR企業総覧2010~2018』をもとに作成。▼対象自動車メーカーはトヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、スバル、三菱自、日野、いすゞの9社▼新卒・中途採用人数は、ともに大卒と大学院卒の男女。ホンダの中途採用人数は専門卒・高卒も含む。 2009年の採用人数は新卒3779人(94%)、中途256人(6%)合計4035人。リーマンショック後は、新卒採用が減って、合計の採用人数も半減したものの、中途採用人数が徐々に増加し、以前の水準に回復している。2016年度の採用人数は、新卒3096人(71%)、中途1294人(29%)合計4390人。中途採用人数は、2009~2016年度の7年間で5倍に増加し、2016年には全体の約3割が中途採用となっている。

自動車メーカーに部品メーカーを加えた中途入社人数は、さらに右肩上がりだ。オートモーティブ・ジョブズのデータによると、2018年度の上期に自動車業界に転職した人は、3年前と比べて3.4倍に増加していた。

【自動車メーカー・部品メーカーに中途入社した人数の推移】オートモーティブ・ジョブズのデータをもとに作成。(2015年度の上期を1として算出)オートモーティブ・ジョブズを通じて中途入社した人数は、2015年から2018年にかけて右肩上がりで増えている。2018年上期に自動車業界に転職した人数は、2015年の上期と比較すると3.4倍にものぼる。

業界未経験やハイクラス…広がる中途採用の間口

自動車業界で中途採用の勢いが増しているのは、電気自動車や自動運転の開発で即戦力となる電気・ソフト系エンジニアのニーズが高まっているのに加え、新卒採用の苦戦から第二新卒の中途採用に力を入れているメーカーも少なくないからだ。

2018年度の自動車メーカーは、過去最高の3兆1220億円となる見込み。設備投資額もスバルを除く8社が2017年度を上回る予想で、自動車業界全体として開発に積極的な投資をする姿勢を崩さない。中途採用も活発な状態が続くだろう。

ニーズの高まりに伴い、採用の間口も広がっている。
経験が浅くても将来性を買って採用する「ポテンシャル採用」を行っている企業が増加。理系出身で自動車業界未経験の第二新卒を中心に中途採用をしている。

これまでは35歳が転職の限界だと言われていたが、40代や50代の中途採用者も増えてきている。日系自動車メーカーでマネジメント業務がメインになっていた50代のエンジニアが、外資系部品メーカーに転職して最前線の現場で活躍し続けるという希望を叶えたという事例も。
特に、自動運転やコネクテッドといった新しい技術に関するスキルを持っていれば、年齢を問わず転職しやすい状況となっている。


国際線形素粒子加速器ILCが岩手にできれば!

2018年11月20日 03時34分04秒 | 日記

宇宙の成り立ちを探る素粒子実験を行う次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」を岩手・宮城両県の北上山地に建設する日米欧の物理学者の構想がある。 予算は8千億円で、日本が半分強を負担し、米欧などが残りを負担するという計画。

加速器は30Kmの長さの空洞に電子と陽子を加速させて衝突させ、宇宙が誕生した状態を作り出す。その際に、長距離の加速器は、-271℃に保つ必要があり、そのためにクライオモジュールという、超低温・超伝導の冷蔵庫を千個も二千個も連結してILCを構成させる。

 

 これだけの規模で、しかも最先端性を持つ巨大加速器の建設は世界でただ一つのプロジェクトになるだけに、この開発で先陣を切りたい日本としてはどうしても誘致したいのだが、巨額の予算をいかに確保するかが大きな課題で、日本学術会議などはちょっと腰が引けている感じがする。

この装置が完成すれば、宇宙の誕生の謎が大きく解明されるし、ノーッベル賞も何個かは貰える科学者が出るだろう。また、粒子加速技術を医学や産業に応用できて、文部科学省は、30Kmの大きさのILCから20Kmに縮小した場合の経済効果を、5月31日、従来の試算と比べ約4割減の2兆6500億~2兆9100億円に下方修正する案を有識者会議で公表した。

産業における経済効果は新機能材料/部品の創出、量子線がん治療、宇宙ステーション、光電子回路、量子コンピューター、さらには生命科学に関連する機器などの開発が、我が国において加速するメリットは確かにあるだろう。


 最終的には日本学術会議が誘致に関する最終議論をまとめ、2018年内に文部科学省が誘致に名乗りを上げるかどうかの結論を下すことになっている。

 上記写真のクライオモヂュールは盛岡の先端科学技術センターILCオープンラボに展示中で、日立製作所が受注し、三菱重工業が作り上げたものだ。