産経新聞によると、中国の海洋覇権に対して、アメリカは保有艦船を355隻とする法案を成立させたし、自由に公開を運行する「航行の自由作戦」に加え、全ての中国艦船を追跡・監視し、いつでも標的に捉えられる「先進情報収集システム」を構築すると言う構えだという。中国の軍事力は打撃空母艦隊と言っても、半世紀も前のロシア設計の航空母艦が2隻だし、原子力潜水艦が数隻あるというが音がうるさく航跡が補足できるというくらいでまだ、世界のトップの軍事る良くとは言えないが、最近の中国の科学技術の進歩をみると10年すると世界のトップに躍り出ることは間違いない。
習指導部は第1列島線外の西太平洋での海軍艦隊や空軍部隊による遠洋訓練を常態化させ、世界的な軍事プレゼンス(存在感)拡大のために空母打撃群の整備も急ぐ。21世紀半ばまでに米軍と並ぶ「世界一流の軍隊」を構築する目標を掲げており、こうした動きは劉氏の方針と符合する。
中国が特に重要だと認識しているのは、エネルギー安全保障と周辺海域での資源開発だ。巨大経済圏構想「一帯一路」には、中東やアフリカからの資源輸送路を海と陸で確保する目的がある。将来、米国が中国に対して禁輸措置に踏み切る可能性も念頭に置く。
中国は約1万8千キロの海岸線を持ちながら、第1列島線上の米軍基地や自衛隊基地、台湾などによって、外洋への出口を塞がれている。宮古海峡や台湾海峡といった航路を戦略的に重視するのはこのためだ。
中国は、まず第1列島線内の近海から米軍を追い出す「接近阻止・領域拒否」を優先課題としている。
特に南シナ海は、中国が輸入する石油の約8割が通過する海上交通の要衝であり、豊富な天然資源も埋蔵する。水深が深く、戦略原潜が探知されずに西太平洋まで出やすいため、米国に対する核抑止力の拠点でもある。
国際社会の反発を顧みず、強引に人工島の建設と軍事拠点化を進めて米軍排除を狙う背景には、こうした事情がある。
米国は海軍力の増強によって、覇権的行動をとる中国を封じ込める考えだ。
トランプ米大統領は「2050年代までに海軍の保有艦艇を355隻に増やす」とし、関連法も成立させた。米専門家には中国海軍が30年までに415隻体制を確立するとの分析もあり、国防総省は中国に海軍力で差をつけられないことを急務の一つと位置づける。
その上で、米艦船を西太平洋に前方展開して南・東シナ海でのプレゼンスを向上させ、米海軍が太平洋やインド洋、南シナ海などで柔軟に作戦行動を行えるようにするのが戦略目標だ。
米ハドソン研究所のブライアン・マクグラス研究員は、南シナ海で米軍がとるべき措置について、恒常的な「航行の自由作戦」に加え、全ての中国艦船を追跡・監視し、いつでも標的に捉えられる「先進情報収集システム」を構築すべきだと提言する。
マクグラス氏はまた、現在は米西海岸サンディエゴに司令部を置く第3艦隊をグアムまたはオーストラリアに前方展開すべきだとも指摘した。
米国は、中国が潜水艦や空母戦力を増強させたとしても、南・東シナ海に封じ込めておく態勢を敷いていくとみられる。中国が南・東シナ海から太平洋やインド洋に出る際に通過する海峡を押さえる。それが戦略的に重要となる。
東シナ海に関しては、ペンス副大統領が昨年10月の対中政策演説で「尖閣諸島(沖縄県石垣市)は日本の施政権下にある」と明言。日米安全保障条約が適用されるとの立場を明確に打ち出した。米国はその上で、日本が自国の領土防衛に向けて主体的役割を担うことを期待している。
米専門家らがもう一つ強調していることがある。仮に中国が南・東シナ海で米国などと武力衝突した場合、「壊滅的打撃」を受けるのは中国であることを明確に警告することの重要性だ。(北京 西見由章、ワシントン 黒瀬悦成)