先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

日本と韓国とは地政学的問題で永久に争いが絶えない?!

2019年01月22日 23時53分11秒 | 日記

 

 

 ニューズウィークが、日韓関係のイザカイは構造的なものだから、それを前提とした国家間関係を築くべきであろうという在日韓国人の評論家の記事を載せていた。勝者問題も、結局日本は勝手に終結宣言をして、逆に韓国に馬鹿にされている。日本政府はもっと賢くなるべきであろう。

<100年の歴史を振り返れば分かる。のは、地政学的変化の反映でもあった>

徴用工、慰安婦、旭日旗、レーダー照射......。「互いを利してこそ日韓の国力は強まる」という元CIA諜報員の提言から、両国をよく知る在日韓国人の政治学者による分析、韓国人専門家がインタビューで語った問題解決の糸口、対立悪化に対する中国の本音まで、果てしなく争う日韓関係への「処方箋」を探る。

 1991年に日韓で従軍慰安婦問題が噴出したのは偶然ではない。

1945年の第二次大戦終結後、冷戦で分断された朝鮮半島では南でも北でも軍事独裁体制が続いた。韓国では北朝鮮に備えることが、戦後同じ資本主義陣営になった「日帝」への恨みに優先され、その結果、存在していたはずの慰安婦問題は封印された。植民地支配に対する日本の賠償問題が1965年に日韓請求権協定によって「解決」されたのも、同じ理由からだ。

元慰安婦が韓国で名乗り出て日韓で社会問題化した1991年は、ソ連崩壊の年である。北の後ろ盾だったソ連による地政学的圧力の減少が、韓国の日本に対する敵意を解き放った側面は否定できない。

戦後50年に至らず、まだまだ戦争や植民地支配の記憶が生々しかった日本では「謝罪」の気分が支配的だったから、1993年に日本政府が慰安婦問題について事実関係に曖昧さを残しながら、河野談話で「取りあえず」強制性を認め謝罪したのは必然の結果だった。この後、慰安婦問題がくすぶりつつも、2002年のサッカー・ワールドカップ共催や日本における韓流ブームが象徴する「雪解け」「和解」の状態が続いたのは、この時の謝罪の効果だ。しかし、それも長くは続かなかった。

韓国で反日感情が再噴出するのは、2011年に憲法裁判所が「慰安婦問題解決に努力していない」と自国政府を叱責する違憲判決を下したことが直接のきっかけだ。「加害者と被害者の関係は1000年たっても変わらない」(朴槿恵〔パク・クネ〕元大統領)という韓国人の意識と、戦後70年を超えて戦争や植民地支配の記憶が薄れつつある日本人の意識の乖離が相互不信の根底にはある。

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しかし「朝鮮半島アイデンティティー」を呼び覚ましつつある韓国が北朝鮮との統一に引き寄せられ、日本やアメリカから離れ始めるという地政学的な変化もまた、両国の関係悪化と無縁ではない。

 

 トンネルの出口が見えないどころか、不信のスパイラルは急速に悪化する一方で、日韓は構造的不仲を前提とすべき時を迎えている。覚悟が必要だ。

 


デジタルノマド(離れ事務所)に最適な世界の都市

2019年01月22日 23時19分15秒 | 日記

1位のベルファスト(Henryk Sadura / Shutterstock.com)

新たなコミュニケーション技術の魅力は、働く時間と場所についての既成概念を覆してくれることにある。巷に数あるフリーランス仲介サイトでは、フリーランサーに対してあらゆる場所で働く自由を提供している。

「あらゆる場所」とは、必ずしも固定の場所ではない。フリーランサーの間では、デジタルノマド(旅をしながら遠隔勤務で仕事をする人)として働くことを選ぶ人が増えている。

それでは、デジタルノマドにとって最適な都市はどこなのだろうか? 不動産・短期レンタルスペースを提供するスペインのスタートアップ、スポタホーム(Spotahome)は最近行った調査で、デジタルノマドに関する次の9つの要素を基準に、世界の都市をランク付けした。

・インターネットの速度
・コワーキングスペース
・スタートアップの数
・移民の受け入れ度
・アパートの賃料
・無料Wi-Fiのあるカフェ
・緑地スペース
・ビールの値段
・年間日照時間

その結果、上位と下位の10都市は次の通りだ。(かっこ内は所在国とスコア平均)

1位 ベルファスト(英国、6.05)
2位 リスボン(ポルトガル、5.84)
3位 バルセロナ(スペイン、5.82)
4位 ブリスベン(オーストラリア、5.54)
5位 ルクセンブルク(ルクセンブルク、5.48)
6位 アデレード(オーストラリア、5.46)
7位 マドリード(スペイン、5.43)
8位 サンフランシスコ(米国、5.43)
9位 ウェリントン(ニュージーランド、5.41)
10位 マイアミ(米国、5.35)

47位 ミラノ(イタリア、4.39)
48位 パリ(フランス、4.32)
49位 オスロ(ノルウェー、4.28)
50位 アテネ(ギリシャ、4.21)
51位 アブダビ(アラブ首長国連邦、4.08)
52位 ドバイ(アラブ首長国連邦、4.01)
53位 東京(日本、3.98)
54位 ニューヨーク(米国、3.91)
55位 シンガポール(シンガポール、3.62)
56位 香港(中国、3.31)

調査チームは、首位がベルファストであることには多くの人が驚くかもしれないとして、次のように述べている。

「同市は近年、旅行情報サイトのロンリー・プラネットにより、2018年に訪れるべき場所1位に選ばれている。また過去の調査では、英国で最も経済成長が目覚ましい都市の一つとされてきた。ベルファストは技術成長に注力しているため、デジタルノマドにとっては特に魅力的だ」

「ベルファストでは近年、ソフトウエアエンジニアや技術コンサルタント、Java開発者など、今日のデジタルノマドたちに人気の仕事が73%増えている。年間日照時間のスコアは非常に低かったものの、インターネットの速度やコワーキングスペースの数、アパート賃料などいくつかの重要分野で素晴らしい成績を収めた」
 
ニューヨークが再開に近いのは、「世界の主要な文化・金融の中心地であるにもかかわらず、アパート賃料やインターネットの速度、また驚くことにスタートアップの数などで成績が振るわなかった」と説明している。香港やシンガポール、東京も賃料の高さによりワースト10に入っている。

スポタホームの調査結果は、ハーバード・ビジネス・レビュー誌電子版に最近掲載されたリチャード・フロリダとイアン・ハサウェイによるスタートアップ調査の結果と異なるものだ。同調査でも同様に、スタートアップやベンチャーキャピタル投資が大きくグローバル化していることが示されているものの、「スタートアップ革命」の恩恵を受ける都市は、デジタルノマドとして数週間~数カ月働くのに最適な都市とは全く異なっている。

ベンチャーキャピタル投資が多い都市トップ10は次の通り。(かっこ内はベンチャーキャピタル投資額と世界でのシェア)

1位 サンフランシスコ(273億ドル、16.2%)
2位 北京(243億ドル、14.2%)
3位 ニューヨーク(113億ドル、6.6%)
4位 サンノゼ(83億ドル、4.9%)
5位 ボストン(82億ドル、4.8%)
6位 上海(79億ドル、4.7%)
7位 ロサンゼルス(58億ドル、3.4%)
8位 ロンドン(52億ドル、3.1%)
9位 杭州(38億ドル、2.2%)
10位 ベンガルール(35億ドル、2.1%)

この2つのランキングから学び取れることは何だろうか? 冒頭で述べたように、ソフトウエアの発展により、労働者はほぼどこからでも働くことができるようになった。スポタホームの調査で示されたサービスや設備を提供し、デジタルノマドを受け入れる都市は栄えることができるだろうが、少なくとも現時点では、それだけでスタートアップ促進につながるわけではない。

事業の設立場所を選ぶとき、デジタルノマドに適しているかどうかは重要要素ではない。起業家は通常、金と人材、イノベーションを促進する政治的意志が最も集まる場所で事業を始める。

フロリダとハサウェイは次のように述べている。「スタートアップやイノベーション、それらを動かす人材を探すのに、もはや自分の裏庭だけを見ているだけでは十分ではない。以前は自身の本拠地から近いところを見ていたベンチャー投資家も、視野を広げてグローバルに考え、観察し、行動することが必要だ」

今広がっているのは、全く新しい世界なのだ。
 

地球と天体衝突が2.9億年前に急増、今も継続か

2019年01月22日 19時47分35秒 | 日記

 

 

National Geographicsという雑誌がカナダのトロント大学が1月18日にサイエンスに掲載された表題の研究発表を紹介していた。地球と天体衝突が2.9億年前から急増、今も継続か過去10億年の衝突ペース変化を初めて解析し、「信じられないような結果」が出たことを紹介していた。落下してきた物体は小惑星の分裂体で、、大昔に小惑星帯で内部衝突が生じたため、その破片が、地球軌道に降り注いだ結果だという。

 
38億~40億年前の地球の想像図。この時代は「後期重爆撃期」と呼ばれ、隕石が雨のように降り注いでいたと考えられている。(ILLUSTRATION BY DANA BERRY, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
 

以下、National Geographicsの紹介記事:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 

46憶年前に誕生して以来、太陽系は危険な場所であり続けている。地球をとりまく宇宙空間はかつて、仕掛けが満載のピンボールマシンのように、小惑星や彗星があちこちで衝突しては、生き残った天体の表面にクレーターを残していた。 今でも、あらゆる形や大きさの天体が、地球のまわりでぶつかり合い続けている。しかし、時間の経過とともに衝突の回数が具体的にどのように変化していったかは明らかになっていなかった。

カナダのトロント大学の研究者は、地球への隕石落下のクレーターは風化で消えてしまうので、まず、NASAの月探査衛星のデータから月に衝突した隕石の数を調べ、次に地球がマグマから固まって出来た時に生成されたキンバーライトの浸食から隕石落下の頻度を調べ、両者がほぼ同一で、2.9億年前から、月と地球への隕石落下の頻度が増えているということ。

 

 だが、1月18日付けの科学誌「サイエンス」に発表された論文で、驚くべき事実が明らかになった。NASAの月探査衛星のデータを使った研究によると、天体が月に衝突するペース(ひいては天体が地球に衝突するペース)が2億9000万年前に激増していて、その影響がまだ続いているかもしれないというのだ。

キンバーライトは地下のマグマが冷え固まってできる火成岩で、非常に古く安定した大陸の地中で「キンバーライトパイプ」と呼ばれるパイプ状の岩脈を形成する。キンバーライトパイプは地中深くから浅い地殻までダイヤモンドを運んでくることで知られ、最近では詳細な地図が作られ、ダイヤモンドの採掘に役立てられている。

「大陸は、数千本のキンバーライトパイプが刺さった針山のようなものなのです。キンバーライトパイプが受けた侵食を調べれば、古い時代のクレーターが受けた侵食作用を知ることができます」とガーノン氏は言う。今から6億5000万年前には、地球全体が凍結する「スノーボールアース」と呼ばれる現象が起こり、キンバーライトパイプを含む地殻の3分の1が削り取られた。そのため、これより前の時代の衝突記録はほとんど残っていない。

それ以降では、侵食はほとんど起こっていなかった。つまり、クレーターの記録に偏りはない。それなら、2億9000万年前に月で起きた衝突の増加が地球でも同様に起こったことを示しているはずだ。

 ボトキ氏は、「最も単純なモデルでは、隕石の衝突ペースは2億9000万年前に増加し、まだ高い状態が続いているという結果になりました」と言う。「私たちは、この結論に自信を持っています」

 米ノースカロライナ州立大学惑星地質学科のポール・バーン助教は、地球と月の記録が一致していることから、「今回の発見が本物である可能性は高いと考えられます」と言う。なお、バーン氏は今回の研究には関与していない。

 月と同じように大気がなく、侵食が起こらない水星の観測データも役に立つかもしれない。欧州宇宙機関(ESA)の水星探査機「ベピコロンボ(BepiColombo)」が2025年に水星に到着すれば、LROのディバイナーと同様の観測装置を使ってクレーターの地図を作成し、形成年代を調べることができるからだ。

「水星でも同じような兆候が見つかるかもしれません」とマズルーイー氏は言う。「もしそうなれば、本当にすごいことです」

小惑星帯の変動

 問題は、なぜ隕石衝突が増えたのかということだ。ボトキ氏によると、地球に衝突する天体のほとんどすべてが小惑星帯からはじき出されたものだという。大きい小惑星が衝突などによりバラバラになると、多くの破片を生じる。

 これらの破片は長期間にわたって太陽の光を大量に浴びる。「ヤルコフスキー効果」という物理学効果により、破片に吸収された放射が再放出されるときに、破片に小さな力を及ぼす。破片はこの力の影響を受け、たまたま地球の重力が届く場所に移動すると、衝突進路に入ることもある。

「何らかの原因により小惑星帯から多くの小惑星がはじき出されると、少し遅れて、地球に降り注ぐ隕石が増加します。その数は時間とともに徐々に減少していくでしょう」と、ボトキ氏は説明する。

 小惑星帯から多くの小惑星をはじき出したのは、数回にわたる小惑星帯の分裂かもしれないし、たった1度の大異変かもしれない。正解は将来のモデル研究によって明らかになるだろう。

 その原因が何であれ、衝突ペースの増加は、地球の過去の解明に興味を持つだけでなく、恐竜と同じ運命をたどることを回避したいと願う科学者にとっては、興味の尽きない研究テーマだ。