ニューズウィークに表題の記事が出ていたが、同じ共産主義国家ながら、広大な国境があって領土問題では昔から悶着があった。そして今や中国は米中と並んで世界を引っ張る勢いだが、ロシアは勝っての勢いは無くなり、経済力でも韓国以下になってしまっている。
特に極東域でのロシアの反中国が強くなっていると説く。中露紛争の例を最下段に記載した。
<名門大学には孔子学院が常駐し、観光地には中国語の警告文――ロシア訪問で感じた極東発「中ロ激突」の予兆>
最新号をめくると、「中国共産党の正しい外交政策」を宣伝する内容ばかり。政治のにおいがプンプンする雑誌だとすぐに分かった。同大学は06年に中国教育省傘下の国家漢語国際推広領導小組弁公室(漢弁)と契約を結び、正式に孔子学院を設置して今日に至る。
「中国の歴史や伝統文化に興味はあるが、社会主義の宣伝には興味がない。社会主義は1917年(ロシア革命)にロシア帝国の首都だったこの地で誕生したが、もう歴史のかなたとなった」と、職員は苦笑いしていた。
実は、中国はロシアを強烈に意識している。「ロシア革命の砲声から始まった社会主義によって、中国人民は封建主義と帝国主義の圧政から解放された」という中国共産党の宣伝を固く信じて、中国から観光客が大勢、サンクトペテルブルクを訪れる。
彼らにとって観光の目玉は、ロシア革命時に砲撃された冬宮殿を含むエルミタージュ美術館だ。一方、「教養ある優雅なヨーロッパ人」を自任するサンクトペテルブルク市民にとって、どことなくやぼったく見える観光客が声を荒らげ、真白な雪に覆われた街並みを損なう行為は我慢ならないそうだ。
雪の街並みに中国語看板
「唾を吐くな」「カップラーメンの食べ残しをトイレに流すな」といった厳しい表現で中国語の注意書きが至る所に貼ってある。粗野な行動を戒めるのに、孔子学院で学んだ中国語が役に立っているのかもしれない。
ソ連崩壊直後に比べて、ロシア人の表情は明るくなっている。それでも「同じロシアでもヨーロッパ方面はよいが、極東地域が心配だ」と現地の知人たちは危惧する。ロシアの極東地域は人口わずか600万人であるのに対し、国境の向こうの中国東北3省には1億1000万もの中国人が住んでいる。
観光客だけなら人民元を落としてくれる利点もあるが、問題は中国人移民だという。ロシアの極東地域には既に100万人以上の中国人が暮らしているが、不法滞在者を含めるともっと多いはずだと報じられていた。
平和的な隣人ならいいが、ロシアを訪れる中国人は「サハリンを含む極東地域はわが国の固有の領土だったが、帝政ロシアに取られた」と主張する。中国国内のネット上では、「強大になったわが国はロシアとの間で結んだ不平等条約を見直し、失われた領土を取り戻すべきだ」といった強硬論も横行している。
中露の領土紛争::::::::::::::::::::::::::::::::::::
中ソ国境紛争が1969年3月2日と15日に、アムール川の支流のウスリー川の中州の ダマンスキー島(中国名:珍宝島)を巡って旧ソ連と中国との間に生じている。
後の1991年5月16日に中ソ国境協定(中露東部国境協定)、1994年には中露国境協定(中露西部国境協定) が結ばれ、2004年10月14日に最終的な中露国境協定が結ばれた事により、 2008年7月21日に中国とロシアの外相が議定書に署名し国境が画定しました。
最終的な国境はアムール川とウスリー川の合流点部分を二等分し、タラバーロフ島と大ウスリー島の西半分を中国側に、 大ウスリー島の東部はロシアの領土となりました。
なお、ロシアと中国の国境問題には1858年5月28日に結ばれた「アイグン条約」 (アムール川左岸をロシアに、ウスリー川以東の外満州をロシアと清国の共同管理地とするもの)や、 1860年11月14日に結ばれた「北京条約」(アイグン条約の再確認と共同管理地のロシアへの移管、 ハバロフスクやウラジオストク地域のロシアの領有)などが有ります。