世界の測位衛星は、アメリカのGPS、ロシアのGLONASS、欧州のGALILEO、中国の北斗(BDS)の4大衛星ナビゲーションシステムが共同で地上または近地点で全天候の3D座標と速度、および時間情報の宇宙基盤無線電気伝導測位システムを提供している。日本のミチビキは4基なので、まだ測位衛星の仲間に入れてもらえないようだ。
北斗衛星ナビゲーションシステムの衛星の数は、すでに、2018年11月19日2時7分、中国は西昌衛星発射センターから「長征3号乙」(及び遠征1号上級)を使って42基目と43基目の北斗衛星を同時に打ち上げ、北斗衛星ナビゲーションシステムの衛星の数は米国のGPS(31基)とロシアのGLONASS(24基)を上回り、世界最大の衛星ナビゲーションシステムとなっている。また、第3ステップの発展に突入した北斗システムの世界範囲における即位の精度は2.5~5メートル、速度測定は0.2米/秒に上がった。同時に、同システムは民間ユーザーに精度約10メートルの測位、0.2米/秒の速度測定サービスを無料で提供し、さらに精度の高いサービスを有料で提供する。
AFP によると、中国、なんと北斗ナビの49基目衛星打ち上げ成功とのこと。中国の科学技術恐るべし!
【11月5日 Xinhua News】中国は5日午前1時43分(日本時間同2時43分)、四川省(Sichuan)の西昌衛星発射センターから運搬ロケット長征3号Bで49基目の北斗ナビゲーション衛星を打ち上げることに成功した。これにより、北斗ナビ3号システム(BDS-3)の傾斜対地同期軌道衛星3基の打ち上げが全て完了した。(c)Xinhua News/AFPBB News
更に、AFPは以下の様に解説していた:::::::::
中国は自らが主導する広域経済圏構想「一帯一路」参加国に北斗の利用を促しており、アジア・アフリカ諸国の多くで、1日の最大観測数でGPSを上回るようになった。観測数が多いほどデータの精度も高くなる。
位置データは、スマートフォンや車載機器のナビゲーションシステム、利用者の位置が関係するゲームや安否確認など幅広いビジネスにかかわる。製品を北斗に対応させる企業が世界で増えており、北斗が世界の「標準」となれば中国の産業競争力を高められる。中国政府とロシア政府は最近、北斗とグロナスを互いに平和利用し、共同プロジェクトを展開していくことも決めた。
米国のGPSと同様、北斗は当初、軍事目的で開発された。測位衛星は、ミサイルの誘導や陸海空軍の位置把握のために今も利用されている。GPSは特定の衛星に誤差ノイズを与え、特定地域で測位が行えなくする機能があるので、例えば中国の船舶がいる海域に向けたGPSを無効化すれば、船舶は立ち往生することになる。しかし、北斗が構築されれば、GPSのジャミングの影響も受けなくなり、安全保障上の弱点を補うことができる。
中国は北斗を2020年に完成させるとしていたが、計画を前倒しして実質的には既に全世界で測位する運用を始めている。米国との間で経済対立が続いており、GPSに頼らない独自システムの構築を急いだとの要素もあるようだ。
ロマンチックに見える宇宙の世界は、あわただしい地上の情勢と連動している。