先端技術とその周辺

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日本のIR推進戦略、米サンズの進出撤回でさらに前途多難

2020年05月15日 06時16分51秒 | 日記

ロイターが報じていたが、『日本のIR推進戦略、米サンズの進出撤回でさらに前途多難』は、ギャンブルで家族崩壊、身を崩すとか悲惨な話が多いから、むしろ朗報であろう。カジノは社会的な悪影響もあるが、政府や自治体の大きな資金源となり得るし、多くの雇用を創出する可能性があるということであるが、政府、自治体が金を得るのは運営企業からだが、闇社会に通じたIR運営企業が、政治が狙うように、簡単に利益をさし出すとは思えないし、ギャンブル依存症の多発だけでなく、海外のIR運営会社に日本人の金がむしとられるのも明らか。

[香港 14日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米ラスベガス・サンズが日本でカジノを含む統合型リゾート(IR)運営に進出する計画を断念したことで、IRを推進する日本の戦略は一段と前途多難になった。事業者の契約期間の短さや厳しい要件、高いコスト負担が原因で複数のIR運営大手は参入に二の足を踏んでおり、サンズの進出撤回は、IRで観光産業を盛り上げたい日本政府には打撃となる。

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日本政府はカジノや商業施設、会議場などを備えた米ラスベガス型のIRを3カ所に設置することを既に承認。2021年に自治体選定の入札を実施するとみられる。
 
 
米ラスベガス・サンズが日本でカジノを含む統合型リゾート(IR)運営に進出する計画を断念したことで、IRを推進する日本の戦略は一段と前途多難になった。写真はラスベガス・サンズが運営する「ザ・パリジャン・マカオ」に上がる花火。2016年9月撮影(2020年 ロイター/Bobby Yip)

サンズは横浜市が誘致を進めるIRの事業者として有力候補だと考えられていた。同社は昨年、大阪が計画するIR事業の参入を見送っていた。

サンズが今回、計画を撤回した理由は明らかではない。シェルドン・アデルソン会長は発表文で「IR開発を巡る枠組みで、われわれの目標が達成不能となった。他の機会に注力する時だ」と述べるにとどめた。

日本参入に名乗りをあげているマカオのカジノ運営企業、ギャラクシー・エンターテインメントとメルコ・リゾーツ&エンターテインメントはマカオでの事業不振を踏まえると、撤退はしないかもしれない。ギャラクシーが13日発表した第1・四半期決算は利払い・税・償却前利益(EBITDA)が93%の大幅減少となった。同社は日本進出の戦略に変わりはないとした。

 

ただ、IR運営大手のサンズが好機と目されてきた日本事業に関心を失ったのは良いニュースではない。サンズの前に、シーザーズ・エンターテインメントとウィン・リゾーツも既に日本参入計画を撤回している。

原因の一端は日本政府の保守的な姿勢だ。また、IR推進で主要な役割を果たしてきた秋元司衆院議員がカジノ誘致を巡る贈収賄事件で昨年12月に逮捕される前から、カジノに反対する世論は強かった。ただ、有権者の懸念に配慮して規制を加えようとする動きは、規制順守で最も経験豊かなカジノ事業者を遠ざけてしまうかもしれない。

事業者にとって資金面でのハードルも高い。多くのIR施設は100億ドルを大幅に上回る初期投資が必要で、事業者の契約期間はマカオの半分の10年と短いため、リゾートの建設が何年もかかることを考えると、コスト回収は難しくなる。税率も約30%と比較的高く、バーンスタインのアナリストは日本の銀行は支援に消極的だと指摘する。

カジノは社会的な悪影響もあるが、政府や自治体の大きな資金源となり得るし、多くの雇用を創出する可能性がある。CLSAは2017年に日本のカジノ市場が成熟すれば、年間の売上高が250億ドルに上る可能性があると予想。観光産業への恩恵も期待できる。しかし、カジノ大手が参入しないとなれば、日本政府は戦略を練り直す必要があるかもしれない。