先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

中国の新型宇宙船、地球に帰還 。有人の月探査へ着々と準備

2020年05月27日 21時35分15秒 | 日記
<header class="article-signage clear">
AFPによると、『中国の新型宇宙船、地球に帰還 有人の月探査へ画期なす』という。いよいよ、中国も世界1,2位を争う大国になったものだ。
</header> <section class="article-sns">
 
</section> <figure id="photos" class="flag_ article-photo">
中国の新型宇宙船、地球に帰還 有人の月探査へ画期なす
<figcaption class="caption">中国・海南島にある文昌発射場から打ち上げられた長征5号Bロケット(2020年5月5日撮影)。(c)STR / AFP</figcaption> </figure>

 

【5月8日 AFP】中国の新型宇宙船の試作機が8日、地上に「成功裏に着陸」し、恒久的な宇宙ステーションの運用と月への有人飛行を目指す中国が、重要な一歩を記した。

 中国載人航天(CMSA)によると、5日に大型運搬ロケット「長征5号B(Long March-5B)」に搭載されて打ち上げられた宇宙船は、予定通りの地点に無事着陸した。ただ今回の着陸に先立ち、装備品を運搬するよう設計された貨物船の帰還時には、詳細不明の「異常」が生じ、重要な試験の初期段階で問題が発生

 CMSAは、宇宙船の船体構造に損傷がないことがその場で確認されたとしている。

 宇宙船の試験機は、貨物船と共に新型運搬ロケットに搭載されて中国南部の海南島にある文昌発射場から打ち上げられた。

 CMSAによると、宇宙船は2日と19時間軌道を周回し、複数の実験を完了したという。

 機体の帰還時には、大気圏への再突入の際に高温にさらされ、耐熱性といった複数の性能が実証された。

 今回の試験機は、宇宙へと送りだす乗組員の収容人数を旧型機の3人から6人に拡大。専門家らは、今回のミッションが成功裏に終わったことは、中国にとって重要な一里塚となったと評している。

 また、中国の宇宙開発を専門とする独立系のアナリストは、「中国は今や、米国やロシアと同様に有人宇宙飛行の能力を手にしたと言える」と述べた。

 中国政府は近年、有人月面着陸に成功した唯一の国である米国に追いつこうと、宇宙開発に多額の資金を投入している。(c)AFP/Ludovic EHRET / Beiyi SEOW


スペースXの「クルードラゴン」 初の有人飛行

2020年05月27日 21時22分26秒 | 日記
<header class="article-signage clear">
イーロン・マスクのスペースXの宇宙船「クルードラゴン」 初の有人飛行するという。有人飛行は2011年7月以来の9年ぶりとのこと。一方、中国も有人飛行を着々準備していて、宇宙開発でもアメリカとk競争するまでになっている。
</header> <figure id="photos" class="flag_ article-photo">
【5月27日 AFP】当初は誰もが、絶対無理に決まっていると思っていた──。だが、イーロン・マスク(Elon Musk)氏の宇宙開発企業スペースX(SpaceX)は逆風をはねのけ、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士2人を乗せて27日、宇宙に飛び立つ。成功すれば、米国土からの9年ぶりの有人宇宙飛行になる。【図解】スペースXの宇宙船「クルードラゴン」 初の有人飛行     
 
</figure>

 NASAは、30年にわたる輝かしいスペースシャトル計画で、数十人の飛行士を宇宙に送り込んだ。しかし、巨大で非常に複雑な有翼型宇宙船ミッションにかかった費用は、計135回の打ち上げで約2000億ドル(約21兆5000億円)にも上り、搭乗飛行士が死亡する事故も2回起きた。そして、2011年7月21日に帰還した「アトランティス」が最後のスペースシャトルとなった。

 その後、NASAの宇宙飛行士らはロシア語を学び、カザフスタンからロシアの宇宙船「ソユーズ(Soyuz)」で国際宇宙ステーション(ISS)へと向かった。この協力関係は、米国・ロシア両政府が政治的に対立していた時も続いた。

 だがこれは、暫定的な取り決めにすぎず、NASAはスペースシャトルに代わるカプセル型宇宙船の設計と製造を民間企業2社に委託していた。米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)と新興企業のスペースXだ。

 それから9年後。南アフリカ出身の起業家で、歯に衣着せぬ発言で知られるマスク氏が2002年に設立したスペースXの宇宙船がいよいよ宇宙に飛び立とうとしている。マスク氏は、米電子決算大手ペイパル(PayPal)の前身企業と米電気自動車大手テスラ(Tesla)の創設者でもある。

 宇宙船「クルードラゴン」への搭乗が予定されているのは、経験豊富な宇宙飛行士のロバート・ベンケン(Robert Behnken)氏(49)とダグラス・ハーリー(Douglas Hurley)氏(53)だ。ハーリー氏は、スペースシャトルの引退飛行でアトランティスを操縦した。

 スペースXのファルコン9ロケットで打ち上げられるクルードラゴンは、28日にISSにドッキングし、両宇宙飛行士はロシア人2人と米国人1人に出迎えられることになっている。(c)AFP


コロナ危機は「自然界の逆襲」

2020年05月27日 16時14分23秒 | 日記
<header class="collection-headline-flex" role="presentation">
 
</header> <section class="Modelinfo">
 
Forbesが、国立環境研究所の生物学者の『コロナ危機は「自然界の逆襲」人類がグローバル依存から脱却すべき理由』という記事を載せている。人間が自然破壊をしてきた以上、新型コロナウィルスのような破壊的なウィルスが頻発すると言う事だろう。
 
 
 
© Forbes JAPAN 提供自然界と人間界の線引き─。そう聞いたとき、あなたは何を思い浮かべるだろうか。
</section>
<main id="main" role="main" data-region="main" data-id="50" data-m="{"i":50,"n":"main","y":6}"> <article class="articlecontent allowvig loaded" data-id="53" data-m="{"i":53,"p":50,"n":"article","y":6,"o":3}" data-nativead-placements="article_aside:3;singlecard1:1;singlecard2:1;singlecard3:1;singlecard4:1;singlecard5:1;singlecard6:1;singlecard7:1;singlecard8:1;singlecard9:1;singlecard10:1;singlecard11:1;"> <section class="flexarticle" data-id="54" data-m="{"i":54,"p":53,"n":"flexarticle","y":6,"o":1}"> <section class="articlebody " data-id="55" data-m="{"i":55,"p":54,"n":"articlebody","y":6,"o":1}">

ジブリ映画『もののけ姫』のような壮大な世界観にも思えるが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経験した私たちだからこそ、いま目を向けるべきテーマでもある。

「新興の感染症の流行は、生態系による人間社会への『逆襲』だ」と語る研究者がいる。生物多様性の専門家であり、国立環境研究所の生物学者・五箇公一だ。

新型コロナウイルス感染症と環境問題には、どのように密接な関わりがあるのだろう。また、アフターコロナの社会が向かうべき方向性とは。五箇が生態学の観点から解説する。

コロナ危機の原因は「自然界の撹乱」

1970年代以降、HIVやエボラ出血熱、SARSといった新しい未知なるウイルスが突如人間社会に現れ、新興感染症をもたらしています。これらのウイルスは全て、野生動物が起源とされます。

ウイルスは野生動物の体内に存在し、宿主の中で常に変異を起こしています。その中には人間にマッチングするものが偶然生まれてしまうことがあるんです。

そして運よく人間に接触できればしめたもの。新たな宿主の人間には免疫がありませんから、ドカンと増えることができる。これが新興感染症のメカニズムです。

流行の背景にあるのは、人間による野生動物の世界の撹乱です。アフリカ、中南米、中国の奥地など未開の地において、土地開発や農耕地の拡大による自然破壊、動物の乱獲、密猟、売買などが繰り返されることによって、自然界に埋もれていたウイルスと人間が接触するチャンスが必然的に増えてしまいました。

しかもこのグローバル社会では、人間が東西南北をあっという間に移動できる。都市部では人が密集していて、ウイルスが一旦侵入すれば爆発的に広がりやすい環境が整っています。新型コロナウイルスはまさに、そうした時代の流れに乗って瞬く間に世界中に広がりました。

人間社会にとってみれば、ウイルスは恐ろしい病原体であり、疎ましい存在です。それゆえに今までは「排除するべきもの」としてしか捉えられてきませんでした。

しかし冷静に考えてみれば、彼らは人間が地球上に登場する何億年も前から生態系のなかで生き続けており、野生動物とともに進化を繰り返してきました。それは彼らにも自然界における存在意義がちゃんとあるからなんですね。

生態系では、すべての種が資源の取り分に合わせて決まった数の範囲内で生きています。ある種の集団がそのセオリーから外れて増えすぎると、ウイルスはその集団に取り付いて感染症をもたらし、数を減らす「天敵」としての役割を果たしてきたと考えられます。生態系ピラミッドの安定性を保つ「監視役」とも呼べるでしょう。

かたや人間はというと、今や77億にも達しようという膨大な数で繁殖を遂げています。しかも地球上のエネルギーを無駄に消費し、大量のゴミの排出を繰り返している。生態系は人間にエネルギーを一方的に奪われている状況が続き、それを制御する自然界のシステムとして、新興感染症ウイルスがいま、人間社会でパンデミックを引き起こしているわけです。

新型コロナウイルスを含む新興感染症は、まさに人間に対する「自然界の逆襲」と捉えるべき事態です。

グローバリズムが産んだ、経済の「脆さ」

日本は現在、資源の大半を海外から輸入している資源依存大国です。しかしかつてはそうではなく、この狭い島国で約1万年もの間、自立して生活してきた国だったのです。

歴史上特に注目すべき循環型社会を維持していたのが江戸時代です。地方ごとに独自の経済構造を持ち、江戸を中心に緩やかにつながる地方分散型社会では、隔離された環境の中で資源を回す知恵があった。それでいて完全に外部を遮断するわけではなく、大陸とも適度に交流していたため、文化も隆盛を極めました。

生物の世界には、それぞれの環境に適応した集団が分散して生息することで、どこか1つの集団が潰れたとしても他の集団からの供給が働き、種全体としては生き残れるという個体群構造があります。

江戸時代もまた、地域ごとに最も適応度の高い社会を作り、経済を分散させることによって全体の適応度を上げていました。ところが、いま世界中で進行しているのは、地方分散型社会とは真逆の、画一化としてのグローバル化社会です。

これは生き物の世界に置き換えて考えると非常にまずい状況です。全ての遺伝子がミックスされると変異(個体ごとの形質の違い)がなくなり、突発的な環境の変化とともに種が絶滅する恐れがあります。リーマンショックで世界中が一気に混乱に陥ったのと同じ構図です。

グローバリゼーションの弊害は、何か問題が起きると全体が潰れかねない経済の脆さです。社会全体の持続性を高めるためには、グローバル化とは異なる方角に舵を切らなくてはなりません。

五箇公一 オンライン取材© Forbes JAPAN 提供 五箇公一 オンライン取材

取材は五箇の研究室とつなぎ、オンラインで行った

「地産地消」が、人間社会の持続性を高める

生き物の生存は本来、持続して遺伝子を残し続けることが最大の目的です。一気に増えて一気に滅びるような生き方をしている生き物は、成功者とはいえない。人間もそうした生態系のセオリーに則って、社会全体の持続性を考えるときが来ています。

人間社会が次に向かうべき方向性はローカリゼーションです。かつての日本社会が持っていた持続性を、現代社会にどう適応させるかが課題となります。

近代社会では都市に人が集中しましたが、これだけITやインフラが整ったいまでは、地方で暮らすディスアドバンテージはどんどん小さくなってきています。地方に分散した人が地域ごとに経済を自立させ、お互いに緩やかにつながるネットワークを構築する。このシステムは国単位でも応用可能です。

しかし、いまの社会を一気に変えるのは難しいでしょう。グローバリゼーションから脱却するためには、まずは個人の行動から変えていく必要があります。

私は「地産地消」の実践から始めることを推奨しています。地方で採れたものを地方で消費し、そこで経済が流れる社会を作る。田舎なら地元のものを優先し、日本なら日本のものを優先する。これが持続性の高い社会を実現するために、個人レベルでできる第一歩です。

ウイルス発生源はまだ不明。求められる国際協調

新型コロナウイルスの起源は武漢だと言われていますが、実はまだ不明です。最初に武漢でクラスターが認知され、そこから人の流れとともにウイルスが世界に拡散したのは事実ですが、ウイルスを系統解析しても、現時点では武漢が発生地とは確定できないからです。

最近の論文によると、新型コロナウイルスの流行は、武漢でクラスターが発生する前の2019年11月末ぐらいから始まったと考えられています。では本当の発生源はどこなのか、今まさに研究者が研究している最中です。

こうした状況下で国際社会の分断が起きてしまうと、各国が情報の囲い込みに走る恐れがあります。政治の都合によってワクチンの開発や病気の制圧が遅れることは、我々研究者が最も懸念する事態です。各国のリーダーには、「分断」ではなく「協調」が人の命を救うために必要であることを十分に理解して協働体制に前進して欲しいです。

今回の教訓を得て、アフターコロナの世界では海外への依存から脱却する方向に国際社会が進むかもしれません。しかし、それが「協調」ではなく、「分断」の結果ならば、緩やかなローカリゼーションとは程遠い、医療や技術も含めた国内資源の独占に各国が走る可能性があります。

もしそうなると最悪ですね。人間社会の持続性は低下し、世界はさらに脆くなってしまうかもしれません。

五箇公一© Forbes JAPAN 提供 五箇公一

調査を行う五箇公一。自然共生社会の本質について、私たちに問いを投げ掛ける

人間って生物学上では本来すごく弱い生き物です。弱いからこそ集まってコミュニティをつくって野生生物たちとの闘いに勝って、生き残ることができた。その過程で他の生物種が持たないヒューマニティという人間特有の性質を進化させた。血の繋がりのない他者も助けるという利他性こそが人間の武器であるのに、社会が肥大化し、物質的な豊かさが増すにつれ、自我や個人的欲求を優先させてしまうという利己性が利他性に勝るようになってしまった。

これからは「自然共生社会」の本質を見つめ直し、人はこれ以上野生生物の世界に立ち入ってはいけないことを改めて認識すべきです。かつての共生関係を保ってきた人間社会と自然界の間のゾーニングを取り戻すことが必要なのです。世界全体が独占主義的な考え方を捨て、自然共生を図り、持続的な社会構造へとパラダイムシフトをすることが求められます。

五箇公一(ごか・こういち)◎1965年生まれ。国立研究開発法人国立環境研究所 生物生態系環境研究センター 生態リスク評価・対策研究室長。農学博士。専門の研究分野は生態リスク学、ダニ学。著書に『クワガタムシが語る生物多様性』『ダニの生物学』『終わりなき侵略者との闘い〜増え続ける外来生物』『感染症の生態学』『これからの人生に必要な大人の生物学入門』など。

</section> </section> </article> </main>

おバカ兄弟お殿様に使える、悪名東大卒御代官

2020年05月27日 13時15分59秒 | 日記

お馬鹿が国民に大迷惑をかけるバカ殿様           おバカの真性バカ殿の麻生副総理

 

彼らに仕える、東大を優秀な成績で卒業した、タヌキのような日銀総裁と、貧祖な顔の、正義の味方の検察総長。また、彼らに仕える東大卒の高級官僚。東大は世の中のためにはならないのでは?

 


トランプも引っ掛かった “新型コロナ流出疑惑”は習近平の罠だった!

2020年05月27日 11時19分05秒 | 日記

文春オンラインによると『トランプも引っ掛かった「発生源論争」 “新型コロナ流出疑惑”は習近平が仕掛けた罠だった!』という。アクション映画のようで、結末を期待したい。

この記事は、中国の戦略を解説したもので、その罠の戦略は「文藝春秋」6月号及び「文藝春秋digital」を読めというが、これだけでも面白い。

以下其の記事の引用:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

年に1度の世界保健機関(WHO)総会が5月18日から始まった。中国を擁護する余り世界的なパンデミックを引き起こしたと批判されている事務局長のテドロス・アダノムは、「ウイルスの脅威は依然として高い状況が続いており、まだ長い道のりがある」と語り、国際社会の連携を呼びかけた。  一方、最初の感染拡大を引き起こした中国国家主席の 習近平は、北京からテレビ会議で参加。「中国は透明性をもって、責任ある態度で、WHOや関係国に情報を提供してきた」とこわばった表情のまま、自己弁護ともとられかねない演説を始めた。また、WHOに関しては、「テドロス事務局長の指導のもと国際的な感染対策において多大な貢献をしてきた」と称賛することも忘れなかった。  カメラを見つめた習の視線の先には、この日の会議には参加しなかった米国大統領、ドナルド・トランプの姿があったのは間違いない。 トランプは、この総会の直前に、事務局長のテドロスに宛てた書簡を自身のツイッターで公開。WHOの一連の対応を厳しく批判したうえで、「WHOが30日以内に大幅な改善に取り組まなければ、拠出金の停止を恒久化し、WHOへの加盟も見直す」と述べ、脱退の可能性まで示唆したのだ。「12月初旬には中国内の異変を察知していた」

トランプが厳しくWHOを批判する背景には、新型コロナを巡る米中対立がある。トランプはこれまでも、WHOについて「中国寄りだ」と主張し、4月には拠出金を一時的に停止する方針を表明した。だが、米中対立はWHOだけの話ではない。新型コロナの発生当初から、米中両国は激しい「情報戦」を繰り広げてきたのだ。  中国政府が、ヒトからヒトに感染することを明かし、習近平が「断固として蔓延を抑え込め」と指示を出したのは1月20日のことだった。  この発表を受けた米政府の動きは速かった。中国での感染者数が1万人に迫っていた1月30日、トランプは他国に先駆けて中国全土への渡航禁止措置に踏み切る。この時、日本は湖北省への渡航中止を勧告していたにすぎない。  なぜ、トランプはわずか10日間で最高レベルの規制に踏み切ることができたのか。東アジア外交に携わる米政府当局者が言う。 「我々は昨年12月初旬には中国内の異変を察知していたからだ」

 武漢市では、遅くとも昨年12月初旬までに原因不明の肺炎患者が発生し、その脅威について現地の複数の医師らが通信アプリ「微信」上で指摘していた。その「書き込み」は次々と削除されたが、この米政府当局者によれば、武漢の米総領事館や中央情報局(CIA)などは素早く保存し、現地で医療関係者にも接触。証言の分析には、疾病予防管理センター(CDC)も加わり、いち早く未知のウイルスの感染拡大を察知していた。  米国は武漢でつかんだ情報を中国政府に突き付けて説明を求める一方、衛星写真や通信傍受も行い、感染状況を追い続けたという。米政府高官は筆者にこう語った。 「感染力が極めて強いことも、無症状の感染者が多数いることも、中国政府が公表する前に把握していた」  米国は中国側の公式発表だけを信じずに、素早い渡航制限に踏み切ったことで、「ウイルス対策のための時間を6~8週間も稼ぐことができた」(オブライエン米大統領補佐官)。対中外交に携わる日本政府関係者は、「外交部門だけではなく、情報機関や衛生部門も一体となった情報収集能力はさすがだ」と評する。

崖っぷちに立たされた習近平の「戦略」

米国が積極的に情報収集を行っている頃、習近平は国家主席に就任して以来、最大の危機に瀕していた。逆風下の習が利用したのは、中国共産党の伝統芸である宣伝工作(プロパガンダ)だった。習を「忖度」する中国政府当局者や官製メディアは、中国政府の危機対応を称賛する一方で、米国などの対応を批判するキャンペーンを展開した。こうした中国の動きに対しトランプは激怒し、武漢病毒(ウイルス)研究所からの「新型コロナ流出疑惑」を指摘するところまで踏み込んだ。  だが、武漢病毒研究所に焦点を当てたことで米側は、習近平が仕掛けたプロパガンダ戦の「罠」に引っかかったといえる。発生源論争を始めた結果、初動の遅れや情報の隠蔽といった習近平自身の失策から目をそらされてしまったのだ。  実は、武漢病毒研究所を巡る「発生源論争」は、崖っぷちに立たされた習近平が反転攻勢のために仕掛けた「3段階の戦略」の第一歩だった。そして3段階の戦略の「最終段階」が5月22日から始まった全国人民代表大会だ。  はたして習近平の「戦略」とはどんなものだったのか――。  その全貌については、「文藝春秋」6月号及び「文藝春秋digital」に寄稿した「 米中コロナ戦争 CIAと武漢病毒研究所の暗闘 」の中で詳述した。新型コロナを巡る米中対立の背景を理解するためにも、ぜひ一読してほしい。