日産が水素燃料自動車(FCV)を解発しているとは聞いたこともなかったのに、その開発を凍結すると発表。明らかにFCV開発に積極的なトヨタを意識した発表だと思う。中国がEV車しか使わせない方針を出しているし、唯一のFCV商用車ミライはマダ高すぎる。ゆえに次の時代の車はEVであおる。FCVの時代は来ないと思う。
以下日経のレポート:::
日産自動車と仏ルノーの企業連合は、独ダイムラーや米フォード・モーターと共同開発する燃料電池車(FCV)の商用化を凍結する方針を固めた。今後、電気自動車(EV)に経営資源を集める。次世代エコカーの開発費は巨額で複数技術を同時に手がけるのは難しい。大手の一角である日産・ルノーがEV集中を鮮明にすることで他社も追随し、FCVの普及が遅れる可能性がある。
3者陣営は2013年にFCVの共同開発で提携。早ければ17年にも価格を抑えた量販車を発売する計画でシステムや部品の規格を統一しコスト削減を目指していた。
世界最大の自動車市場である中国が19年からEVの製造・販売をメーカーに義務付けるなど、普及を後押しする動きが広がる。このため3者陣営はFCVの商用化計画を凍結し投資や技術者をEVの開発に集中させる。
FCVは車載タンクの水素と空気中の酸素から電気を作るため、走行時に二酸化炭素(CO2)を出さない「究極のエコカー」とも呼ばれる。3者陣営は協力しFCVの研究は続ける見通し。
これまでもスウェーデンのボルボ・カーが20年代半ばまでに売上高の半分をEVで稼ぐ方針を示すなど、比較的小規模なメーカーがEVシフトを明示することはあった。
日産・ルノーに三菱自動車を加えた3社連合は22年の世界販売目標1400万台のうち3割をEVかハイブリッド車(HV)の電動車にする。EVを次世代車の主力に位置づけることで、米国や中国のメーカーとの競争が激しくなりそうだ。FCVを巡っては、トヨタ自動車と独BMWが、ホンダと米ゼネラル・モーターズがそれぞれ組む。
■価格・インフラ 普及に壁
FCVは、ガソリン車並みの航続距離や、3分程度の充填時間の面からも使い勝手は悪くない。だが、車両自体のコストが高く、水素スタンドなどのインフラ整備も遅れており、普及が進んでいない。
FCVの開発は世界の自動車大手の中でトヨタ自動車が先行している。2014年に「ミライ」を発売し、日米欧のほか、今秋からはカナダでも法人向けの販売を始める。
トヨタはFCVを電動車の柱の一つとして20年以降の世界販売を年3万台以上とする計画を掲げている。5月には20年ごろの稼働を目指して、愛知県豊田市の本社工場内に基幹部品のスタックを生産する建屋を新設して増産体制を整えることを決めた。
次期FCVは燃料電池システムなどの製造コストを現行の半分以下に引き下げ、販売価格を抑える方針だ。
一方、米フォード・モーターと独ダイムラーは13日、2社で進めていたFCVの合弁事業を解消することを明らかにしている。日産自動車と仏ルノーの連合も量販車の商用化計画を凍結することで、FCVの世界的な普及にブレーキがかかるのは避けられない見通しだ。
FCVの開発ではトヨタが独BMWと提携し、トヨタがBMWに基幹技術を供与している。ホンダも米ゼネラル・モーターズ(GM)と提携して基幹システムを共同開発しているほか、20年をめどに米国で部品を共同生産することで合意している。