東京おもちゃ美術館は、四谷の大木戸と四谷三丁目のあいだを200mほど北に行ったところにある。2007年3月に閉校した四谷第四小学校と幼稚園の校舎を活用し、2008年4月にオープンした。
おもちゃといっても、いまどきのキャラクターもののおもちゃは1点もない。またロボットやリカちゃんなどレトロな「昭和のおもちゃ」もほんの少ししかない。けん玉、だるま落としなど、おもちゃの原点である木のおもちゃが主体である。
「美術館」という名称から、おもちゃの造形美を分析したような展示館、あるいはおもちゃの歴史がわかる博物館かと予測して行ってみたが、イメージとは大いに違った。
コンセプトは「おもちゃを創る、遊ぶ、学ぶ、楽しむ多世代交流のミュージアム」で「遊びを通して物づくりの喜びを子どもたちに伝えたい」「大人たちがもっと楽しく子どもたちと遊べる手伝いがしたい」などを目標にしている。
おもちゃを手に取り遊べるコーナーも多く、小学生や就学前のこどもたちと若い親でいっぱいだった。雰囲気としては児童館のようだった。
展示は2階、3階の8室。5つの展示室(グッド・トイ展示室とショップを含めれば7室)を写真とともに紹介しよう。
写真は韓国の人形
1 企画展示室
「おもちゃアジアをゆく――おもちゃのシルクロード」が開催されていた。インドネシア、フィリピン、ミャンマー、タイ、インド、台湾、中国、韓国などアジア各国と沖縄の伝統的な人形やあやつり人形が国別に展示されていた。昔、リトルワールドで見たボリビアのカーニバルのような、異様な仮面と原色の衣装を思い起こさせるような人形もあった。文化人類学的な見方もできるかもしれない。
2 おもちゃのもり
北見のブナなど木の玉が約2万個入ったビニールプールくらいの大きさの「木の砂場」が子どもたちも大受けだった。枠の上にはレールになった窪みがあり、球をころがせる。子どもでなくても面白そうだった。ドールハウスや播州そろばんもあった。
3 おもちゃのまち きいろ
「ものがたりのへや」にはキリスト生誕、ノアの方舟の情景を表す人形劇の1シーンのような展示(クリッペ)、野菜などで八百屋遊びをする「ごっこショップ」、木魚・木琴など音が出る木の楽器が展示されていた。
4 おもちゃのまち あか
けんだま、だるま落とし、こまなど日本の伝統的なおもちゃを手にできる。ここの片隅で、消防車や電車などブリキのおもちゃにやっと出会えた。
5 ゲームの部屋
ゲームとはいっても、当然ながらプレステなどゲーム機を使うようなものはない。部屋のまんなかにあるのはテーブルサッカー。バッグギャモン、オセロなどテーブルゲームが中心で、なかにはクアルト、カタミノなど私がまったく知らないものもあった。
おもちゃ工房という部屋では、手作りおもちゃの実習ができるようだったが、遅く行ったためすでに終了していた。
この施設は普通の公立美術館ではなく、NPO法人日本グッド・トイ委員会が運営している。もともと1984年に中野区新井で開館したおもちゃ美術館が母体である。
そのためか2階の受付に一番近い部屋にはグッド・トイ展示室とショップがある。
「健全」「ロングセラー」「遊び・コミュニケーションを尊重」の3つの指針で選考するグッド・トイ選定制度は1985年にスタートし、現在350点が選定ずみだそうだ。ギャラリーショップAptyで、ねじあそび(5880円)、オーボール(945円)などが販売されていた。京こま(M 2100円)、干支起き上がり(650円)もあった。
こども 500円、おとな 700円という料金設定は少し高いのではないかと思ったが、これだけ大勢のこどもたちが来ているので、こどもにとってはアトラクション型の遊園地に匹敵する遊び場のようだった。いまも昔も子どもが面白がることは変わらないことを発見し、ちょっと安心した。
住所:東京都新宿区四谷4-20 四谷ひろば内
電話:03-5367-9601
開館日:金曜日~水曜日(木曜は休館日)
開館時間:10:00~16:00 (入場は15:30まで)
入館料:こども 500円 (小学生以下) ※2歳以下は無料
おとな 700円 (中学生以上) 、ペア券 1000円 (こどもとおとな各1名)
☆門を入ったところに控え目な石碑が建てられていた。四谷四小は1907年(明治40年)東京市立四ツ谷第四尋常小学校として開校 、幼稚園は1913年(大正2年)開園した。麹町、誠之、番町などにはすでに明治から付属幼稚園があったが、大正初期の公立幼稚園は都会といえども珍しいのではないだろうか。鉄筋4階建て校舎は1935年建築なので築74年。閉校・閉園が2007年3月なので創立100周年だったことになる。
校歌は「平和の日本 新しい少年 われらはおおしく立とう 清い朝風 すむ大空に」と始まる。いかにも戦後直後の歌詞である。歌詞だけ時代に合うよう部分変更したのかもしれない。千駄ヶ谷小学校校歌「世界の国にさきがけて戦争棄てた憲法の こころ忘れず取り持って平和日本の民となる・・・」を思い出させる。
四谷四小の校歌二番は「日本の大都 東京の四谷の第四に咲き出すわれら・・・」、いかにも東京の学校の校歌である。
おもちゃといっても、いまどきのキャラクターもののおもちゃは1点もない。またロボットやリカちゃんなどレトロな「昭和のおもちゃ」もほんの少ししかない。けん玉、だるま落としなど、おもちゃの原点である木のおもちゃが主体である。
「美術館」という名称から、おもちゃの造形美を分析したような展示館、あるいはおもちゃの歴史がわかる博物館かと予測して行ってみたが、イメージとは大いに違った。
コンセプトは「おもちゃを創る、遊ぶ、学ぶ、楽しむ多世代交流のミュージアム」で「遊びを通して物づくりの喜びを子どもたちに伝えたい」「大人たちがもっと楽しく子どもたちと遊べる手伝いがしたい」などを目標にしている。
おもちゃを手に取り遊べるコーナーも多く、小学生や就学前のこどもたちと若い親でいっぱいだった。雰囲気としては児童館のようだった。
展示は2階、3階の8室。5つの展示室(グッド・トイ展示室とショップを含めれば7室)を写真とともに紹介しよう。
写真は韓国の人形
1 企画展示室
「おもちゃアジアをゆく――おもちゃのシルクロード」が開催されていた。インドネシア、フィリピン、ミャンマー、タイ、インド、台湾、中国、韓国などアジア各国と沖縄の伝統的な人形やあやつり人形が国別に展示されていた。昔、リトルワールドで見たボリビアのカーニバルのような、異様な仮面と原色の衣装を思い起こさせるような人形もあった。文化人類学的な見方もできるかもしれない。
2 おもちゃのもり
北見のブナなど木の玉が約2万個入ったビニールプールくらいの大きさの「木の砂場」が子どもたちも大受けだった。枠の上にはレールになった窪みがあり、球をころがせる。子どもでなくても面白そうだった。ドールハウスや播州そろばんもあった。
3 おもちゃのまち きいろ
「ものがたりのへや」にはキリスト生誕、ノアの方舟の情景を表す人形劇の1シーンのような展示(クリッペ)、野菜などで八百屋遊びをする「ごっこショップ」、木魚・木琴など音が出る木の楽器が展示されていた。
4 おもちゃのまち あか
けんだま、だるま落とし、こまなど日本の伝統的なおもちゃを手にできる。ここの片隅で、消防車や電車などブリキのおもちゃにやっと出会えた。
5 ゲームの部屋
ゲームとはいっても、当然ながらプレステなどゲーム機を使うようなものはない。部屋のまんなかにあるのはテーブルサッカー。バッグギャモン、オセロなどテーブルゲームが中心で、なかにはクアルト、カタミノなど私がまったく知らないものもあった。
おもちゃ工房という部屋では、手作りおもちゃの実習ができるようだったが、遅く行ったためすでに終了していた。
この施設は普通の公立美術館ではなく、NPO法人日本グッド・トイ委員会が運営している。もともと1984年に中野区新井で開館したおもちゃ美術館が母体である。
そのためか2階の受付に一番近い部屋にはグッド・トイ展示室とショップがある。
「健全」「ロングセラー」「遊び・コミュニケーションを尊重」の3つの指針で選考するグッド・トイ選定制度は1985年にスタートし、現在350点が選定ずみだそうだ。ギャラリーショップAptyで、ねじあそび(5880円)、オーボール(945円)などが販売されていた。京こま(M 2100円)、干支起き上がり(650円)もあった。
こども 500円、おとな 700円という料金設定は少し高いのではないかと思ったが、これだけ大勢のこどもたちが来ているので、こどもにとってはアトラクション型の遊園地に匹敵する遊び場のようだった。いまも昔も子どもが面白がることは変わらないことを発見し、ちょっと安心した。
住所:東京都新宿区四谷4-20 四谷ひろば内
電話:03-5367-9601
開館日:金曜日~水曜日(木曜は休館日)
開館時間:10:00~16:00 (入場は15:30まで)
入館料:こども 500円 (小学生以下) ※2歳以下は無料
おとな 700円 (中学生以上) 、ペア券 1000円 (こどもとおとな各1名)
☆門を入ったところに控え目な石碑が建てられていた。四谷四小は1907年(明治40年)東京市立四ツ谷第四尋常小学校として開校 、幼稚園は1913年(大正2年)開園した。麹町、誠之、番町などにはすでに明治から付属幼稚園があったが、大正初期の公立幼稚園は都会といえども珍しいのではないだろうか。鉄筋4階建て校舎は1935年建築なので築74年。閉校・閉園が2007年3月なので創立100周年だったことになる。
校歌は「平和の日本 新しい少年 われらはおおしく立とう 清い朝風 すむ大空に」と始まる。いかにも戦後直後の歌詞である。歌詞だけ時代に合うよう部分変更したのかもしれない。千駄ヶ谷小学校校歌「世界の国にさきがけて戦争棄てた憲法の こころ忘れず取り持って平和日本の民となる・・・」を思い出させる。
四谷四小の校歌二番は「日本の大都 東京の四谷の第四に咲き出すわれら・・・」、いかにも東京の学校の校歌である。