5月5日子どもの日の午後、原発ゼロの日 さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会 が芝公園23号地で開催された(主催「さようなら原発」1000万署名市民の会 参加5500人)。
この日23時ごろ、ついに日本全国54基の原発すべてが止まった。空は快晴、原発ゼロは日本の子どもたちに最高の贈り物になった。
生田卍さんのオープニングコンサートは、「キャベツ」「地球は愛」「ただ頬よせて」「水門を開けにいこう」の4曲だった。司会の猿田佐世さん〈弁護士)は5年間アメリカに留学し4月に帰国したばかりだという。スピーチは主催者を代表し鎌田慧さんから始まった。
●鎌田慧さん(ルポライター/呼びかけ人)
今日、いよいよ日本の原発54基がすべて止まる瞬間を迎えた。しかしこの日を待たず鬼籍に入った人も多い。六ヶ所村も伊方も柏崎も川内もそうだ。この人たちの思いも今日共有する。
この集会を『原発ゼロの日 さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会』と名付けた。脱原発目指し力強く歩んでいく。この思いを政府にたたきつければ、必ず政策は変えられる。原発から絶対に脱却しよう。
●内橋克人さん(経済評論家/呼びかけ人)
泊3号原発は今日の17時に出力を下げ始め、23時に核分裂反応が完全に停止する。そして日本の原発依存エネルギーはゼロになる。おめでとうございます。昨年このような状態を「日本人の集団自殺」と表現した人がいた。しかしなんの破綻もおきていない。
注意すべきは、原発稼働停止が新たな原発立国への準備であることだ。つまり再稼働の準備、すなわち炉心やタービン、非常用発電機の点検と核燃料の1/4を取り換え、3.11の前の状態に立ち戻らせる入念な準備なのだ。このことを心に留めておいてほしい。この日を持続可能にする、原発ゼロを永続するように進めていかないといかない。
原発がないと生きていけないとか、暮らしていけないような社会や政治のあり方は変えないと、本当の意味の原発ゼロの日はやってこない。これからわたしたちの運動が始まる。
●古今亭菊千代さん(落語家・賛同人)
この会場に来る前に、有楽町駅前で脱原発1000万人署名を集めてきた。なかにはそっぽを向く人や「特別な運動」と思っている人もいる。新聞やテレビは脱原発運動を報道しない。マスコミにはもう期待しない。マスコミより口コミで、世間話をするように大きな声で「原発いらない」といっていこう。この会場に来るような人はもうわかっている。
いま「ゲンパチ」と「カクさん」を悪者にして、新作をつくっている。しかしどうもオチができない。楽しく笑えるオチをつくれる世の中にしましょう。
●長田秀樹さん(北海道平和運動フォーラム事務局長)
今日泊3号機が止まる。泊が止まる、これはシャレではない。
泊原発には3つの問題点がある。一つ目は位置だ。泊は北海道の西の端にあるが北海道の冬は西風が強い。事故が起これば70キロ圏内の札幌その他に被害が広がる。農業、水産業、林業、観光業は壊滅的になる。
また泊で事故が起きると、近隣住民はいったん原発に向かって避難しないといけない。信じられないだろうが、国道に出るには原発に向かって歩くしかないのだ。
二つ目は、北電の甘い姿勢だ。泊には164キロの活断層が走っている。しかし北電は81キロだと言い張った。福島、滋賀、京都の知事は再稼働に慎重な姿勢を示している。これに対し北海道の高橋はるみ知事は、国に判断を「丸投げ」している。経産省OBなので「当然」なのだろう。また北海道出身ではないので知事に道民の命を守る感覚は見られない。
北海道でも、独自に「「さようなら原発」一千万署名」を進めている。呼びかけ人には倉本聰さんや雨宮処凛さんがいる。北海道は風力発電はじめ自然エネルギーの宝庫だ。だから原発ゼロをめざす。枝野経産相は「一瞬原発ゼロになる」と述べた。「一瞬ではなく一生ゼロ」をめざし、今後も連携して闘おう!
●山口幸夫さん(原子力資料情報室共同代表)
原子力ムラをどう壊すかが最大の問題だ。50年間原始力ムラの専門家は固い団結を誇っている。3.11が起きてある保安院の課長は「時間に期限をつけず話し合う」といった。11人の委員のうち2人は風穴をあけようと努力した。しかし斑目委員会は大飯3,4号機の再稼働にOKを下した。反省はまったくなく、なにも変わっていない。4月1日になっても原子力規制庁もできていない。日本の民衆運動がきちんと批判し、監視するしか日本の未来はない。原発を廃止し新しい社会システムをつくり出すため、全国の人びとと力を尽くそう。
●チェヨルさん(韓国・環境財団代表)
政府は国民の財産と安全を守るためにあると思う。しかし日本政府は福島事故があったのに、再稼働を推進している。
韓国でも市民運動出身の朴元淳(パク・ウォンスン)市長が自然エネルギーを推進し、70余りの市民団体が原発1号機の閉鎖運動をしている。日中韓の脱原発の連帯を強め、安全な東アジアをつくろう。
ノーモア・ヒロシマ! ノーモア・ナガサキ! ノーモア・フクシマ!
●落合恵子さん(作家・呼びかけ人)
今日を初めの一歩とし、永遠に世界中から原発をなくそう。いまも16万人もの人が家に帰れない。
ここからすべてが始まる。わたしたちは核廃棄物の処理方法も安全管理方法ももたずに、この現実のなかにいる。歴代政権は生存権を脅かし続けてきた。5月5日の原発ゼロを歓迎し、ここから再び一歩を踏み出そう。電力不足というまやかしの数字には、もうだまされない。原発の存在そのものを、これ以上のテロはない、とわたしは位置づけている。
このほか、澤地久枝さん(作家・呼びかけ人)、神田香織さん(講談師・賛同人)のスピーチがあった。
司会の猿田さんから、アメリカでのエピソードが紹介された。ドイツの国防大臣に会う機会があった。「いま福島はこうなっている。政府は再稼働を進めようとしている」と説明したら「なぜあんなひどい被害にあったのに、日本の政府は原発をまだ続けようとしているのか。ドイツでは全然考えられない。意味がわからない」と言われた。原発はけして世界標準ではない。
☆原発いらない福島の女たちが舞台に登場し、経産省前でやっている「かんしょ踊り」を説明した。会津で苛酷な年貢の取り立てに対する民衆の怒りが表現された踊りだそうだ。また原発は、「止まったのではない、止めたのだ」と強調した。
☆集会のあと、五月晴れのもと、神谷町、赤羽橋を経て浜松町、芝離宮へと向かうデモ隊が出発した。
デモ隊の右にはウヨクの街宣車が並ぶ
この日23時ごろ、ついに日本全国54基の原発すべてが止まった。空は快晴、原発ゼロは日本の子どもたちに最高の贈り物になった。
生田卍さんのオープニングコンサートは、「キャベツ」「地球は愛」「ただ頬よせて」「水門を開けにいこう」の4曲だった。司会の猿田佐世さん〈弁護士)は5年間アメリカに留学し4月に帰国したばかりだという。スピーチは主催者を代表し鎌田慧さんから始まった。
●鎌田慧さん(ルポライター/呼びかけ人)
今日、いよいよ日本の原発54基がすべて止まる瞬間を迎えた。しかしこの日を待たず鬼籍に入った人も多い。六ヶ所村も伊方も柏崎も川内もそうだ。この人たちの思いも今日共有する。
この集会を『原発ゼロの日 さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会』と名付けた。脱原発目指し力強く歩んでいく。この思いを政府にたたきつければ、必ず政策は変えられる。原発から絶対に脱却しよう。
●内橋克人さん(経済評論家/呼びかけ人)
泊3号原発は今日の17時に出力を下げ始め、23時に核分裂反応が完全に停止する。そして日本の原発依存エネルギーはゼロになる。おめでとうございます。昨年このような状態を「日本人の集団自殺」と表現した人がいた。しかしなんの破綻もおきていない。
注意すべきは、原発稼働停止が新たな原発立国への準備であることだ。つまり再稼働の準備、すなわち炉心やタービン、非常用発電機の点検と核燃料の1/4を取り換え、3.11の前の状態に立ち戻らせる入念な準備なのだ。このことを心に留めておいてほしい。この日を持続可能にする、原発ゼロを永続するように進めていかないといかない。
原発がないと生きていけないとか、暮らしていけないような社会や政治のあり方は変えないと、本当の意味の原発ゼロの日はやってこない。これからわたしたちの運動が始まる。
●古今亭菊千代さん(落語家・賛同人)
この会場に来る前に、有楽町駅前で脱原発1000万人署名を集めてきた。なかにはそっぽを向く人や「特別な運動」と思っている人もいる。新聞やテレビは脱原発運動を報道しない。マスコミにはもう期待しない。マスコミより口コミで、世間話をするように大きな声で「原発いらない」といっていこう。この会場に来るような人はもうわかっている。
いま「ゲンパチ」と「カクさん」を悪者にして、新作をつくっている。しかしどうもオチができない。楽しく笑えるオチをつくれる世の中にしましょう。
●長田秀樹さん(北海道平和運動フォーラム事務局長)
今日泊3号機が止まる。泊が止まる、これはシャレではない。
泊原発には3つの問題点がある。一つ目は位置だ。泊は北海道の西の端にあるが北海道の冬は西風が強い。事故が起これば70キロ圏内の札幌その他に被害が広がる。農業、水産業、林業、観光業は壊滅的になる。
また泊で事故が起きると、近隣住民はいったん原発に向かって避難しないといけない。信じられないだろうが、国道に出るには原発に向かって歩くしかないのだ。
二つ目は、北電の甘い姿勢だ。泊には164キロの活断層が走っている。しかし北電は81キロだと言い張った。福島、滋賀、京都の知事は再稼働に慎重な姿勢を示している。これに対し北海道の高橋はるみ知事は、国に判断を「丸投げ」している。経産省OBなので「当然」なのだろう。また北海道出身ではないので知事に道民の命を守る感覚は見られない。
北海道でも、独自に「「さようなら原発」一千万署名」を進めている。呼びかけ人には倉本聰さんや雨宮処凛さんがいる。北海道は風力発電はじめ自然エネルギーの宝庫だ。だから原発ゼロをめざす。枝野経産相は「一瞬原発ゼロになる」と述べた。「一瞬ではなく一生ゼロ」をめざし、今後も連携して闘おう!
●山口幸夫さん(原子力資料情報室共同代表)
原子力ムラをどう壊すかが最大の問題だ。50年間原始力ムラの専門家は固い団結を誇っている。3.11が起きてある保安院の課長は「時間に期限をつけず話し合う」といった。11人の委員のうち2人は風穴をあけようと努力した。しかし斑目委員会は大飯3,4号機の再稼働にOKを下した。反省はまったくなく、なにも変わっていない。4月1日になっても原子力規制庁もできていない。日本の民衆運動がきちんと批判し、監視するしか日本の未来はない。原発を廃止し新しい社会システムをつくり出すため、全国の人びとと力を尽くそう。
●チェヨルさん(韓国・環境財団代表)
政府は国民の財産と安全を守るためにあると思う。しかし日本政府は福島事故があったのに、再稼働を推進している。
韓国でも市民運動出身の朴元淳(パク・ウォンスン)市長が自然エネルギーを推進し、70余りの市民団体が原発1号機の閉鎖運動をしている。日中韓の脱原発の連帯を強め、安全な東アジアをつくろう。
ノーモア・ヒロシマ! ノーモア・ナガサキ! ノーモア・フクシマ!
●落合恵子さん(作家・呼びかけ人)
今日を初めの一歩とし、永遠に世界中から原発をなくそう。いまも16万人もの人が家に帰れない。
ここからすべてが始まる。わたしたちは核廃棄物の処理方法も安全管理方法ももたずに、この現実のなかにいる。歴代政権は生存権を脅かし続けてきた。5月5日の原発ゼロを歓迎し、ここから再び一歩を踏み出そう。電力不足というまやかしの数字には、もうだまされない。原発の存在そのものを、これ以上のテロはない、とわたしは位置づけている。
このほか、澤地久枝さん(作家・呼びかけ人)、神田香織さん(講談師・賛同人)のスピーチがあった。
司会の猿田さんから、アメリカでのエピソードが紹介された。ドイツの国防大臣に会う機会があった。「いま福島はこうなっている。政府は再稼働を進めようとしている」と説明したら「なぜあんなひどい被害にあったのに、日本の政府は原発をまだ続けようとしているのか。ドイツでは全然考えられない。意味がわからない」と言われた。原発はけして世界標準ではない。
☆原発いらない福島の女たちが舞台に登場し、経産省前でやっている「かんしょ踊り」を説明した。会津で苛酷な年貢の取り立てに対する民衆の怒りが表現された踊りだそうだ。また原発は、「止まったのではない、止めたのだ」と強調した。
☆集会のあと、五月晴れのもと、神谷町、赤羽橋を経て浜松町、芝離宮へと向かうデモ隊が出発した。
デモ隊の右にはウヨクの街宣車が並ぶ