日本一強気な立飲み居酒屋が勝どきにある。料理の単価は1100円から2500円で16種類のみ、アルコールもビール、酒、ハイボールの3種類しかない。それなのに店外に行列ができることもある。
この店に初めて行ったのは金曜か土曜の19時半ごろ、もうラストオーダーが終わったとのことだった。普通の店は17時ころ開店、週末は24時とか25時閉店のことが多いので、驚いた。勝ちどき橋を渡り200mほどのところにあるかねますである。
初めて入れたのは2016年8月だったので、3年半ぶりの再訪である。そのときは牛にこみとまぐろのなかおち、酒2杯ほどでお勘定は4000円くらいだった。わりに量が多かったので、この店は2人以上で来て料理をシェアしたほうがよいと思った。しかし何度か足を運んだが、この店がいつ営業しているのか、営業日と営業時間の見当がつかず、誘うに誘えなかった。こうなれば1人でも行こうと思い、営業日はどうやら火・木・土ではないかと推測した。ところが先週土曜の16時ごろに行くと店は閉まっていた。
そして火曜に再チャレンジして、16時すぎにめでたく入店できた。きれいな木の直線カウンターが1本のみ(厳密にいうと店の入り口部分のみエル字になっていて1人立つことができる。わたくしが入ったときは先客が10人くらい、あと2-3人入れそうだった。
メニューは、生うに牛巻2500円、カニサラダ、ふぐ白子フカヒレむし、伊勢エビグラタン各2400円、ボタンエビさしみ、金目なめろうなど各2100円、なかおち、ぬた、ビーフコロッケなど各1700円、小柱のり巻き込み、生ゆば各1400円、牛にこみ1100円など、合計16種類で高価格ぞろいである(例外的にプリン(イチゴ)500円もあった)。強気な設定だ。
アルコールもビール、酒、ハイボールの3種類のみ、焼酎やワインはない(ひょっとするとホッピーがあるのかも)。メニューリストはなかったが、逆算すると、たぶん1杯800円のようだ。
なお、メニューは定番というわけではないようで、前回は玉子サンドがあった。だし巻き卵をグルリとパンで包んだものだったと思うが、大きくてとてもうまそうにみえた。
今回は、店の人気メニューである生うに牛巻と生ゆばを注文した。
うには4個、うにより牛肉の味覚の印象が強かった。もちろん生臭くなく、うまい牛肉だった。牛肉は焼くか炙るかなにか加工しているようだったが、うまい牛肉はやはりうまいことがわかった。また(食べログの)どなたかの投稿記事にあったように大葉もじつにおいしいことがわかった。
メニューの名は「生ゆば」で、わたくしは関西出身なので、ゆばそのものは見当がつく。ゆばの刺身でも出てくるのかと思ったら、シイタケ、エビ、南瓜、さやえんどうなども入っていて色目もきれいで割烹料理のような立派なものがでてきた。とろみがうまい。たぶん出汁と片栗粉の量を得もいわれぬ配分でつくっているのだろう。料亭の味だった。
あとで写真をみると2品ともわさびの量がかなり多い。緑の色どりということも考慮しているのかもしれない。
飲みものは、本日は酒(常温)とハイボール各1のつもりだったが、たまたま隣席の方と話がはずみ、ハイボール2になった。
左の隣席の方は、月島在住の高齢女性、10年くらい前に都下から転入されたという話だったので、てっきりここから近い入居料1億円クラスの高級高齢者住宅サンシティ銀座EAST在住の方かと思ったが、そうではないとのことだった。この方の話では、開店時間はどうやら平日は15時、土曜が11時オープン、閉まるのは料理がなくなった時間ということで、営業時間は3-4時間のことが多く、火・木・土以外に金曜もたいてい開いているとのだった。
先代のマスターが、店外に行列ができるのがあまり好きではなく、そのためどんどん開店時間が早まったそうだ。たしかに前回行ったときは行列があったが、店の方が、通行客にに迷惑にならぬよう、列は店に沿って並んでほしい、と案内していた覚えがある。そのときは客がたくさん並んでいれば早く開店するので、開店時間は不定だと言っていた記憶がある。
行列のできる立飲み居酒屋(写真は2018年のもの)。意外に若い人が多い。
このあと、店に沿って並ぶよう並び方向を変えた
この日、わたしが入店した4時すぎには、ビーフコロッケや金目なめろうはすでに売切れだった。話によると金目は(この日は材料の関係なのか)もともと1人前しか作っていないとのことだった。
右の隣席は門前仲町から初めて来たという青年だった。日本酒が好きだということで、類は友を呼ぶというべきか。門仲のうまい立ち飲み屋を教えていただいた。店の方には失礼な話だが、二人とも料理をつくるだけで本当に忙しそうなので、そんなこともできる。
なかおち
この店は勝どきビュータワーというタワーマンションの1階、晴海通りに面しスーパー・デリド、中華料理店、炭火焼の料理屋、焼肉店、クリーニング店などが並ぶ一角にある。2010年竣工の建物なのでまだ10年だが、店そのものは1959年創業というので60年を超える。もともとこの場所にあったようなので、地権者の方なのだろう。元の地権者は優先的にこの建物に入居できるという話を聞いたことがある。いまは2代目の息子さんがマスターで、かっぽう料理店で修業してきた方らしい。本当は営業日・時間にせよ、店の方にお聞きしたかったのだが、前記のように2人ともお忙しそうでそんな余裕はなさそうだった。
ジャンルとしては、わたくしが行った店のなかでは、北千住の立飲み居酒屋・徳多和良に近いように思う。売上=客単価×人数なので、人気店の徳多和良は制限時間を決めて、客の回転を増やす方針だった。かねますは単価を上げて人数を調整する戦略のようだ。日本一強気な立飲み居酒屋だ。
わたくしにとってはかなり高価格の店だが、なぜか若いカップルが多い。どうしてこんなに早く来られるのかと思ったが、仕事の都合で平日休みの人もいるのだろう。この日は、仕事帰りと思われるスーツの男性3人グループもいた。
かねます
住所:東京都中央区勝どき1-8-1 勝どきビュータワー 1F
営業:記事を参照
●アンダーラインの語句にはリンクを貼ってあります。
この店に初めて行ったのは金曜か土曜の19時半ごろ、もうラストオーダーが終わったとのことだった。普通の店は17時ころ開店、週末は24時とか25時閉店のことが多いので、驚いた。勝ちどき橋を渡り200mほどのところにあるかねますである。
初めて入れたのは2016年8月だったので、3年半ぶりの再訪である。そのときは牛にこみとまぐろのなかおち、酒2杯ほどでお勘定は4000円くらいだった。わりに量が多かったので、この店は2人以上で来て料理をシェアしたほうがよいと思った。しかし何度か足を運んだが、この店がいつ営業しているのか、営業日と営業時間の見当がつかず、誘うに誘えなかった。こうなれば1人でも行こうと思い、営業日はどうやら火・木・土ではないかと推測した。ところが先週土曜の16時ごろに行くと店は閉まっていた。
そして火曜に再チャレンジして、16時すぎにめでたく入店できた。きれいな木の直線カウンターが1本のみ(厳密にいうと店の入り口部分のみエル字になっていて1人立つことができる。わたくしが入ったときは先客が10人くらい、あと2-3人入れそうだった。
メニューは、生うに牛巻2500円、カニサラダ、ふぐ白子フカヒレむし、伊勢エビグラタン各2400円、ボタンエビさしみ、金目なめろうなど各2100円、なかおち、ぬた、ビーフコロッケなど各1700円、小柱のり巻き込み、生ゆば各1400円、牛にこみ1100円など、合計16種類で高価格ぞろいである(例外的にプリン(イチゴ)500円もあった)。強気な設定だ。
アルコールもビール、酒、ハイボールの3種類のみ、焼酎やワインはない(ひょっとするとホッピーがあるのかも)。メニューリストはなかったが、逆算すると、たぶん1杯800円のようだ。
なお、メニューは定番というわけではないようで、前回は玉子サンドがあった。だし巻き卵をグルリとパンで包んだものだったと思うが、大きくてとてもうまそうにみえた。
今回は、店の人気メニューである生うに牛巻と生ゆばを注文した。
うには4個、うにより牛肉の味覚の印象が強かった。もちろん生臭くなく、うまい牛肉だった。牛肉は焼くか炙るかなにか加工しているようだったが、うまい牛肉はやはりうまいことがわかった。また(食べログの)どなたかの投稿記事にあったように大葉もじつにおいしいことがわかった。
メニューの名は「生ゆば」で、わたくしは関西出身なので、ゆばそのものは見当がつく。ゆばの刺身でも出てくるのかと思ったら、シイタケ、エビ、南瓜、さやえんどうなども入っていて色目もきれいで割烹料理のような立派なものがでてきた。とろみがうまい。たぶん出汁と片栗粉の量を得もいわれぬ配分でつくっているのだろう。料亭の味だった。
あとで写真をみると2品ともわさびの量がかなり多い。緑の色どりということも考慮しているのかもしれない。
飲みものは、本日は酒(常温)とハイボール各1のつもりだったが、たまたま隣席の方と話がはずみ、ハイボール2になった。
左の隣席の方は、月島在住の高齢女性、10年くらい前に都下から転入されたという話だったので、てっきりここから近い入居料1億円クラスの高級高齢者住宅サンシティ銀座EAST在住の方かと思ったが、そうではないとのことだった。この方の話では、開店時間はどうやら平日は15時、土曜が11時オープン、閉まるのは料理がなくなった時間ということで、営業時間は3-4時間のことが多く、火・木・土以外に金曜もたいてい開いているとのだった。
先代のマスターが、店外に行列ができるのがあまり好きではなく、そのためどんどん開店時間が早まったそうだ。たしかに前回行ったときは行列があったが、店の方が、通行客にに迷惑にならぬよう、列は店に沿って並んでほしい、と案内していた覚えがある。そのときは客がたくさん並んでいれば早く開店するので、開店時間は不定だと言っていた記憶がある。
行列のできる立飲み居酒屋(写真は2018年のもの)。意外に若い人が多い。
このあと、店に沿って並ぶよう並び方向を変えた
この日、わたしが入店した4時すぎには、ビーフコロッケや金目なめろうはすでに売切れだった。話によると金目は(この日は材料の関係なのか)もともと1人前しか作っていないとのことだった。
右の隣席は門前仲町から初めて来たという青年だった。日本酒が好きだということで、類は友を呼ぶというべきか。門仲のうまい立ち飲み屋を教えていただいた。店の方には失礼な話だが、二人とも料理をつくるだけで本当に忙しそうなので、そんなこともできる。
なかおち
この店は勝どきビュータワーというタワーマンションの1階、晴海通りに面しスーパー・デリド、中華料理店、炭火焼の料理屋、焼肉店、クリーニング店などが並ぶ一角にある。2010年竣工の建物なのでまだ10年だが、店そのものは1959年創業というので60年を超える。もともとこの場所にあったようなので、地権者の方なのだろう。元の地権者は優先的にこの建物に入居できるという話を聞いたことがある。いまは2代目の息子さんがマスターで、かっぽう料理店で修業してきた方らしい。本当は営業日・時間にせよ、店の方にお聞きしたかったのだが、前記のように2人ともお忙しそうでそんな余裕はなさそうだった。
ジャンルとしては、わたくしが行った店のなかでは、北千住の立飲み居酒屋・徳多和良に近いように思う。売上=客単価×人数なので、人気店の徳多和良は制限時間を決めて、客の回転を増やす方針だった。かねますは単価を上げて人数を調整する戦略のようだ。日本一強気な立飲み居酒屋だ。
わたくしにとってはかなり高価格の店だが、なぜか若いカップルが多い。どうしてこんなに早く来られるのかと思ったが、仕事の都合で平日休みの人もいるのだろう。この日は、仕事帰りと思われるスーツの男性3人グループもいた。
かねます
住所:東京都中央区勝どき1-8-1 勝どきビュータワー 1F
営業:記事を参照
●アンダーラインの語句にはリンクを貼ってあります。