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集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

吹奏楽の夏

2009年07月21日 | 日記
7月19日(日)日比谷公会堂で吹奏楽祭「2009マーチ&ポップス・イン・HIBIYA」が開催された(主催 東京都吹奏楽連盟)。都吹連加盟の小学校・中学校・高校・大学・職場・一般の各部会の団体、多くは昨年のコンクールの入賞団体で、全部で9団体による、親しみやすい曲目のコンサートだった。

わたくしがこの種の吹奏楽のコンサートに行くのはじつに40年ぶりである。演奏しているのは当然、高校生以下の若い人が多い。そのなかでわたしが注目したのは職場合同バンドだった。このバンドは加盟14団体のうちNTT東日本、ソニー、東芝府中など11団体65人の混成バンドで、アナウンスによれば「年季と気合い、そして長年飲み会で培ったチームワーク」で合わせている、とのことだった。パーカッションのなかに、白のTシャツ、赤のジャージ、頭に白タオルをまいた人がいた。楽器を舞台にセットいるときは楽器運搬業者の方かと思った。またクラリネットなどいくつかのパートには髪が薄い方もおられた。
演奏した曲は3曲、1曲目は團伊久磨の「祝典行進曲」だった。マーチ&ポップスのコンサートなので、スーザの「雷神」「士官候補生」などなつかしい曲もあったが、「祝典行進曲」を聞くのはCDも含めじつに40年ぶりだった。この曲はいまから50年前の皇太子夫妻結婚パレードのために作曲され、64年の東京オリンピックでも演奏された(古関裕而のオリンピックマーチだけではないのである)。とくにトリオの部分がなつかしかった。なぜか、演奏している方が30年前の少年少女に見えてきた。
2曲目はC.マンジョーネ(岩井直溥編曲)の「サンチェスの子供たち」、指揮者の松尾崇氏自らフリューゲルホルンのソロを担当し、じつにうまかった。サックスとの掛け合いがあったがサックス奏者もとてもいい音を出していた。3曲目は東海林修「ディスコ・キッド」、いまから32年前のコンクールの課題曲だった。  

駒澤大学吹奏楽部はカラーガード8人を含めてみごとなステージドリルをみせてくれた。一糸乱れず入場し、観客席も使って展開し、そしてまた「聖者の行進」で一糸乱れず退場していった。歩き方、身のこなし方もすばらしかった。みていると迫力やパワーは男性が上だが、足さばきなどは女性のほうがきれいにみえた。40人足らずの編成だが、集中したサウンドはすごい迫力だった。曲芸のようなスーザフォンのぶん回しもあり、喝采を浴びていた。コンクールでも金賞の常連ということなので、クラシックなど普通のコンサートバンドとしてもきっと上手なのだろうと思う。

リヴィエール吹奏楽団は2006年発足ということなのでまだ4年目だが、2年目の07年から東京代表になっている優秀なバンドである。比較的編成が小さいからか、コンサートマーチ「ブロックM」では弦バスの音が、ベニーグッドマン・メドレー(岩井直溥編曲)ではクラリネットのソロに対するチューバの伴奏がはっきり聞こえた。とてもバランスのよいバンドだと思った。

潤徳女子高が「アイドルde GO! Vol.3 日比谷ヴァージョン」というメドレーを、寸劇付きで演奏した。いまの高校生にとってアイドルとはどんな人かと、興味津々でながめていたら、フィンガー5「学園天国」(1974年)、松田聖子「赤いスイートピー」(1982年)、ピンクレディ「ペッパー警部」(1976)、その他山口百恵など、30年前の曲が多かった。また小学校合同バンド(10校)が「アタックNo.1」をやっていた。放映されたのは1969-71年なので、リアルタイムでみていたのはひょっとするとこの子たちのおばあちゃん世代かもしれない。
変わらぬ曲を演奏してくれるのはうれしいような、一方で時代が停滞しているような複雑な気持ちだった。

会場の外に出ると、隣の野音では「結成40周年記念! 山下洋輔トリオ復活祭」の準備をしていた。また日比谷図書館は今年の3月末で休館し、2011年春、区立図書館として改装オープンする予定である。この図書館に足繁く通ったのは30年前のことだが。10年前まではときどき足を運んだ。吹奏楽の演奏曲目のように変わらないものもあるが、変わるものは多い。そんなことを実感した1日だった。

☆わたくしが高校生のころ、榛名湖畔でサマー・ミュージック・キャンプが開催されていた。山本正人さん(トロンボーン&指揮)など東京芸大系の先生がたくさん参加されていた。サックスは坂口新(芸大)、石渡悠史(国立)、須田寔(武蔵野音大)の各先生だった。上級クラスはそれこそ芸大受験をめざすようなレベルの人がいた。同室の人は茨城、松本、黒部、千葉などの人たちだった。吹奏楽だけやるのではなく、全員合唱でシューマンの「流浪の民」を歌った覚えがある。美少女もいた。
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