計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

金融資産の組合せ・ポートフォリオ

2017年10月18日 | 経済・金融気象分野

 資産運用の際は、様々な金融資産を組み合わせて保有することが多いわけですが、この金融資産の組合せ(構成)を「ポートフォリオ」を言います。ここでは簡単のため、2種類の金融資産AとBの場合を考えてみます。

 金融資産AはリターンがμA,リスクはσAであり、金融資産BはリターンがμB,リスクはσBであるとします。この両者のバランスに応じて、ポートフォリオは変わります。いま、リスクσを横軸、リターンμを縦軸にとってグラフを描いています。


 金融資産Aが100%のポートフォリオは(σAA)、金融資産Bが100%のポートフォリオは(σBB)となります。そして、この2点を端点とする曲線(線分)ABが、2種類の金融資産AとBを任意の割合で組み合わせたポートフォリオの集合です。

 ここで、左側に凸となる頂点に相当するポートフォリオは、最もリスク(標準偏差=分散の平方根)が少ないことから、「最小分散ポートフォリオ」と呼ばれています。

 また、最小分散ポートフォリオよりも上側の部分を有効フロンティアと言います。同じリスクに対して、より大きなリターンを見込める(=有効である)ということです。


 それでは、2種類の金融資産AとBの最適なポートフォリオはどのようにして決まるのか、について考えてみます。新たに、リターンがr,リスクは0の無リスク資産を仮定します。リスクを取らなくても、既にrのリターンが得られるという条件です。


 この無リスク資産(0,r)から、有効フロンティアに向かって接線を引きます。この時の接点に相当するポートフォリオ(σMM)が最適な組合わせとされています。

 また、接線の傾きをリスクの市場価格λと言います。もともと、リスクを冒さずしてrのリターンが得られるのに、敢えてσだけのリスクを冒すことで、μ-rだけリターンを上乗せすることが出来る、という意味です。冒すリスクに対して、どれだけの追加リターンが期待できるか、の指標です。


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