◎セラピー(精神療法)と求道冥想と価値観操作
SNSでは、冥想には種類がありすぎて、よくわからないという声が上がっている。
まず冥想の分類を考える上で基本は、個々の冥想は、単一テクニック、単一冥想だけであることはほとんどなく、例えば最もシンプルなテクニックであるとされる只管打坐ですら、専門道場においては、只管打坐、読経、経行、作務、食事作法、トイレ作法、公案など複数の冥想法の組み合わせである。
このように冥想は、一般には複数のテクニックの集合の呼称である(メディテーション・コンプレックス)。
それを踏まえて、現代冥想を二分類すれば、悟りを目指さないセラピー(精神療法)と、悟りを目指す求道冥想となる。
1.悟りを目指さないセラピー(精神療法)のいろいろ
個々のテクニックについては、ライヒ系、OSHOバグワン系、心理学者のC.G.ユング系が多い。そうした技法を大真面目に実践し、資金も出し研究してきた、ビッグサーのエサレン研究所のような組織が継続できていることがアメリカの良心であり、人類の良心であり、日本の因習的な環境にはない部分であると思う。
だが日本は、神国としての伝統的ライフスタイルがあり、日本人は神に仕える民族であり、外人は神に祈る民族である(出口王仁三郎)という、潜在的基盤がある。だがいまやそういう惟神(かむながら)精神は、拝金と物質欲で風前の灯となっている。
セラピーが悟りを目指さないままでは、審神者のいないチャネリングの如きものにとどまる。
(1)肉体やエーテル体関連
ボディ・ワーク。体をほぐしたり、ブロックをとったり。呼吸法もあり。
具体的には、以下。
アレクサンダー・テクニック(F.M.アレクサンダー)
フェルデンクライス・メソッド(フェルデンクライス身体訓練法)
センサリー・アウェアネス(チャールズ・ブルックス)
ライヒアン・セラピー(W.ライヒ)
バイオエナジェティックス(アレクサンダー・ローウェン/ライヒの弟子)
バイオシンセシス (デイビッド・ボウデラ/ライヒ系)
マッサージ
ロルフィング(呼吸法の一種)
リバランシング(和尚)
ポラリティ(ランドルフ・ストーン)
フォーカシング (ユージン・ジェンドリン)
カラーパンクチャー(ピーター・マンデル)
センタリング
整体
(2)呼吸法関連
リバーシング(レオナルド・オー)
ホロトロピック・セラピー(スタニスラフ・グロフ)
(3)心理学関連
プロセス指向心理学(アーノルド・ミンデル)
ゲシュタルト・セラピー(フリッツ・パールズ、ローラ・パールズ)
プライマル・セラピー(アーサー・ヤノフ)
ヒプノセラピー(催眠術)
サイコシンセシス(ロベルト・アサジオリ)
(4)イメージ、価値観、観想
ソマグラム (スタンリー・ケルマン)
ポジティブシンキング(観想法)
アクティブ・イマジネーション(C.G.ユング)
箱庭療法(C.G.ユング)
(5)芸術活動、芸能活動
アート・セラピー
ダンス・セラピー
ミュージック・セラピー
(参照:精神療法と瞑想 心を解くセラピー&メディテーションガイダンス 宝島編集部/編 JICC出版局)
(続く)