◎非二元、ノンデュアリティだけでは
(2016-03-09)
最近覚醒剤で逮捕された野球の○○選手は、かつては金も名声も地位も得た世間的には十全の成功を成し遂げた稀有な人物だった。
世間一般では、世俗の栄耀栄華を極めれば万事問題なしだと言われている。しかし真相はそうではない。どんなに成功しても、権力を得ても、家庭のこと、健康のこと、自分の老化は防げないこと、何より自分の孤独であることなどは、解消などするものではない。
要するに世俗の面での成功は、本当の幸福とは何の関係もない。人格ですら本当の幸福とは何の関係もない。何より世の中での成功は、意識と何も関係がない。
世間で成功した人々は、一般にいわばとんでもなくわがままで負けん気の強い奴らなのだ。そうした人物で人当たりの良いのは、学習効果であり、そうした牙を表に出さないのがうまいだけとも言える。
そこで悟ったと言われる人を見れば、人間のあらゆる実感を通過した人間である。覚者も一旦は、世俗での大成功の何たるかを知ったことがあるのだ。そんなわがままで鼻つまみな時期を経過してきたのだ。
先入観なくみれば、釈迦が王族に生まれ、道元・親鸞・一休が貴族の係累に生まれたというのも、そうした流れとは無縁ではあるまい。
そうした個人の成功への思いの先に、初めて非二元、ノンデュアリティが問題となる。そうした思いが吹っ切れた人だけが、非二元、ノンデュアリティを課題とした冥想に取り組める。またその人の体質、気質、カルマを踏まえた冥想というのがあるので、その意味で正師は、それを呈示し得る師だけが正師となる。
非二元とは、ニルヴァーナのことを言っているつもりだろうが、両性具有を経過した先でもある。
※両性具有の意味は、男女という極く限定的な意味ではなく、光と闇、天国と地獄、善と悪、天と地、太陽と月、陰と陽、快楽と苦悩、欲求と嫌悪、快と不快、寒と暑、貴と賤、聖と俗というようなあらゆる反対物の一致という意味。