◎闇路に闇路を踏みそえて
(2019-06-18)
ネコノミクス宣言は、猫好きによる猫好きのための猫好き本ではない。
昔から不思議だ、どうなっているんだろうと疑問を持っていたことが、大体わかるような内容の本であった。アングラ・マネーの流れと共にその売買対象は、人身売買、臓器売買、麻薬、兵器などまさに何でもありの世界であり、決済方法として仮想通貨も出て来て、他方パナマ文書みたいにモノと金の流通が俯瞰できるものが登場してきており、事実は小説よりも奇なりと言うが、現実の世界は、地獄も地獄、阿鼻叫喚みたいなことが行われているのがこの21世紀だと目からうろこを落としてもらった思いである。
アングラ・マネーの世界では、マフィアが要所要所で介在し、さらにいわゆる決済・トラブルのケツモチや後ろ盾あるいは、プレイヤーは国家そのものだったりする。
この問題のある売買対象物と決済手段が混然一体となって、「一つながり」のものになっているのは皮肉なことである。
それと、ユーロマネーを中心とする国際金融市場はそれ自体が、タックス・ヘイブンのようなものだが、英領にはかつて香港があり、バージン諸島があるようにアメリカには、デラウェア州があり、パナマがありと、タックス・ヘイブンのようものは、世界に散在している。スイスは一見守秘義務に守られた固い国だが実は緩いとか、国際政治の綾の中で、マスコミ報道とか社会常識とされるフェイク知識を越えた現実が、真の現実なのだと改めて感じさせられた。
テクノロジーはそれを用いる者の善悪は問わない。GAFA(Google,Apple,facebook,Amazon)の問題は、こうしたあらゆる問題の集大成でもあるとも感じられる。
アングラ・マネーとは、脱税資金のことだが、日本では、どうしても反社会の方に目が行きがちだが、反社会でなくても堅気の脱税も本来アングラ・マネー。
国際的なモノの移動は、合法的に移動させねばならないが、国際的に信用されている組織がアングラのモノを移動させているという話も書いてあった。事実とすれば、OSHOバグワンが、マザー・テレサのことを唐突に批判していたのだが、その辺の情報を知っていたのかもしれない。
こういう本が出てきて全貌がわかるようになるということは一連のそうした体系は終わりだということでもある。
中国、北朝鮮の人権状況はひどいと聞くが、南インド、カンボジア、フランスの状況はもっと怖いとは恐れ入った。
闇路に闇路を踏みそえて いつか生死を離るべき(白隠禅師坐禅和讃)
『白狐。
所詮、おまえの神通力も、
愛の代用品に過ぎない。
そして、
いかなる愛も愛情も不安な灰色と化した時、
ホワイト・フォックス
おまえに一体、
何ができよう。
快適で豊富なる暮らしの神。
聖なるマンモン。
白狐。
もう、
おれは、
おまえについて、
どんな判断もしやしない!』
(ダンテス・ダイジの老子狂言から引用)