◎地震兵器とみんなが悟る時代
二種類の人工地震について、出口王仁三郎が予言している。
一つは巨大地震が起こると時々噂になる地震兵器による人工地震。これは、とある国が地震兵器のスイッチを押しさえすれば地震が起こるわけではなく、神様が認めないと起きはしない。
関東大震災後まもなく詠んだ歌。
関東の地震に勝る人造の
地震治むる神の権力
〈霊界物語第37巻十章/出口王仁三郎〉
地震兵器で関東大震災以上の地震を起こそうとする勢力もあるが、神様が止める。
なお人工地震と言えば、核実験等の原因による人工地震も学会では知られている。
もう一つは、世の中に段々と神を知る悟った人が増えて来て、既成宗教に批判が猛烈に強まる時期がある。その既成宗教側の動揺を人工地震と呼んでいる。
これは、大正時代にそんなことを言ってもまずわかる人はいないので、とてもあっさりと記述されている。
悟った人が増えて、既成宗教に今まで馬鹿にされていたということで、宗教反対論を大勢で繰り広げるなど、どんどん風当たりが強くなって、まるで地震のようだということ。既成宗教のシンボルである聖なる壺も、人工地震が起きると割れてしまう。
そんなことは、今は夢想だにできないが。
出口王仁三郎の裁判記録。問が裁判長、答が出口王仁三郎。
『●争点 霊界物語の第三十八巻の歌「千歳経し…」
問 昭和八年四月十日、霊界物語の三十八巻の第四版を発行するに当つて、其の九十四頁に、
千歳経し聖の壷も地震の
荒ひに逢はゞもろく破れむ
つがの木の弥つぎつぎに伝はりて
宝の壷もひゞぞ入りぬる
是はどうぢや。
答 是は、前にも申上げてあるから、或は二重になるかも知れませぬが、又申上げますが、仏教が渡来してから千年以上になります。「千歳経し聖」と云ふことは基督教にもあります、聖徒と書いてひじりと読まして居る。総て仏教では坊さんを皆な聖と云ふのです、此の問言ひましたやうに、
初雪や高野聖の笈の色
詰り、坊主のこと、兼好法師の徒然草には、京都の「しんせい」院に坊主が居つて、其の和尚が木餌上人やと言うて居つたのに、それはおかしいと思うて、木の葉ばかり食つて居るのに不思議やと思うて、小坊主が床下を見たら、さうしたら、米の糞があつたから、是は「こくむそう」聖やと云ふことが書いてありますが、それで聖と云ふことは予審や何かで陛下のことのやうに言はれ、さう云ふ意味に取られましたけれども、是は決してさうでない、仏教の坊さん或は基督教の宣教師などを皆聖と云ふのでありまして、「聖の壷」と云ふことから、……壷は総ての局部です、仏教を統一する所ならば──真言宗なら真言宗は高野山とか、或は天台宗は叡山とか、其処の房は総て局と云ふ、局は都房とも言ひ、漢字で本当の壷を書いたので……。
問 地震は何だ。
答 地震と云ふことで、是は本当の……。
問 房と云ふのは局と云ふのか。
答 詰り教務所みたいのものです、宗教を本当に統括する所……。
問 教務所がどうしたと云ふのか──。
答 ……のやうなものです、総括するやうな意味です。
それが、「壷も地震」と云ふたらば、地震の意味ですが、信者が目覚めて来て、今日迄の所は、坊主が巧いことを言うて善男善女を弄らかして、甘い汁を吸ふたりして居るけれども、段々文明の世の中が進んで来て、若い者──今日の若い者が進歩して真理を悟つて来ると、今迄馬鹿にして居つたと云ふので、皆一緒くたになつて宗教反対論を唱へて来ることは、是は人造地震です。
其の地震が揺れば、直ぐに破れてしまふと云ふ、皆が悟つて来たら直ぐに駄目になると云ふことを言うたのであります。
其の意味を書いたのであります。
問 其の次は「つがの木の云々」は。
答 それも同じやうな意味で、是は、私が丸山貫長と云ふ人に依つて──「つがの木」は「つぎつぎ」と云ふことの枕言葉で、「つがの木の弥つぎつぎに」と云ふのは、是は真言宗の坊さんの丸山貫長と云ふ人に聴いたのですが、「千年余りも高野山は伝つて来たが、併し、其の当時には高野山にも仏法僧と云ふ鳥が居つて、仏と法と僧と鳴いて、三宝鳥と言つて三つの宝の鳥が居つて仏法僧と鳴いた。処が今日は坊主が女を置いたり、高野山の女禁制の山に向つて上げたり色々なことをして穢れ切つて居るので、それで仏法は動かないが僧──一つの宝、それに罅が入つてしまつた」と云ふのです。
それで、千年も続いて来たのが、今日は斯う云ふ具合に仏教にも罅が入つて来たと云ふ意味です。
問 仏教のことを言ふのか、高野山のか──。
答 高野山の……丸山貫長が高野山の話をして、「仏教がさう云ふやうになつて居る」と云ふのです。
それは丸山貫長の話に依つて作つた歌です。』
(大本史料集成 3 第2部 第二次事件関係 第2章 裁判所資料 第2節 地裁公判速記録(出口王仁三郎)P458-459から引用)