◎ジェイド・タブレット-外典-11-9
◎世界樹-7
◎五つと五つが向かいあっている
中国の建木では、10個の太陽なので迷わず10チャクラのことと見た。古神道でも十種神宝(とくさのかむだから)という概念があり、説明を見ると10チャクラのことだろうと想像される。
さてユダヤの生命の木では、10球を用いる。10球だが、その説明を見ると10チャクラではないことがわかる。
というのは、セフィロト・生命の木は、2~6世紀に編纂された「創造の書」において初登場するのだが、「創造の書」では、セフィロトについてこんな風に書かれている。
『律(ミシュナ)1.2
そこには無形の十のセフィロトおよび基礎となる二十二の文字がある。そのうち三つは母なる文字であり、七つは重複し、十二の文字は単音である。
律(ミシュナ)1.3
そこには無形の十のセフィロト〈それは十本の指の数である〉があり、五つと五つが向かいあっている。そして、中心には、舌(発声器官)のような、裸体(機関〉のような統合の契約が設置されている。』
(カバラ ユダヤ神秘思想の系譜/箱崎総一/青土社P92-93から引用)
これを見ると、一つ一つの球がセフィロトであって、10とは、5の陰陽であるから、10球セフィロトとは、六〇干支の十干に相当するものであることがわかる。ただし、十干は、木火土金水の五行を根本思想とするのに対し、西洋では基本の五大(地水火風空)が根本思想のはず。ところが、セフィロト解釈においては、5+5の基本についてはほとんど顧みられていない。
むしろ、10球のうち下から七つが7チャクラ照応という説(カバラーの世界/パール・エプスタイン/青土社p92-93)や、最上位の3球を一つと数え、最下位の2球を一つと数え残り5球を五つと数え合計7チャクラとする説(神秘のカバラー/ダイアン・フォーチュン/国書刊行会P88)などの、いかにもとってつけたような説が主流のようである。
ユダヤ教において、5+5の基本概念が劣勢であるということは、「失われた古代テクノロジー」の一つなのではないかとおもう。7チャクラ照応は、前掲ミシュナにあるとおり、本来22文字のほうに置いたのだろう。
このように宇宙樹としてのセフィロトは、宇宙全体の表現としては、7チャクラあるいは10チャクラで表現するのではなく、五大の延長としての10球を採用したと見るべきだろうと思う。
こうして五大は、言霊の基本たる五声に展開していく。