先日の新聞に驚くべき記事がありました。
その記事は、世界の大富豪上位8人の資産が貧しい生活を送る世界の人たち約36億7500万人分に相当すると言うものです。
これは、国際非政府組織(NGO)オックスファムが発表したもので、それによると、世界で最も裕福な8人と、世界の人口の半数に当たる、経済的に恵まれていない人たち36億7500万人の資産額がほぼ同じだとする報告書です。
報告書では、8人の資産の計は4260億ドル(約48兆7千億円)に上り、世界人口73億5千万人の半分の合計額に相当すると指摘しています。
更に、1988年から2011年にかけての下位10%の収入は年平均3ドルも増えていないのに対し、上位1%は182倍になったとしています。
オックスファムは貧富拡大の一因として、大企業などが政府の規制や国際政策に影響力を及ぼす「縁故資本主義」を挙げており、富める者の資産の3分の1は相続によるもので、43%は縁故主義に関係していると分析しています。
更に、発展途上国は脱税で年1千億ドルを失っているとも指摘し、課税制度の是正が不可欠だと訴えています。
オックスファムは、税収拡大や軍事費削減などに取り組めば最貧困層の4分の3を救うことができると主張し、「大企業や超富裕層がいかに格差の危機をもたらしているかや、現状を変えるために何ができるかを考えるべきだ」と強調しています。
昨年発表された2015年の資料では、富裕層のトップ62人と世界人口の下から半分(約36億人)の資産の合計はほぼ同じというものでした。
僅か1年で62人の富裕層が更に財産を増やし8人の大富豪と世界の半数の人たちの財産と同じとなったのです。
これぞ特定の階層による経済支配が固定される究極の経済格差ではないでしょうか。
(参考)
なお、縁故資本主義とは、政府官僚や企業役員との密接な関係がビジネスの継続、成功に決定的な要因となっている「資本主義経済」を指す軽蔑的な用語であり、法的許認可、政府認可、優遇税制措置、公共事業発注先の選定に不公平さが見られるときにこう呼ばれています。