らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

野鳥「ウソ」

2020-02-03 | 雑学

先日、読売新聞のコラム欄に野鳥の「鷽(うそ)」に関する記事が載っていました。
「ウソ」という名前の野鳥がいるのか?
と思いながら記事を読んでいくと、下記のような書き出しで始まっていたのです。

「コラム」
「鷽(うそ)という小型の鳥がいる。凶事を嘘にして吉事に取(鳥)り替える、または人々が知らず知らずのうちについた嘘を誠に取り替える、と伝えられる。東京の亀戸天神は1月恒例の鷽替神事(うそかえしんじ)の由来をそう説明している」と書きだして、現実の世にも嘘は多い。
就職活動で複数の内定を得た学生向けに辞退の連絡を代行する。そんなサービスが現れた。(以下略)という内容の記事でした。

近年、就職戦線は売り手市場であることから、学生は内定を得るために「御社が第一志望です」と言って複数の内定を得た後、言を翻して内定辞退を代行会社に依頼する。
20年ほど前の就職氷河期世代の人たちを思うと複雑な気持ちになりますが、そのような嘘を「鷽(うそ)」にかけて記事にする記者もよく調べ、皮肉るものです。
そこで今日は「嘘」ではなく、真実の「鷽(ウソ)」という小鳥について調べてみることにしました。

・これが「鷽(うそ)」という名前の野鳥です。(ネットより)
 名前に似合わずきれいな小鳥です。


鷽(うそ)はスズメ目アトリ科ウソ属に分類される鳥類で、全長15.5cm、スズメより一回り大きい小鳥です。
オスは灰色と黒色、メスは茶色と黒色の配色ですが、オスの頬から喉には目立つ赤色(緋色)があります。
日本では本州と北海道の山地の針葉樹林で繁殖し、冬には南下し、平地の林でも見られます。
ウソは、一般的には漂鳥ですが、冬になると海外から渡来してくることも確認されています。

名前の由来は、口笛を意味する古語「うそ」から来ており、ヒーホーと口笛のような鳴き声を発することから名付けられたそうです。
名前の由来となった口笛のような鳴き声、どんなさえずりなのでしょうね。
気になりませんか?
そこでYou Tubeから鳴き声をダウンロードしたのでお聴きください。

神戸市立森林植物園の「ウソ」の鳴き声です(You Tubeより)
ピー、ピーと聞こえるのがウソの鳴き声です。

「参考」
「うそ替え神事」
『うそ替え神事』は、過去1年間についた嘘を独特の方法で、まこと(真・誠)に替えて帳消しにするという神事です。
行われる日は、1年で最初の天神さんの日である1月25日の「初天神」の日です。
その謂れは次のようです。
菅原道真公は「学問、出世の神様」として有名であると同時に「正直の神様」、無実の罪を清める「雪冤(せつえん)の神様」としても有名です。
一方で道真公が愛し、神社の紋にもなっている梅の木と縁の深い鳥で鷽鳥(うそどり)という実在の鳥が存在します。
鷽鳥の名が「嘘」に通じることから、過去一年間に自分のついた嘘を鷽鳥に託し、初天神で罪滅ぼしを行おうということから「うそ替え神事」が生まれたということです。

なお神事の詳細については大阪天満宮の「うそ替え神事」にリンクしておきますのでご参照ください。