らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「雉も鳴かずば」伝説

2020-02-29 | 雑学

日本の国鳥をご存知ですよね。
そうです。おっしゃる通り、「雉(キジ)」です。
日本昔ばなしの桃太郎にも登場する「キジ(雉)」が国鳥なのです。

その雉を例えた諺に「雉も鳴かずば撃たれまい」があります。
意味は申すまでもなく、「余計なことを言ったばかりに、自ら災いを招くこと」を例えたものです。
その雉が私の畑のそばの草むらにいるのです。
あぜ道を通っていると、「ケーン、ケーン」と鳴きながら走って逃げていきます。

「雉」
雉はキジ目キジ科に属する全長60㎝~80㎝、地上性のニワトリ大の鳥で、本州・四国・九州に分布しています。
日本特産で1947年(昭和22年)日本鳥学会で国鳥に選定されました。
昔から日本人とかかわりの深い鳥として、「桃太郎」をはじめいろいろな物語に登場しており、「朝キジが鳴けば雨、地震が近づけば大声で鳴く」といった予知能力まで与えられていると言われています。
しかし、日本の国鳥に選ばれていながら、狩猟が許されているという、不幸な鳥でもあるのです。

「雉の雄」
オスは顔は赤色、頸・胸・下面全体は暗緑色、背面の色彩は複雑ですが美しい色合いです。
繁殖期になると、ハート型の赤い顔になり、「ケーンケーン」と鳴きながらメスを求めます。

・色彩鮮やかなキジの雄です。


「メス」
メスは淡褐色で黒斑があり、尾は雄と比べると短く、全体に地味な色合いです。

・地味な色合いのメスのキジです。


「雉も鳴かずば撃たれまい伝説」
長野市信州新町の犀川の久米路橋に次のような昔話が伝わっています。
橋のほとりに住んでいたお菊の村は、しばしば橋が流され、土手は崩れ、田畑は冠水するのでした。
村人の暮らしは貧しく、年貢を納めずに夜逃げする人も多かったそうです。

お菊が9歳のとき、もうじき正月というのに大病を患ってしまいました。
熱にうなされたお菊は、か細い声で「赤まんま(赤飯)、赤まんま…」とねだったのです。
じっと我慢していた父親は、夢中で名主の倉に走りました。
 
早春のある日、役人たちが小豆泥棒を捕えるため、村にやって来ました。
元気になったお菊は、まりを持ち出し、「♪トントンおらちじゃ 赤まんま食ったぞ!トントン」と歌いながら毬をトントン突きはじめたのです。
この歌声が役人の耳に入り、盗人はこの家のもんだと、お菊の父親は縄を打たれてしまいました。

ちょうどこのころ、大雨が降り続き、久米路橋は架けても架けても流されてしまうのです。
そこで村人たちが集まって、
「こんなに大雨が降るたびに橋が流されるのは、村の中に不心得な者がいるせいだ。水神様の怒りだから、怒りを鎮めるために橋の下に人柱を立てる必要がある。」
と提言したのです。
そして、とうとうお菊の父親は、橋のたもとに生きたまま埋められてしまったのです。
お菊はそれから夜ごとに泣き続け、泣き声は村人の心をかきむしりました。
こうして幾日か経ったある日、お菊はぷっつり泣くのを止め、ひと声も出さなくなりました。
 
何年か経ち、お菊は美しい娘になりました。
秋の夕暮れ、お菊は久米路橋のたもとにじっと座っていたときです。
ひと声キジが鳴いたと思ったら、すかさず鉄砲の音がしました。
撃たれたキジがお菊の頭上にバサバサと落ちてきたのです。
お菊がキジを抱いたところ、閉じられていた唇を開いて、
「かわいそうに…。お前も甲高い声で鳴いたりしなければ、撃たれることもなかったのに。わたしもひとこと言ったばかりに父を殺してしまった」とキジを優しくなでました。
 
猟師が駆け寄り、「お菊、われ口がきけただか!」と叫んだが、お菊は振り返りもしないで、林の中に消えていきました。
そして、その日からお菊の姿は村から消え、だれ一人見た者はいなかったということです。

「雉子も鳴かずばの像」
この伝説に因んだ「雉子も鳴かずば」の像が、久米路橋の近くの奈津女公園に建っているそうです。

・これが「雉子も鳴かずば」の像です